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蛙と蝉と蝶々と

今日のテーマは
皆さん大好き「変態」シリーズ。

タイトルから想像できる通り、成長する過程で姿かたちを変える”変態”のことです。

といっても、このシリーズは今日が初めてです。
大好きになってもらえるだろうなという淡い期待を込めて書いていきます。

このシリーズは、人間の成長や成功の過程と生物の変態過程が似てるなと思ったので、分かりやすくストーリー仕立てでお送りしていきたいと思っています。

記念すべき、シリーズ1本目は「蝶々の回」

もしかしたら皆さんの周りにもこんな方いるよな〜と思って頂けるかもしれません。

それでは、いってみます。

この物語の主人公は、
アゲハ蝶の幼虫「Kちゃん」と虫取り少年「Tくん」

Tくんは、今日も元気に虫取り網を片手に蝶々を追いかけます。

自慢の網さばきで、たくさんのモンシロチョウを捕らえては、得意げに友達に自慢しています。

けれど、最近Tくんには悩みがありました。

それは、どれだけ蝶々を捕まえても、満足することが出来なくなってきていること。

それでも毎日のように、網をブンブン振り回しては、もっと綺麗な蝶々はいないかと走り回ります。

そして、そんな毎日を送っていたTくんは、スランプに陥ります。

狙いを定めて網を振っても、Tくんの網をスルリと抜けて逃げられてしまう。

毎日振り続けた網はいつのまにかボロボロになり、穴だらけになってしまったのです。

そんなことにも気づかずに、今日も網をブンブンブンブン。

もちろん蝶々は捕まえられません。

こんな状態が続いたものだから、とうとうTくんは網を持って、上を見上げることをやめてしまいます。

網を片手に、今日も下を向いて歩いているTくん。そんな彼が運命的な出会いをします。

地面に蠢く、なんとも綺麗で不思議な模様をしたイモムシとの出会い。

網を振って捕まえることしか知らないTくんは咄嗟にイモムシに網を被せます。

もちろん、イモムシは早く走れないし、飛ぶことも出来ない。簡単に捕まりました。

このイモムシこそ、後にアゲハ蝶になるKちゃんでした。

最近、蝶々を捕まえられなくて塞ぎ込んでいたTくんは、久々に捕まえられたイモムシに大興奮。

優しく両手ですくいあげ、お家に連れて帰ります。

お気に入りの虫かごに、ご飯と木の枝、布団がわりの木くずを入れて大事に大事にイモムシを入れる。

そして、このイモムシに”Kちゃん”と名前をつけました。

この日から、毎日毎日虫かごの前に座ってはKちゃんに話しかけるTくん。

これに答えるように元気に動き回るKちゃん。2人はとっても幸せでした。

けれど、そんな幸せは長くは続きません。
あたりが少し肌寒くなってくると、Kちゃんの様子が変わります。

そう。Kちゃんはサナギになったのです。
それも、虫かごの外で。

けれど、Tくんは、僕のおかげでKちゃんが成長したと喜んで、動かなくなったKちゃんの前に座って見つめます。


もともと、活発なTくんです。
元気に動かなくなったKちゃんに少し飽き始めます。

そして何より、動かなくなったので居なくなる心配もないかと、Kちゃんの前に座ることをやめてしまいます。

再び網を片手に、新しい蝶々との出会いを求めて外に出掛けるTくん。それでも新しい蝶々は捕まえられません。

春はもう、すぐそこ。


春の日差しがTくんの部屋に差し込みます。
暖かい風と爽やかな空気を取り込むためにお母さんが開けた窓の下。

何やらウズウズ動いています。

最近は、蝶々が捕まえられないことに嫌気がさして、虫取りをあまりしなくなったTくん。

そんなTくんの部屋に、いつまでも少年の心を忘れない、元気に走り回る虫取り少年Nくんの元気な声が響きます。

虫取り少年Nくんの元気な声に誘われるように、サナギになったKちゃんは、いよいよ羽化を始めます。

あっという間に綺麗な4枚の羽を広げ、今にも飛び立ちそうな勢いです。

Tくんが部屋に戻ったちょうどその時、Kちゃんは大きく開いた窓から元気に羽ばたいていきました。

これに気づいたTくんは、急いで虫取り網を取り出して、必死になって追いかけます。

僕を置いていかないで。
今までずっと一緒だったでしょ。
僕のおかげで成長できたでしょ。

そんなTくんの声は、春の風に掻き消され、Kちゃんには届きません。

何度か網がKちゃんを捉えますが、Tくんの網は穴だらけ。もちろん捕まるはずもない。

そして、気づけばあんなに遠くまで飛んでいってしまったKちゃんに、追いつく術もなく座り込むTくんはここで初めて気づきます。

僕の虫取り網は、こんなにも
穴だらけになっていたんだと。

おしまい。

これは完全にオリジナルストーリーですが、男女間にありそうだなと思うお話です。

元気にバリバリ働いていた女性でも、結婚や出産を機に、職場を退職することがあります。
(Kちゃん虫かごへ)

そして、女性は、妻として家族のためにと、家事に育児に奔走します。毎日毎日、休む間もなく大変だけど、大切な家族と幸せな家庭を守るために必死です。
(Kちゃんサナギになる)

そんな奥さんの頑張りに、結婚当初こそ感謝の言葉を伝えていた旦那さんも、いつしかその環境に慣れてしまいます。

そして、感謝の言葉もいつ伝えたか忘れてしまいそうなほど時間が経過し、その間も自分は友人や職場の仲間と飲み会や趣味のギャンブルで余暇を過ごします。

やがて時が経ち、子供達が成長すると、少しずつ奥さんの時間に余裕が生まれ始めます。空き時間を利用して、本を読んだり、手軽に見られるYouTubeから新しい学びを得たり。
(Kちゃんの羽化が始まる)

気づけば、夫婦の間には会話もほとんどなく、
家族としての絆だけが唯一2人をつなぎとめている。

趣味も教養も大きく差ができてしまっているため、たまに会話しても何となくズレを感じてしまう2人。

そして、いよいよ子供達が自立し始める頃、2人は大きな決断を迫られます。

やりたい事や夢を見つけた奥さんとのギャップを埋めるために努力するのか、ただただ夢を否定して現状のまま留まることを強要するのか。

この時は、男性側がどれだけ歩み寄れるのか?
が今後を大きく左右すると思います。

そもそもこうならないために、どうすべきだったのか?など、考えられることは沢山ありそうですね。

なんて、よくありそうな家庭のやり取りを、変態シリーズの1本目、蝶々の会としてみました。

この後、2人がどうなるのか。
それは、皆さんのご想像にお任せします。

物語風は、初めて書いたので、読みにくいことこの上なかったかなと思いますが、面白かった!
と思って頂ける方がいたら懐きますw

シリーズとして
蛙の回、蝉の回、蟻の回をいつか書こうと思ってますので、その時はまた読んでみて下さい。

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