見出し画像

【THE YELLOW MONKEY】好きな曲まとめ

イエローモンキーの好きな曲をまとめます。
マイナー曲が多いので、公式引用難しいかなと思ったんですが
最高なことに、過去アルバム曲、公式が曲単位で上げてくれていました。
本当に最高。本当に最高です。ありがとうございます。

Love Sauce

真夜中に街を一人歩く 涙でボロボロの君に会う
ああ泣くんじゃないよ 僕の部屋に来て
少しは気が楽になるはずさ 何か食べようか 僕も腹ペコさ

愛のために流した涙はハンケチでふきとってあげるからね

ああ僕は下心がみえみえで 君も出来心のふりをする
お互い暗黙のタイミングで君にキッス

僕は苦しい 少し苦しい 僕は淋しい 少し淋しい

なんて危うくてロマンチックでエロい歌なんだと思います。
イエローモンキーで好きな歌、一番はこれかもしれません。
他にこんな危うくてロマンチックでエロい歌を歌う人を知りません。

ゴージャス

ひょんなキッカケで未来が邪魔になる
ひょんなキッカケで全てが絵にもなる

ひょんなキッカケでキミと此処にいる
ひょんなキッカケで濡れ場でござんす

ラメ入りの紅茶飲んで僕たちはゴージャス
ハコ入りの君の肌 運命の差し入れだ

ラメ入りの紅茶飲んで僕たちはゴージャス
毒入りのりんごなんか喜んでいただくね

しょっぱなからエロい歌二連続で恐れ入ります。
この二つが、私のイエローモンキーが好きな理由な気がします。
他にもいろいろ好きな理由はあるけれど。

ひょんなキッカケで運命に転ぶのは、まだ自我を定め切ってない少年少女だと思うんです。
まだ何も確固たる自信もなくて、でも自尊心もプライドも承認欲求もあって。
何も持たない例えば18歳のボロボロになった自我を、甘やかしてくれる運命が転がり込んでくれる歌。
吉井さんがフロントマンとして、ロビンを名乗り、ロックスターを堂々と演じていたからこそ、歌うことができた歌なんじゃないかなあと思います。

ロックスターもただの一人間、ということが見えにくかったインターネットが普及する前の前世紀は
『ロックスター』は完全な概念に近い存在だったと思います。
もしかしたら、現代ではこういうロックスター像に基づいた色気のある歌は生まれにくいかもしれないですね。
全ての人が普通の一人間ということが透けて見えてしまう現代では、完璧な偶像を演じるのは難しいと思います。

それにしても「ラメ入りの紅茶」って身体に悪そうですよね。

O.K.

甘い匂いが広がる部屋で
寂しがり屋の花いちもんめ
アノコガホシイ アノコジャワカラン
胸いっぱいのアノコガホシイ
ああ憂愁の狭間で

エロい歌が続きます。
じっとりした湿度を伴って絡みつくようなギターを背景に
「アノコガホシイ」を繰り返す渇望の歌。
全体的に楽しさではなく淋しさが通底する実感。

GIRLIE

白い肌 青く浮く血管 赤くなって腫れあがったハイウェイ
「真実なんてロープじゃ縛れない 痛みが好き ウソつかないの」

最高の瞬間だよ GIRLIE

「言葉なんてろうそくの炎 時が経てば消えてしまうの」

I want you いつまでも I want you そばにいて
きみの喜ぶことをしてあげたい
僕はいつだって あふれそうになった欲望を運ぶウェイター

健康な少女なら「痛みが好き ウソつかないの」なんて結論には至りません。
何を信じていいのか軸を定める前の不安定な少女期に、溺れるように藁をも掴むような
そんな迷走をした記憶のある人は、少なくないと思います。

そんな少女たちを肯定し、エロティックに甘やかす歌といってもいいと思う。
GIRLIE=少女という概念 と勝手に解釈しているんですが、その不安定な自我を
服従するほど価値があると肯定してくれている歌だと思っています。

この歌も現代だと生まれないだろうなと思います。
今ならきっと大人の男性と少女の対比は、ロリコンと呼ばれると思うんですが
90年代は、年の差の恋愛が純愛のモチーフとして一般的だったという前提があります。
金銭やら社会性やらの相対的ではなく、一対一の個人としてお互いに絶対を評価するというか。
ナボコフのロリータも流行ったし、さらに言うとエキセントリックな少女像も流行りました。映画ベティブルーのようなのとか。

