Spangle スパンコール







星ではなく、街灯や家々の灯火が遠くせわしく瞬く都会。

その瞬きは、スパンコールがたくさんついた、昔流行った歌手が着てるステージ衣装にみえる。

それでも光がないよりマシで、ずっとマシで…。

星降るようにみえた故郷は、すでに帰るあてなどない。



陽射しさえも淀んでしまう、都会に住み着き住み慣れた彼女は、希望や願望の上にかかった黒い布に、色とりどりの数多のスパンコールを今宵も縫い付け、自身の心を偽るようになっていた。





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