【THE YELLOW MONKEY】好きな曲まとめ
イエローモンキーの好きな曲をまとめます。
マイナー曲が多いので、公式引用難しいかなと思ったんですが
最高なことに、過去アルバム曲、公式が曲単位で上げてくれていました。
本当に最高。本当に最高です。ありがとうございます。
Love Sauce
なんて危うくてロマンチックでエロい歌なんだと思います。
イエローモンキーで好きな歌、一番はこれかもしれません。
他にこんな危うくてロマンチックでエロい歌を歌う人を知りません。
ゴージャス
しょっぱなからエロい歌二連続で恐れ入ります。
この二つが、私のイエローモンキーが好きな理由な気がします。
他にもいろいろ好きな理由はあるけれど。
ひょんなキッカケで運命に転ぶのは、まだ自我を定め切ってない少年少女だと思うんです。
まだ何も確固たる自信もなくて、でも自尊心もプライドも承認欲求もあって。
何も持たない例えば18歳のボロボロになった自我を、甘やかしてくれる運命が転がり込んでくれる歌。
吉井さんがフロントマンとして、ロビンを名乗り、ロックスターを堂々と演じていたからこそ、歌うことができた歌なんじゃないかなあと思います。
ロックスターもただの一人間、ということが見えにくかったインターネットが普及する前の前世紀は
『ロックスター』は完全な概念に近い存在だったと思います。
もしかしたら、現代ではこういうロックスター像に基づいた色気のある歌は生まれにくいかもしれないですね。
全ての人が普通の一人間ということが透けて見えてしまう現代では、完璧な偶像を演じるのは難しいと思います。
それにしても「ラメ入りの紅茶」って身体に悪そうですよね。
O.K.
エロい歌が続きます。
じっとりした湿度を伴って絡みつくようなギターを背景に
「アノコガホシイ」を繰り返す渇望の歌。
全体的に楽しさではなく淋しさが通底する実感。
GIRLIE
健康な少女なら「痛みが好き ウソつかないの」なんて結論には至りません。
何を信じていいのか軸を定める前の不安定な少女期に、溺れるように藁をも掴むような
そんな迷走をした記憶のある人は、少なくないと思います。
そんな少女たちを肯定し、エロティックに甘やかす歌といってもいいと思う。
GIRLIE=少女という概念 と勝手に解釈しているんですが、その不安定な自我を
服従するほど価値があると肯定してくれている歌だと思っています。
この歌も現代だと生まれないだろうなと思います。
今ならきっと大人の男性と少女の対比は、ロリコンと呼ばれると思うんですが
90年代は、年の差の恋愛が純愛のモチーフとして一般的だったという前提があります。
金銭やら社会性やらの相対的ではなく、一対一の個人としてお互いに絶対を評価するというか。
ナボコフのロリータも流行ったし、さらに言うとエキセントリックな少女像も流行りました。映画ベティブルーのようなのとか。
DEAR FEELING
無能な自分と毎日の単調な繰り返しと無価値に思える日常で
自分が自分であることを恋人によって確かめる って歌だと思うんですが
ノイジーな響きを帯びた序盤のギターと、
「ふわりふわりと」という言葉に呼応するような揺らめく光のようなリフ
サビの祈るような語り掛けに影を落とすようなギターやソロなど
折々でのギターの表現力に息をまく曲でもあります。
MOONLIGHT DRIVE
闇夜に沈んだ景色のなかで、どんどん速度を上げるように
痛快な疾走感を感じる曲。
恋人を隣にのせて、色んな景色が流れて、ブレーキはない、というのは
いつしか人生の暗喩なんだなということに気付かされます。
過ぎ去った景色は二度と見えないとか、ずっと続くと思った優しい闇夜はいつか終わるとか。
闇夜が朝日に殺されてしまうという表現は、夜明け前の歌パールにも重なるモチーフです。
緩急のあるドラムと、朗らかで疾走感のあるギターソロが珠玉。大好きです。
カナリヤ
悔やむべきは19歳のころにこの曲を聴いていなかったこと。
25歳くらいになってから、噛みしめるみたいに聴きました。
あおむけで眠れるのは、不安も悩みもない人だと思っていたし
実際あのころ、あおむけでは眠れなかったけど
今は普通にあおむけで眠っているので、私は鈍感な大人になったんだなと思います。
あおむけで眠れるかどうかって、あおむけで眠れなくなってから初めて気付く
違いなんじゃないのかなと思います。
メロメ
美しい!!!
