見出し画像

【読書メーターまとめ】2023年12月に読んだ本

 読書メーターまとめを月次でnoteで振り返るようになって、丸1年が過ぎる。2度目の12月に読んだ本の振り返りとなる。
 今月は、コミック徳川家康を中心に21冊となった。また出張の合間のkindle unlimitedは、なかなか有効に時間が活用できてよい。
 

2023年12月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:4906ページ

https://bookmeter.com/users/1268958/summary/monthly/2023/12

 


■経営学習論 増補新装版: 人材育成を科学する

読了日:12月01日 著者:中原 淳

経営学習とは企業・組織に関係する人々の学習を取り扱う学際的研究の総称。本書は、人財育成・学習の機能不全が、➀職場の社会的関係の消失➁仕事の仕事化③高度情報管理による学習機会喪失によりもたらされる中の「経営学習」の全体像を語る学術書。学術書とは言え、著者の手腕により非常にわかりやすい。全体像を語るために、➀組織社会化➁経験学習③職場学習➃組織再社会化⑤越境学習にスポットを当てる。経験学習についてのまとめは特にわかりやすい。人は行為することにより「受苦」を被り、受苦を通じて高度の認識に到達する。それこそ成長。

■徳川家康―コミック 乱雲の章 (歴史コミック (1))

読了日:12月02日 著者:横山 光輝

図書館にて。大河ドラマもあり、前から読みたかった山岡荘八の徳川家康にチャレンジしようかと思ったが、時間の都合もあり、横山光輝の漫画版を手に取る。第1巻は、主人公の竹千代(家康)が生まれる前の話。家康の母である於大の方の聡明さが光る。壮大な原作の世界観がそのまま活かされているような感覚。どんな家康像が描かれるのか?また三河家臣団はどう描かれるか?これから読み進めるのが楽しみである。

■徳川家康―コミック 出生乱離の章 (歴史コミック (2))

読了日:12月02日 著者:横山 光輝

第2巻は、竹千代(家康)誕生。家康の父の松平広忠が、今川と織田の間で揺れ動く様子が描かれる。また大久保党など無骨で忠義の心が厚い三河家臣団も登場する。於大の方が、夫や三河の家臣団に受け容れられていく、反面、織田方にういた、於大の方の実家・水野家の影響から、離縁することに。策に溺れていく、水野家の信元の姿から何を学ぶか。またキーパーソンとしての、熊の若宮の波太郎や信元の弟の信近など、今後の展開が楽しみ。弱小大名が、戦国の世を生き抜く姿を描く、犠牲になるのは、女子供などの弱者なのは、いつの世も一緒である。

■2040年 「仕事とキャリア」年表 (単行本)

読了日:12月02日 著者:植田統

Kindle Unlimitedにて。年表の時間感覚には疑問もあるが、著者の主張には大いに賛同。50歳に近づいた今、会社が何か用意してくれる世代ではないのは強く認識すべきで「マインドセット」の切り替えが必要。「自分株式会社」の運営がポイントであり、自己投資は絶対必要。「あなたが人生を切り開けるかどうかは、行動がすべてです。」「行動しなければ成果ゼロ」という著者の主張が胸に響く。では、今悩んでいる人は、どうしたら行動できるか?「自分を信じ続けること」という。現在の仕事を続けていても将来は保証されないのだ。

■徳川家康―コミック (3) 春雷の章 (歴史コミック (3))

読了日:12月02日 著者:横山 光輝

話に惹きこまれ、三巻読了。於大の方の再婚。広忠の乱心、そして、竹千代は、ついに駿府に人質として送り出される。家康の人格形成に、幼少期のそのような体験がどう影響しているのであろうか?三河武士団の頑強さ、主君に遠慮しない真の忠義も描かれる。

■徳川家康 4(獅子の座の章)―コミック (歴史コミック 4)

読了日:12月02日 著者:横山 光輝,山岡 荘八

図書館で4巻まで借りて一気読み。世界観に惹きこまれる。第4巻も激動の展開である。竹千代(家康)は、人質として、駿府に護送中に、織田方の手中に落ちる。そこで、信長との運命の出会いを果たす。そして、父・広忠の死。器でない人が上に立った時の悲劇を描き出す。そして、於大の方(家康の母)や華陽院(於大の方の母)という女性たちの平和への懸命な努力。ついには、人質交換で、家康は、駿府に赴くことになる。続きは、図書館で予約したのでしばらく先、楽しみである。

■チャーチル名言録

読了日:12月03日 著者:

