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清夜に響くブルーライン5曲目

頬杖をついて黒板を見ていた。

黒板には
体育祭について
という板書がされていた。

体育祭

私は運動はどちらかといえば苦手
嫌いではないけれど特別好きなスポーツは
バスケットボールとバレーボールくらい

体育祭には1人最低3つは出なければ行けなかった。3つにも種類があって
1つ目は徒競走、障害物競走か選ぶ
2つ目は騎馬戦
3つ目はダンス

その他綱引き、リレー、部活対抗リレーなどがあるが
3つ出ればいいので
私は障害物競走、騎馬戦、ダンスの
3つにした。
前から自分が出る種目を書く紙が回ってくる。
もうすぐだ。

前にはこの間笑顔が素敵だった彼の後ろ姿。朝部活だったのかな、少しだけ汗をかいている髪が跳ねていた。彼の番がきてシャーペンで紙に書いている。何に出るのだろうか。

紙が回ってきた。
受けとるとこう書いてあった。

体育祭種目
開会式
1ラジオ体操
2一年ダンス
3障害物競走
4 綱引き
5二年ダンス
6騎馬戦
休憩
7部活動対抗リレー
8三年ダンス
9二人三脚
10徒競走
11リレー
12閉会式

それぞれ書いてある種目の横に線が引いてあって、生徒の名前が書いてあった。
私が笠原と名前を書いた。
そういえば前の男の子名前聞いてないかも。
そう思いつつ私は紙を後ろに回した。

明日から早速練習が始まる。
障害物競走と騎馬戦はともかく
ダンスはまだ楽しみかも。

今日も放課後部活。
スクールカバンを下げ席から立ち上がると
私の足元に消ゴムが落ちてきた。
あ…私は拾った。
前の男の子が落としたものらしいけど
気付いていない。

「あの…消ゴム落としたよ。」

勇気を出して声をだした。
彼は振り向いてくれて
あ、ありがとう!とまた可愛らしい笑顔で答えてくれた。すると教科書に名前が書いてあるのが目についた。名前欄には笹木かずと書いてあった。
かず…かずくんって言うんだ。

「ねえねえ、もえさんはさ!」

急に話題をふられる
え、え!?
「カレーとハンバーグだったら今日どっちの気分!?」

今夜の晩御飯だろうか…

「か、カレーかな…」
静かに答えると

「よし!んじゃ今日はカレーにしようっと!」
と答えた。

偉いな。自分で作ってるのかな。

「カレー美味しいよね、カツのってるのとか超美味しい。」
彼が会話を続けた。

「わ、私は卵のってるのが好き。」

おー!いいね!!

と言って彼はカレーにすることを誰かに伝えているのだろうか。ラインをしていた。

「俺、ねーちゃんがいて今日はねーちゃんが作ってくれるらしいから何にしようか迷って
カレーかハンバーグの気分だなあって思って。
助かったよ!」

「お姉さんいるんだ。因みに私もいる。」

「そうなの!じゃあ俺達末っ子なんだ!!お姉さんと喧嘩する?」
「全然する。」

あれ、なんか話しやすいな。
名前も今知ったばかりなのに。

「サンダー!部活行くぞー!」

おう!

「さ、サンダー??」
「あ、俺のあだ名!サンダーでいいよ!またね!もえさん!」

そう言って彼は教室を出ていってしまった。

サンダー、雷かなあ?
因みに何の部活なんだろう。

あ、そういえば

教卓には今日書いた体育祭に出る名簿が
のっていた。

笹木という名前は 障害物 騎馬戦 ダンス
そして部活動対抗リレーに書いてあるのが見えた。

to be continued…


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