連載小説【想いを超えて】ー1
売れないな。
会心の一撃の出来だったのに。
何が足りないんだ。
しかし、10冊売れた。1200円で。
携帯が鳴った。
「門山の光山です。落ち込んでいるかい?」
「はい。ただ、10冊売れたのがなんかひっかかるんです」
「いいところに気が付いたね。それが新人の売れ方なんだよ^^」
「新人の売れ方?」
「君はまだ無名だから、買うのは作者を知りたいという好奇心がある金持ちなんだ^^」
「じゃあ、あの作品には価値があった?」
「価値があったというよりは、君のセンスに興味を持ったのだろう。立ち読みして」
「だから、落ち込むなと言うのは無理だが、悪くないということを知ってな。じゃあ。」
また携帯が鳴る。
「やっほー、今いい?」
「恵子。いいよ。俺、小説が10冊も売れた」
「ほぉー」
「なんだ、そのほぉーは。何か無いのか?」
「作家になるだけでもすごいのに、10冊も売れたってとり方がいい^^」
「ネガティブは散々味わったよ。売れないのはnoter時代の300円記事以来だ^^」
「売れないのは理由があるということを、まーくんは話していたね^^」
「お客にお金を払わせるだけの価値が、有料noteの300円記事には無かった」
「そういった直後、いきなり、300円記事が売れたね。不思議。」
「自分を受け入れることが奇跡を生むんだ^^」
「良かった。元気そうで。今度の日曜に行くよ^^楽しみ^^」
「ひさしぶりに手料理をごちそうしてやるよ^^ その後は・・・」
「はい。了解♡」
携帯が切れた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?