DEAR FEELING

Dear Feeling せめて 君だけはそばにいてくれないか
Feeling もしも 君が行ってしまったら人間やめる

首から下げた誠実は 手首に巻いた崇高は
獣が単に進化して 代わりに手にした財産
翼もない 牙もない 角もない 早くも走れない 無え 無え

無能な自分と毎日の単調な繰り返しと無価値に思える日常で
自分が自分であることを恋人によって確かめる って歌だと思うんですが
ノイジーな響きを帯びた序盤のギターと、
「ふわりふわりと」という言葉に呼応するような揺らめく光のようなリフ
サビの祈るような語り掛けに影を落とすようなギターやソロなど
折々でのギターの表現力に息をまく曲でもあります。

MOONLIGHT DRIVE

弱い自己主張は捨てられて 強い個性だと殺される
うまくいくはずのない毎日 希望は車よりも速く

Ah Change Moonlight Drive
何が悲しくて 何が嬉しいことなんだろう

長いトンネルを突き抜けたら 死ぬまで一つさ

色んな景色が流れて何故だかわからず涙目
朝日がとどめを刺すだろう ブレーキはない

闇夜に沈んだ景色のなかで、どんどん速度を上げるように
痛快な疾走感を感じる曲。
恋人を隣にのせて、色んな景色が流れて、ブレーキはない、というのは
いつしか人生の暗喩なんだなということに気付かされます。

過ぎ去った景色は二度と見えないとか、ずっと続くと思った優しい闇夜はいつか終わるとか。
闇夜が朝日に殺されてしまうという表現は、夜明け前の歌パールにも重なるモチーフです。

緩急のあるドラムと、朗らかで疾走感のあるギターソロが珠玉。大好きです。

カナリヤ

STAY WITH ME
19にもなったのに悲しみが欲しいのはなぜ?
DID YOU SLEEP WELL? 震えるほど
DID YOU SLEEP WELL? 純粋だった
DID YOU SLEEP WELL? いつの日にかあおむけで眠りたい

悔やむべきは19歳のころにこの曲を聴いていなかったこと。
25歳くらいになってから、噛みしめるみたいに聴きました。

あおむけで眠れるのは、不安も悩みもない人だと思っていたし
実際あのころ、あおむけでは眠れなかったけど
今は普通にあおむけで眠っているので、私は鈍感な大人になったんだなと思います。

あおむけで眠れるかどうかって、あおむけで眠れなくなってから初めて気付く
違いなんじゃないのかなと思います。

メロメ

美しい!!!
吉井さんはあがた森魚が好きだった記憶があるんですが
あがた氏の描く透明感のあるセンチメンタルな景色を思わせる曲です。

北国に行くバスに乗って いらだちを凍らせに行こう
少しぬるいカプチーノ飲み ゆらりゆられて

もう愛はトゥモロウへ もう愛はトゥモロウへ
白い道 冬の固い青空

悲しみと孤独と寒い景色を思わせるシンフォニックさ。
イエモンで一番美しいと思う曲と訊かれたらこれを答えます。

旅先などで見た白い雪の景色の中で、一人きりで居るときに
喪失感というか、祈りというか、懐古というか、無力感というか
手の届かない物へ甘い気持ちを置いてきたような。
そんな気持ちになりたいときにこの歌を聴いて、一人で旅に出る気がします。

Welcome to my Doghouse

有無を言わさず格好いい。デヴィッドボウイの影響色濃い初期の名曲です。

華やかに見える道化師の 黒い見世物小屋へようこそ
目を抉り出して見ておくれ ため息のstardust silver night
君の憐れむその声に悩まされ 怯えるけど je t’aime, je t’aime, je t’aime
I miss you baby

私の哀れな背中を見て あなたはどれだけ耐えられる?

Welcome to my Doghouse 私の首の鎖を
Welcome to my Doghouse すぐに外して
Welcome to my Doghouse 空は今何色なの?
Welcome to my Doghouse ここから早く出たいよ

恰好いい。
豪奢で耽美な詩の世界の背景を彩る音楽の説得力と
ストーリーテラーである吉井さんのたたずまいの美しさと説得力。
この映像1993って、30年前なんですね。
リアルタイムで見たかったし、この吉井さんにガチ恋したかったです。
このバンドに全て捧げられるなら、自分の人生くらい軽く差し出すわ。と今の私でも思います。

Lovers on Backstreet

とろけるほど感じてる 今2時25分
木枯らしは踊り狂い 三日月は笑いだし

ギリギリのLove Game 私はあなたに恋狂い
粉々にしてよ 紫のサテンの夜なら

あなたが醜いブタでもいい 困ることなど何もない
白い肌も赤い舌も 真っ黒焦げにしてほしい
喜びながら 花びらをむしりながら ボロボロにしてよ
赤すぎる果実 夢の中