吉井さんはあがた森魚が好きだった記憶があるんですが
あがた氏の描く透明感のあるセンチメンタルな景色を思わせる曲です。
悲しみと孤独と寒い景色を思わせるシンフォニックさ。
イエモンで一番美しいと思う曲と訊かれたらこれを答えます。
旅先などで見た白い雪の景色の中で、一人きりで居るときに
喪失感というか、祈りというか、懐古というか、無力感というか
手の届かない物へ甘い気持ちを置いてきたような。
そんな気持ちになりたいときにこの歌を聴いて、一人で旅に出る気がします。
Welcome to my Doghouse
有無を言わさず格好いい。デヴィッドボウイの影響色濃い初期の名曲です。
恰好いい。
豪奢で耽美な詩の世界の背景を彩る音楽の説得力と
ストーリーテラーである吉井さんのたたずまいの美しさと説得力。
この映像1993って、30年前なんですね。
リアルタイムで見たかったし、この吉井さんにガチ恋したかったです。
このバンドに全て捧げられるなら、自分の人生くらい軽く差し出すわ。と今の私でも思います。
Lovers on Backstreet
歌詞が最高すぎて、抜粋しようと思うと全部書いてしまう勢いで
抜粋するのに困りました。最高すぎる。美しい。ロマンチック。
吉井さんがいつかこの曲の「あなたにもお花をあげましょう」が書けたとき
すごく達成感があったと言っていたのを思い出します。出てこないもん、そんな言葉。
詩人としての密度がすごい。そしてそれを彩る音楽のきらびやかさと奥行きよ。
真珠色の革命時代(Pearl Light of Revolution)
歌詞を抜粋しながら曲を聴いていると、歌詞がこんなに抽象的なのに
そのバックグラウンドに白く光るライトに照らされた恍惚のような景色が見えて
胸が震えるくらいに感動してしまうことに、驚きます。
音の一つ一つ、載せられる歌詞の言葉の響きの一つ一つがすべて必然で
運命みたいに絡んで幻を見せてくれるような、そんな気すらします。
ギターソロだけで泣きそうになってしまう。
イエローモンキーを代表する指折りの奇跡みたいな名曲だと思うのですが
シングル曲しか聴いていない人はおそらく知らないという曲なんじゃないかなと思います。
薔薇娼婦麗奈
全編で一編の物語となるアルバム『ジャガーハードペイン』に収められた
イエローモンキーを代表する曲の一つだと思います。
イエローモンキーを好きだという人が、カラオケで一番歌う歌な気がします(偏見)。
ジャガーさんの物語は私が解説するよりも、各人が解釈したほうがいいと思うのですが
他に多くあるセクシャルで色気のある曲と、この「薔薇娼婦麗奈」の違いは
物語の有無による、主観性・客観性の距離があるところだと思います。
あと、この曲を好きなのは男性が多い気がするのは、ファムファタルへの憧れを歌として具現化している点もあるんではないかなと思います。
完全に美しいファムファタルと地獄に落ちる夢想をこれだけ直球で描いている歌って、そういえばほかにあんまり思いつきません。
MERRY X‘MAS
『ジャガーハードペイン』の物語を締めくくるラストシーンにあたる曲。
淋し気なピアノで導入される恋人マリーとの再会の歌。
「真っ白な雪の夜に」というサビの導入だけで、感極まって泣きそうになります。
こんなに喜びと感動に満ちたクリスマスソング、ほかに思いつきません。
こんな雪の夜を人生の中で経験したら、一生忘れないだろうと思います。
それが歌の中であっても。
アウトロのギターリフが、白く振り続ける雪の一片一片みたいで美しいですね。。
Romantist Taste
1992年にリリースされたデビューシングル。
カタカナが多用されて、語感のセンスが抜群にすごいと改めて驚きました。
後期の曲は感情移入しやすいものが多いのに対し、初期の曲は感情移入を許さない硬さがありますね。
この曲1曲だけを聴いてイエローモンキーを知ったとしたら、どう受け止めたらいいのかわからなくて底知れなくて怖い気がします。
アバンギャルドで行こうよ
1993リリースのセカンドシングル。
歌詞の情報密度が高かった「Romantist Taste」に対して、
メッセージ性がシンプルなところが特筆かなと思います。
「恋する乙女」に「アバンギャルドで行こうよ」という歌なんだなと
今更に理解しました。
MVが90年代を感じさせますが、吉井さんの胡散臭い美しさが素晴らしい。
椅子に縛られている乙女は、「恋する乙女」で自由に生きようということなのかなと。
嘆くなりわが夜のFantasy
抜粋できなくて、一番全部書いてしまいました。
なんて美しく素晴らしく淫靡で神々しいんだと思います。
「真夏の夜の夢」という言葉がありますが(シェイクスピアの原作は置いといて)、
それが想起させる内容はこれが相応しいんじゃないかと思います。
歌の全体を通すと、世界観、という感じになりますが
歌のワンフレーズごとに絶対的なワンシーンごとの幻が見える気がします。
「嘆くなり」というだけあって、儚げな悲しみが、
曲の演奏中にもずっと通底しているところも素晴らしいと思います。
熱帯夜
湿度も気温も高い真夏の夜の空気が密封されたみたいな曲だと思います。
私が最初にイエローモンキーを知ったのはこのあたりだったと思います。
当時まだ子供だったのでセクシーな曲調が気恥ずかしくてはまらなかったんですが。
MY WINDING ROAD
絶望しかけたときに、信じるように聴いた歌です。
この曲1998年かあ。私の人生にこの曲があってよかったと思います。
パール
個人的に浪人中の大学受験のテーマでした。
永遠に終わらないんじゃないかという冬が、夜と重なって
朝(春)になって自分の無能さ無価値さが白日に晒されるのが怖かったんです。
パールって涙のことなんですかね、今思ったんですが。
BRILLIANT WORLD
漠然と好きな曲だったんですけど、今、取り上げようと思って
改めて歌詞を読んでみて、言葉を失っています。
*
私はリアルタイムではなくて、2000年の活動休止から数年経ってから、まとめてアルバムを聴いて追いかけたファンなので、当時のことを追ってきた人たちからするとおかしい部分もあるかもしれません。
数年間に渡る一時期、本当にイエローモンキーをずっと聴いている期間があって、その時期に印象に残っている曲を中心に紹介してみました。
言葉の強さと美しさが卓越していることと、曲を裏付ける誠実さがずっとあるところがすごいと思います。
ごく個人的に、好きな曲をまとめてみましたが、誰かがイエローモンキーにはまるきっかけになれたら幸いです。
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