見出し画像

【韓国映画感想文】《コレクターズ〜ソウルに眠る宝刀を盗み出せ〜》

Amazonプライム・ビデオで視聴しました。

考古学的価値があるものや国宝級の、古美術を巡る壮大なクライムコメディです。

映画なのでキャストも豪華。

☆☆☆☆☆

天才盗掘師の男。歴史ある寺から金銅仏像を盗み出した彼は、古美術界の女性研究者に興味を持たれる。彼女の上司の命令により、彼は仲間と共に高句麗古墳壁画を盗み出す。信頼を得た彼らは、やがてソウルの中心部にある朝鮮王の墳墓・宣陵から宝刀を盗掘するという大胆な計画を進めることになる。

Google検索結果の【概要】より

イ・ジェフンとシン・ヘソンを中心に、【誰が味方で誰が敵で】の騙し合い。

韓国映画(ドラマも)は騙し合うのが好きやなぁとつくづく感心する。

詐欺事件が多いのもなんだか納得。

そして『お金持ちは倫理観がない』がステレオタイプになっているようだ。
一般人の私にはお金持ちの知人すらいないので、よくわからないが。

☆☆☆☆☆

私がこどもの頃、ようやく太平洋戦争の戦後の混乱が落ち着き始め高度経済成長が加速してきた。

当時の日本は、今の韓国コンテンツでよく見るように交通事故が多発して死亡事故が年間一万件を超え、労災の制度が整っておらず仕事中に怪我をしたらそのまま一家が路頭に迷い、大規模な詐欺事件が起こり(その首謀者の社長宅に集まる報道陣を押し退けて一人の男が押し入ったかと思うと血塗れのナイフを持って出てきた。社長は刺し殺されていた。)、海外旅行が一般人にも解禁され団体で出かけられるようになって海外に【旗の後ろに列になってカメラを首からぶら下げてメガネをかけて歩く日本人】のイメージを定着させつつあった。

現在美しく改装中の梅田の地下街には、傷病軍人の方が座って前に小銭を落としてもらうのを待っていたり、靴磨きのおじさんが台を前にお客さんを待っていたり、どこから仕入れたか分からないカニの即売のおじさんがいた。

祖母と天王寺に行った時、バナナの叩き売りとガマの油売りを見た。
イベントの【伝統芸】ではなく、本気で売ってた。
(分からない方は、検索してみてください)

きっと私くらいが上記のような大阪、いや日本を知ってる最後の世代だと思う。

海外から【現在の】日本にやってきて、『日本すごい!』『日本きれい!』『日本は安全!』と言ってくださるのは嬉しいしありがたいが、昔を知る私からすれば「日本もようやくここまで民度が上がって落ち着きました。」と感じている。
事件・事故がなくなったわけではないにせよ。

30年くらい後、韓国コンテンツでも『あんな騙し合いがネタになった時代があったんだね』と笑えるようになっていて欲しいと思う。

【他人の不幸の上に自分の幸福を築かない】という概念が日本にも韓国にも、いや地球上のどんな所にも当たり前のこととして浸透していくことを願う。

☆☆☆☆☆

ではまた。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?