セリフが刺さる〜《82年生まれ 、キム・ジヨン》
ベストセラーの原作は、図書館で予約してるのだけど、まだ順番待ちです。
読んでから、と思ってたけど、先に映画を観てしまった。
シーンごと、セリフごとに「ああ、こんな事あった。」「ああ、これ言われたことがある。」だ。
学生の頃は「痴漢に合うのは、ボーっとしてたから。」と言われ、「四年制大学に行くなんて可愛げのない。女に学歴は無駄や。」と親から進学を反対され(どうにか実力行使で潜り込んだけど学費は出してもらえなかった。)、社会人になれば結婚を急かされ、結婚すれば『嫁たるもの〜』と好き勝手に要求され、子連れで移動すれば舌打ちされ、年を重ねたら「オバハン邪魔や!」と。
オンナに生まれたというだけで、偏見と差別と悪意をぶつけられてきた。
ストーリーが進むにつれて、胸が締めつけられる。
気がついたら涙が出ていた。
私は、アメリカで子どもたちを産んで、上の子が4才、下が6ヶ月まで過ごした。
当時のアメリカもやはり【男社会】だったが、一般的にレディファーストだったし、少なくとも子連れには老若男女問わず優しかった。
もっと長く住んでいたら、もう一人か二人産んでいたと思う。産みたかった。
アメリカなので、制度がどうではないけど、社会が子育てに寛容で暖かかった。
帰国して、日本での子育てが本当に過酷に思えた。
たまたま幸せなことに、近所に住む同世代の気さくな人と仲良くなれて、子どもたちの年も同じで、幼稚園のママ友の輪にも入ることができた。
でも、本当に幸運だったとしか言えない。
そんないろいろが、観ながら思い出されたのだ。
韓国も日本も『少子化』が問題だけど、修羅場をどうにかくぐり抜けてきた当事者としては、「そら、せやろ。」だ。
心の中の澱を明文化してくれたような作品です。
原作を読むのも楽しみです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?