Kindle Unlimitedにて。中西輝政氏は、チャーチルの生涯を「栄光と挫折が劇的に交錯する」と称す。度重なる試練を乗り越えたチャーチルだからこその数々の名言。英語も読むと印象的。首相就任時の「私は運命とともに歩いているように感じた。これまでの人生はすべて、この時、この試練のための準備だった」が一番好き。他に気に入った言葉、「人は失敗することもあるが、そこから教訓を得るものだ。不運なことがあっても、いつ幸運になるとも限らない」「私は行動することを決して恐れない。唯一恐れるのは行動しないことだ。」

■組織行動 -- 組織の中の人間行動を探る (有斐閣ストゥディア)

読了日:12月05日 著者:鈴木 竜太,服部 泰宏

二度目の読了。読み易い。「組織への強いコミットメントを引き出すには、強い組織文化や価値の共有が必要。一方で組織文化は組織の変革を妨げたり、そうした動きに対して心理的な抵抗感を生み出したりする」とかグループダイナミクスなどが印象的。最終章の組織行動論を学ぶメリットとして、➀「注意の配分」を可能にするというのと、➁メカニズムの理というのを上げる。巨人の肩に乗って物事を見ながら、実践していく。また物事を因果で考えるという社会科学、行動科学の理論を知っていることは重要だと思う。

■徳川家康―コミック (5) 孤高の章 (歴史コミック (5))

読了日:12月09日 著者:横山 光輝

人質交換で竹千代は、駿河へ。雪斎禅師との出会いにより、禅や儒教の学びを得ていく。覇道ではなく、王道への道の学びである。また竹千代の大物ぶりを描く。今川義元との宴席の場での立小便の話は本当だろうか?そして、織田家は、信秀から信長の時代へ。信長の天才性を描き出す。

■徳川家康―コミック (6) 朝露の章 (歴史コミック (6))

読了日:12月09日 著者:横山 光輝

今川家での人質生活は、続く。いよいよ元服、竹千代は、松平元信、そして元康を名乗ることになる。そして、今川義元の姪である鶴姫との婚姻。まだ世に出る前の姿の描写が続いていく。しかしこの時代の出来事が家康の人格形成に大いに影響を与えたのかもしれない。

■徳川家康―コミック (7) 竜虎の章 (歴史コミック (7))

読了日:12月09日 著者:横山 光輝

いよいよ桶狭間の戦いへ。その後の大高城での選択が、家康の運命を変えたように感じる。いよいよ岡崎城への帰還である。また母である於大の方との再会も涙を誘う。ようやく独立した大名へ。乱世である。時代は大きく変わっていく。

■徳川家康―コミック (8) 葦かびの章 (歴史コミック (8))

読了日:12月09日 著者:横山 光輝

今川家から独立した家康は、信長との和睦を果たす。一方で、今川義元の姪でもある妻・築山殿との間には、亀裂が走っていく。三河の今川勢を駆逐し、一国の三河一国を完全に手中にするものの三河の一向一揆という試練を迎える。一向一揆への対応では、恨みに対してどう報いるかを考えるのに好例である。乱世は、信長と家康の同盟で大きく変わっていく。

■徳川家康―コミック (9) うず潮の章 (歴史コミック (9))

読了日:12月09日 著者:横山 光輝

ここに来て急展開。一気に歴史の表舞台に出ることになる。名を松平元康から徳川家康へ。本拠地を浜松へと変更する。信長の援軍で出陣した姉川の戦いでは、信長をもうならせる活躍をする。そんな家康にとっての頭痛のタネが、武田信玄と築山殿である。家康唯一の敗北とも言ってよい三方ヶ原の戦いを迎える。武田に蹴散らされながらも三河勢の忠義を見せつける。そして本巻は、武田信玄の死で終わる。続きが楽しみである。

■徳川家康―コミック (10) 燃える土の章 (歴史コミック (10))

読了日:12月16日 著者:横山 光輝

武田信玄亡き後の、武田家と徳川家の戦いを中心に話が進む。奥平家から武田家に人質に取られた千丸・おふうの話は、乱世ならではの悲劇。好戦的な勝頼と信長・家康の思慮深さが対象的に描かれる。そして、いよいよ築山殿の狂気が抜き差しならないところまできてしまう。この辺りの話は、通常の歴史ものではさっと進んでしまうが、詳細に心理模様やプロセスを描き出す。

■徳川家康―コミック (11) 風林の章 (歴史コミック (11))

