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Zuckerbergの野望

私的にはこの先5年、面白いなと思うマグ7の株はNVDA、META、TSLAの3つ。意外だった?この3社には共通点がある。そう、創業者がまだCEOなのだ。創業者CEOは雇われCEOと違い、度肝を抜く事をやってくれる。NVDAとTSLAは最近書いたので今日はMETA。METAは今、大地震を起こしてる。

METAのCEO、Mark Zuckerberg(以下Zuck)は今、地殻変動に近い大地震をAIの世界で起こしてるのに、そのことはメインメディアではほとんど話題になってない。今日はその話をしたいと思う。

今期決算後下げた株価

先日の決算でZuckが「設備投資にお金使いまくるよー」と言ったことに腹を立てた投資家たちが株を売ったことで株価は下がった。

そこで私はすでに持っていたポジションにさらに買い足した。もっと下がればもっと買おうと今、待ち構えている。

このチャートを見るとわかるように、ここ3年間、METAの株価はかなり激しく変動した。でも基本、株価は次の12ヶ月の予想EPSに沿って動く(青い線がEPS、黒い線が株価)。

そして株価が(黒い線)EPS(青い線)の下にいるときは割安、ということになる。今、株価がEPSに比べてがっつり落ちているのがわかると思う。

これはMETA株は今かなり割安と解釈できる。でも今後、EPSが下方修正される可能性も示唆している。

実際、先週日曜日、私の「負けない勉強会」で作った2024年のEPS予想はコンセンサスを4%ほど下回った(勉強会に興味のある方は私のNote記事参照)。

だからMETA株はここしばらくはどこにもいかないかもしれない。

でも今から5年後はMETAは最低でも2倍になってると私は思う。なぜならMETAはAIの覇権を果敢に取りに行ってるから。

「雇われ」か「オーナー」か

METAに関しては私は22年10月26日に「GAFAMの中で一番化ける可能性があるのはMETA」というツイートを書いた。そこから株価は4倍になってる。

さらに去年の7月、PIVOTさんのインタビューでも「META株に注目せよ」というタイトルで株の話をした。そこからも50%近く上がってる。

なぜ私がMETAにそんなに期待しているか、というと、冒頭にも行ったようにMETAは創業者のZuckが仕切っているから。

雇われCEOが率いるMSFT、AAPL、GOOG、AMZN(MAGA)は大きすぎるし、創業者がリーダーではないので、なんとも小回りが効かない。

よって大きな変化はなかなか起こらない。変化を起こして世界を変えたい優秀なエンジニア達はどんどんタイタニックを乗り捨てて小型船のスタートアップへ逃げていく。

それに対して、創業者Zuckはバットを大振りするし、彼のおかげでMETAはメガキャップ(超大型株)の中では驚くほど小回りが効くのだ。

まず、2021年10月、Zuckは社名を変えてまで企業の成長方向を一気にメタバースに向けた。そんなことが雇われCEOのMAGAにできるだろうか?いや無理だろう。

そして2022年、下がり続ける株価と業績を見てZuckはYear of Efficiency(効率化の年)を宣言。2万人以上社員を解雇して人員をなんと約25%減らした。そんなことがMAGAにできるだろうか?いや無理だろう。

そんな大それた変革をやってのけたのはMETAの他にはElonが買収したTwitterしかない。「雇われ」ではなく「オーナー」。キーワードはそこにある。

ホームランはバットを大振りしないと打てない。雇われCEOはバットを大振りしない。どうせ株を長期で持つならホームランを狙える会社がいい。私はそう思う。

Zuckはまたバットを大振りしてる

さて、ではZuckは今何をしているのか?ZuckはAI業界に「チェックメイトー!!!」と雄叫びをあげながらバットを振り回して宣戦布告しているのだ。

AI業界は主に4つの業界に分けられる:

①まず最初に儲かるのが半導体関連会社。NVDA、AVGO、AMD、TSMC、ASML、CDNSなど(半導体関連会社については先日詳しくツイートした)。

②次に儲かるのが半導体を大量に仕入れてその計算力を貸し出すクラウドプロバイダー(ハイパースケイラー)。AMZN、 MSFT、 GOOG、そしてそれらのデータセンターに必要なものを作る会社達。SMCI、 MU、 VRTなど。

③次に儲かる(はず)なのがAIのベースになるLLM(Large Language Model)を作る会社。MSFTのOpenAI、GOOG、METAなどの上場会社の他に、Anthropic、Mistral、Cohereなどなどたくさんの非上場会社がある。