あなたにもお花をあげましょう Lovers on Backstreet crazy…ah

歌詞が最高すぎて、抜粋しようと思うと全部書いてしまう勢いで
抜粋するのに困りました。最高すぎる。美しい。ロマンチック。

吉井さんがいつかこの曲の「あなたにもお花をあげましょう」が書けたとき
すごく達成感があったと言っていたのを思い出します。出てこないもん、そんな言葉。
詩人としての密度がすごい。そしてそれを彩る音楽のきらびやかさと奥行きよ。

真珠色の革命時代(Pearl Light of Revolution)

砂時計の悪戯を 手品みたいに呼び戻して
飾り立てた骸骨と ラストダンスを
世界中が 快楽と狂気の間を 行ったり来たり
最後に試行錯誤の 愛撫を散りばめながら

Sally, I love you 真珠色の革命を残し pearl light songs
Sally, I love you 死神の彫刻を壊し pearl light songs

淋しがりは激しいジョークを欲しがるのさ 君は素敵
空の上で始まるオーケストラ Paradise

歌詞を抜粋しながら曲を聴いていると、歌詞がこんなに抽象的なのに
そのバックグラウンドに白く光るライトに照らされた恍惚のような景色が見えて
胸が震えるくらいに感動してしまうことに、驚きます。

音の一つ一つ、載せられる歌詞の言葉の響きの一つ一つがすべて必然で
運命みたいに絡んで幻を見せてくれるような、そんな気すらします。
ギターソロだけで泣きそうになってしまう。

イエローモンキーを代表する指折りの奇跡みたいな名曲だと思うのですが
シングル曲しか聴いていない人はおそらく知らないという曲なんじゃないかなと思います。

薔薇娼婦麗奈

薔薇娼婦麗奈 誘惑は花ざかりさ
薔薇娼婦麗奈 君だけは逃さない
それだけは変わらない

真実の皮をはいで 痛くないかい 僕の麗奈
この世は金 金さえあれば恐くないね 僕の麗奈
お願いだ この僕と 手をつないで地獄を見に行こう
頼むから この僕と 腕を組んで地獄を見に行こう

全編で一編の物語となるアルバム『ジャガーハードペイン』に収められた
イエローモンキーを代表する曲の一つだと思います。
イエローモンキーを好きだという人が、カラオケで一番歌う歌な気がします(偏見)。

ジャガーさんの物語は私が解説するよりも、各人が解釈したほうがいいと思うのですが
他に多くあるセクシャルで色気のある曲と、この「薔薇娼婦麗奈」の違いは
物語の有無による、主観性・客観性の距離があるところだと思います。

あと、この曲を好きなのは男性が多い気がするのは、ファムファタルへの憧れを歌として具現化している点もあるんではないかなと思います。

完全に美しいファムファタルと地獄に落ちる夢想をこれだけ直球で描いている歌って、そういえばほかにあんまり思いつきません。

MERRY X‘MAS

どこに行ってたの? 何を見てきたの?
おびえた目をして

淋しがり屋の君に見せよう この目はあの時のまま
濡れてもなく 乾いてもなく 君だけを見つめる

こうして逢える日を 僕は信じていた

真っ白な雪の夜に 確かに君がいる喜びに
MERRY X‘MAS MERRY X’MAS
天使が空を駆ける

『ジャガーハードペイン』の物語を締めくくるラストシーンにあたる曲。
淋し気なピアノで導入される恋人マリーとの再会の歌。

「真っ白な雪の夜に」というサビの導入だけで、感極まって泣きそうになります。
こんなに喜びと感動に満ちたクリスマスソング、ほかに思いつきません。
こんな雪の夜を人生の中で経験したら、一生忘れないだろうと思います。
それが歌の中であっても。

アウトロのギターリフが、白く振り続ける雪の一片一片みたいで美しいですね。。

Romantist Taste

レモネードのように拡がる キスの味と蜜の味で
体中の骨を溶かすテンプテーション

そして夜はすべてこの手の中 アルカロイドは君の中

抱いてユートピア 消えろディストピア
有り余る裕福なサイケニューロン
そして溶け合うグラデーション 戒められるフラワー
ラヴ・ポーションで強引にシャドウ
ラヴ・ポーションで妖艶にシャドウ

1992年にリリースされたデビューシングル。
カタカナが多用されて、語感のセンスが抜群にすごいと改めて驚きました。
後期の曲は感情移入しやすいものが多いのに対し、初期の曲は感情移入を許さない硬さがありますね。
この曲1曲だけを聴いてイエローモンキーを知ったとしたら、どう受け止めたらいいのかわからなくて底知れなくて怖い気がします。