読了日:12月16日 著者:横山 光輝

武田勝頼の猛攻で、高天神は落城する。そして、最後の砦、長篠城をめぐる籠城戦では、奥平氏の天才的な戦いを描き出すとともに、鳥居強右衛門の壮絶な討ち死を描き出す。そして、戦いはいよいよ信長の援軍を迎え、歴史に名高い長篠の戦いへと展開する。この戦いの後、時代は大きく変わっていくとともに織田家と徳川家の関係も変わっていく。

■徳川家康―コミック (12) 雷の章 (歴史コミック (12))

読了日:12月16日 著者:横山 光輝

長篠の戦いを経て、信長は、500万石を超える領土をもち、安土城を築き右大臣になるなど、天下布武に向け突き進んでいく。そんな中で、東の備えを盤石にするという戦略のもと、築山殿と信康の処分の話がもたらされる。家康にとって人生の中でも最も過酷な出来事の一つだったと思う。武田勝頼はまだまだ好戦的な姿勢を止めない。家康は北条と同盟を結び、織田・北条・徳川で武田を包囲し、高天神城を奪い返す。

■徳川家康―コミック (13) 流星の章 (歴史コミック (13))

読了日:12月16日 著者:横山 光輝

時代は一気に進む。武田家の滅亡、そして本能寺の変である。濃姫が信長と共に本能寺で長刀を奮って戦うというのは、私にとり、初めてみた描写だが、wikipediaによれば、他の創作物でもみられるという。そして、家康にとって、三方ヶ原の戦いと並ぶ危機である、伊賀越えでは、家康の仁徳で危機を切り抜ける様子を描き出す。天王山の戦いで秀吉が時代の先頭に立つ中、家康は東国固めに力を入れる。武田家の旧家臣に対する処し方は、織田家と対照的、融和政策である。この辺りは苦労人・家康ならではではなかろうか。

■徳川家康―コミック (14) 長久手の章 (歴史コミック (14))

読了日:12月17日 著者:横山 光輝

本巻は、小牧長久手の戦いを中心に描かれる。家康の戦上手ぶりや三河武士の強さを象徴する戦いである。この戦いに至るまでの、織田信雄の稚拙さや秀吉・家康の心理戦なども丁寧に描いていることも本書の魅力となっている。秀吉恐るべし、家康恐るべしである。

■組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす

読了日:12月18日 著者:中原 淳,中村 和彦

二度目の読了。組織開発の理論をその源流から教えてくれる。その「本質」を「見える化」「ガチ対話」「未来づくり」とする。手法より重要なのはマインドセットだと理解した。「診断型組織開発」と「対話型組織開発」は、その源流の思想から異なるというのも興味深かった。実践面では、ヤフーの事例がしっくりくる。あまり組織開発と大上段に構えるよりも組織課題をどう解決するかが主題である。著者2人による「組織開発の未来」と題した対談も面白い。現場マネジャーは須らく組織開発的マインドと手法を駆使し組織をWORKさせるべしである。

■徳川家康―コミック (15) 日輪の章 (歴史コミック (15))

読了日:12月22日 著者:横山 光輝

前巻からの時の流れは緩やかである。秀吉と家康の心理戦を中心に描いていく。戦乱を経て、平和を希求する世の中の動きが、秀吉の天下統一の流れを後押しする。そして、石川数正の出奔や北条氏政の凡庸さへの気づきなど、家康が徐々に追い詰められていく様子を描く。派手さはないが、家康の人生を左右する大きな出来事であったことは間違いない。「人生の選択」である。

■徳川家康―コミック (16) 世家の章 (歴史コミック (16))

読了日:12月23日 著者:横山 光輝

妹・朝日姫を家康に嫁がせ、さらに母・大政所の岡崎訪問という手を繰り出す秀吉。追い詰められる家康。いよいよ二人の対面。家康は、秀吉の凄みを思い知る。また本田作左衛門や大久保彦左衛門を登場させ、「三河気質」とは何たるかを描く。そして、本巻の物語で一番良かったのは、実の母(お愛の方)を亡くした長松丸(後の秀忠)と夫と離縁して家康に嫁いだ朝日姫という寂しさを抱える二人の「親子」の情を描くエピソードである。そして家康の関東移封をにおわせつつ進む小田原征伐でおわる。秀吉の凄みが際立つ十六巻であった。

最後に:1か月の読書を振り返って

 先月は、何と言っても山岡荘八と横山光輝による、コミック徳川家康中心であった。図書館で借りて、16巻まで進む。心理描写に惹きこまれる。忍耐の人、徳川家康。遺訓と言われる以下の言葉にぴったりの人生である。

人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。
及ばざるは過ぎたるよりまされり。

続きが待ち遠しいが、図書館の予約、順番待ちである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?