④最後に儲かるのがそのLLMの上にアプリケーションを作る会社達。これらの会社は今毎日千単位で生まれている。今ほとんどのベンチャー案件はこの④のエリアだ。

METAはこの③の覇権を死ぬ気で取りに行ってる。

Zuckはスマホのプラットフォームに成れなかったせいで、AppleやSamsungにコントロールされるプラットフォーム上のアプリ会社(AIの前のブームのモバイル業界での④のグループ)という立ち位置になってしまい、AppleやSamsungがルールを変えるたびに業績が乱高下したり、上前をはねられる立場になってしまったことを非常に悔やんでいる。

だから、メタバースのプラットフォームを真剣に取りに行くためにMETAになったし、今もLLMのプラットフォームになれるようにバットを大振りしているのだ。

LLMは資金力と情報量と拡散力の勝負

LLMは最終的に生き残るのは多くて3つくらいだろうと言われている。スマホのOSシステムが初めはいくつもあったのに、最終的にはAppleのiOSとGoogleのアンドロイドの二つになったのと同じように。

そして勝ち残るために必要なのは圧倒的な資金力とLLMトレーニングに必要な情報のアクセス。

よってAnthropic、Mistral、Cohereなどは圧倒的に不利だと言われている。それらは最終的に生き残ったとしてもニッチに特化したLLMになるだろう。

すると残るはOpen AI、Google、METAだ。

この中でMETAは特殊な立ち位置にいる。なぜならMETAのLLM、LlamaはOpen Source(ほぼ無料)だから。OpenAIのGPT4やGoogleのGeminiはOpen Sourceではない(つまり有料)。

私の仕入れた情報によると、Llamaを使うコストは100万トークン毎に$0.60-$0.70に対してOpen AIのGPT4は$10-$30らしい。つまり16倍から42倍のコストだ。

厳密には違うけど、METAがやっているのはいわゆるダンピングに似ている。

資金力に任せて他社が正当な価格で販売している商品とほぼ同じクオリティのものを収益化を無視して安価で提供し、競合他社を廃業に追い込み、独占か寡占を実現した後で価格を上げる方法(ダンピングは違法行為)。

4月18日にMETAはLlama3をリリースした。Llama3はGPT4に全く劣らないらしく、デベロッパーコミュニティーはたくさんの人たちがLlama3に切り替えたらしい。

GPT5が出てくればおそらくそちらのほうが性能はいいのだろうと思うけど、Llama3にはバージョンが3つあって、それぞれトレーニングトークンのサイズが違う。一番おおきいやつはまだトレーニングが終わっていないのでこれからさらに性能が上がる可能性がある。

LLMの覇権を握るのは資金力だけでなく、情報量と拡散力も必要だ。その点、GoogleとMETAはOpen AIに対して情報量の面では圧倒的に有利だ。Open AIは今までYouTubeやTwitterのデータを使ってトレーニングしてきたが、将来はそれが難しくなる。

拡散力の面では、Open AIはMSFTのOfficeソフトウェアという拡散力があるし、First Mover Advantageでたくさんの消費者がすでにChat GPTアプリをインストールしたという優位性はあるものの、METAとGoogleに比べると拡散力も弱い。

日本ではまた使えないらしいけど、METAはMeta.aiをFacebook、What'sApp、Instagramにすでに搭載した。私はWhat's Appを毎日使うので、What's Appの中に住むMeta.aiさんに早速たくさん色々聞いている。非常に便利だ。

もうGoogleの検索は最近ほとんど使わないし(ちなみにMeta.aiの中のブラウザー機能はGoogle)、毎月$20払っていたChatGPT4は4月に解約した。

資金力 + 情報量 + 拡散力 + Open Source = META 優位

今回のバットの大振りもメタバースのように空振りに終わる可能性もある。でも私はMETAは今回のプラットフォーム取りは成功すると思ってる。

となれば将来のLLM上に作られるアプリ全てからいずれはチャリンチャリンとFeeが転がり込む形になるはず。

そんな可能性を秘めたMETAのPEが今22以下。MSFTは30以上。

GOOGとMETAは今ほぼ同じPEだけど、GOOGは検索の広告収入が将来確実に減ると思うので私はあまり好きではない。創業者CEOじゃないし。

もし、Larry PageかSergey BrinがSunder Pichaiを首にしてCEOとして戻ってきたら株を買うかもしれないけど。

META株はしばらくは調整するかもしれないけど、じっくりと長期目線で下げたら仕込むを実行していく予定。

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