アバンギャルドで行こうよ

恋する乙女の唇は恥じらいのチョコレート
知らない誰かに恋い焦がれ 気が気じゃないかもね
夢さりし恋人は いじらしいよね

アバンギャルドで行こうよ Baby

1993リリースのセカンドシングル。
歌詞の情報密度が高かった「Romantist Taste」に対して、
メッセージ性がシンプルなところが特筆かなと思います。

「恋する乙女」に「アバンギャルドで行こうよ」という歌なんだなと
今更に理解しました。

MVが90年代を感じさせますが、吉井さんの胡散臭い美しさが素晴らしい。
椅子に縛られている乙女は、「恋する乙女」で自由に生きようということなのかなと。

嘆くなりわが夜のFantasy

暮れ行く太陽の下で祈りを捧げ「快楽の中で死にたい」と囁いてる
いたいけな欲望が ah 悪い爪を欲しがる

一粒の涙がわずかな夢を叶え 禁断の果実を一つ残らずかじり
ビロードのドレスを裂いて 花を踏みにじる結末は

True Love あわれみの Suicideレクイエムは魔性の天使の歌声で
Make Love 裏切るノスタルジー Ah Baby 嘆くなり 我が夜のFantasy

抜粋できなくて、一番全部書いてしまいました。
なんて美しく素晴らしく淫靡で神々しいんだと思います。
「真夏の夜の夢」という言葉がありますが(シェイクスピアの原作は置いといて)、
それが想起させる内容はこれが相応しいんじゃないかと思います。

歌の全体を通すと、世界観、という感じになりますが
歌のワンフレーズごとに絶対的なワンシーンごとの幻が見える気がします。
「嘆くなり」というだけあって、儚げな悲しみが、
曲の演奏中にもずっと通底しているところも素晴らしいと思います。

熱帯夜

誰かのために伸ばした長い髪に触れたい
獣のようにやさしく寄り添いたいから
真夏の夜は君と二人で街へ出よう

君の記憶の胸元に 激しく刻む熱帯夜 I want you

湿度も気温も高い真夏の夜の空気が密封されたみたいな曲だと思います。
私が最初にイエローモンキーを知ったのはこのあたりだったと思います。
当時まだ子供だったのでセクシーな曲調が気恥ずかしくてはまらなかったんですが。

MY WINDING ROAD

「耐えられない・やりきれない」という名のブティックで
プライドの皮でできたスーツを決めたら
単純で軽薄な答えなんていらないさ
狂っているだけならボロ時計さ Let’s go

夢を殺しかけていた 愛も忘れかけていた
たまに心はボロボロのディスコのように光を失うけど

ああ真夜中に抱かれながら 世界の行方を信じるのもいいじゃない?
背中の希望を 胸の激情を刻んでゆく Down this long and winding road

新しい時代にミラーボールは回り始める It’s my disco

絶望しかけたときに、信じるように聴いた歌です。
この曲1998年かあ。私の人生にこの曲があってよかったと思います。

パール

宇宙で最も暗い夜明け前 パールをこぼしにハイウェイに飛び乗る
何だか不安なんだ ひどく淋しいんだ 闇は孤独を包む貝殻さ

目がくらむ朝に溶けてしまう前に

夜よ負けるなよ 朝に負けるなよ 何も答えが出てないじゃないか

個人的に浪人中の大学受験のテーマでした。
永遠に終わらないんじゃないかという冬が、夜と重なって
朝(春)になって自分の無能さ無価値さが白日に晒されるのが怖かったんです。
パールって涙のことなんですかね、今思ったんですが。

BRILLIANT WORLD

さあ踊ろう汚れた靴で さあ祝おう濡れた瞳で
何十年 何百年 何千年 何万年
何億年 何光年 何秒間 君といれるだろうか?
明るい暗闇で

爪で 皮膚で 指で 手のひらで 腕で 肩で 胸で
君を確かめてた 今日も生きてるかを

最高な世界へ 最高な世界へ 汚れた街角 今夜はパレードさ
さあ踊ろう さあ歌おう さあ祝おう 濡れた瞳で

漠然と好きな曲だったんですけど、今、取り上げようと思って
改めて歌詞を読んでみて、言葉を失っています。

私はリアルタイムではなくて、2000年の活動休止から数年経ってから、まとめてアルバムを聴いて追いかけたファンなので、当時のことを追ってきた人たちからするとおかしい部分もあるかもしれません。

数年間に渡る一時期、本当にイエローモンキーをずっと聴いている期間があって、その時期に印象に残っている曲を中心に紹介してみました。

言葉の強さと美しさが卓越していることと、曲を裏付ける誠実さがずっとあるところがすごいと思います。

ごく個人的に、好きな曲をまとめてみましたが、誰かがイエローモンキーにはまるきっかけになれたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?