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梅雨なき街

子供達が夏休みに突入し、息子の従姉妹や従弟たちが休みとなり、

初代のWiiをしに息子のところへやってくるので、なかなか自分の時間がない。

一週間前はテヘランの街全体が砂埃に覆われ、陽射しが弱々しくみえるほどだったが

一昨日あたりから汚染状況は改善されている。


なんということもなく過ごしてはいるものの、

自分と向き合うこともなく、言葉がうんともすんとも出てこない。


ラマダン月には実に嫌な過去があり、今朝またそれを思い出させられ、

また五年も前から訴えているのに、理解してもらえない監禁、窒息空間に私はおちいっている。


数年前までは激しい怒りと悲しみの矛先を、堂々巡りの末、行き場なく自分の心に突きつけていた。


居場所も逃げ場所もないのは五年前も、数年前も、今も、この身もこの心も同様で、

今朝はいざとなったらエスケープしてやってもいいじゃないか、

イランの主婦としての一切を拒否するストライキをしたっていいじゃないか、

などと思ったのだった。









梅雨なくて砂埃舞ひ荒るゝこの街に夏来ぬ前のひと降りを待つ


つゆなくてさじんまいあるゝこのまちになつこぬまえのひとふりをまつ



つゆというものがなく、乾ききった砂埃が舞い荒れるこの街に、

夏本番が訪れる前の慈みの雨がひとふりするのを、

毎日窓を眺めながら私は待っている。



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