Maru

母親業9年目。まだまだ修行中。

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最近の記事

補償

某アイドル事務所の会見や補償問題が連日マスコミをにぎわせている。 私は人の顔の区別がうまくつかないので、昔から全くアイドルに思い入れが無い。そのせいか、一連のニュースを見た感想は 「そんな大昔の出来事で“補償”してもらえるんだ」 というものだった。 幼い頃から心無い人達のせいで辛い思いをしてきた。死にたいと思ったことも一度や二度ではない。 きっと私は昔の辛い出来事について、補償を求める先と手段があるこの人達が羨ましいのだろう。 このニュースを目にする度に、そんな思

    • 愛着

      父親が急逝したと知らされた時、真っ先に浮かんだことは「私の中の黒いものをぶつける前に、逝ってくれて良かった」というのが正直な気持ちだった。本当に酷い娘だと自分で思う。 父は外面は良かったが、家族には少しでも気に入らないと怒鳴り散らすタイプの人だった。子供の頃の私は、気分次第で怒鳴り散らす彼の言動に身体を小さくして耐えるしかなかった。母が夜の仕事に出かけ、父と二人きりになった逃げ場のない狭い家の中で、息を潜めているしかなかった。(声を出して泣いても「うるさい!」と殴られるので

      • 悪者

        今の世の中、害を与えようとする悪意があって人を傷つける人より、悪意なく人を傷つけたり、過大なストレスを与える人のほうが多い気がする。 自覚なく人を傷つける言動をする人には、どう接すればよいのだろう?「あなたのこんな言動で私は傷つくのですよ」いちいち伝えるべきなのだろうか?(絶対にわかってもらえないだろうけど。) 昔は「話し合いさえすればわかり合えない人はいない」と信じていたが、年齢を重ね、絶対的に分かり合えない価値観の人々とたくさん出会った。そして、どうしょうもない絶望と

        • 心の時効

          暴行の刑事時効ってたった3年なんですね。(民事上の消滅時効は5年)教師の体罰も法律的には「暴行」で同じなんでしょうね。 小学生の頃、教師に毎日のように殴られ、つねりあげられ、人前で罵倒されて、死にたい気持ちになっていたのに、それに対してもう何もできないんですね。大人になった今でも、体罰やいじめの学校関連のニュースが出るたびに、思い出して心が苦しくなるのに。 体罰を受けた私は未だにこんなに苦しんでいるのに、体罰をした教師側は私のことなんて一ミリも覚えて無くて、退職金で悠々自

          昔から人の顔を覚えるのが苦手だ。 いつも会う場所以外でばったり会った時、全く気が付かず、無視してしまうこともしょっちゅうだ。(相手から声をかけられて、初めて気がつく。それでも誰だかワカラナイことも多々。) ましてや昔の同級生なんて、街中で会っても誰も認識できない自信がある。 そのせいか、あまり他人に興味が無く「ドライだ」とよく言われる。 他人に興味が無いから顔を覚えられないのか、顔を覚えられないから他人に興味が無いのか。タマゴが先かニワトリが先か。 大人になってから「相貌

          存在

          幼い私に父親は言った「お前ができなければ俺たちは離婚していたのに」。 母親は私に言った「アンタみたいな子供がいたら、私は再婚できないわ」(だから離婚できない)。 同級生は静かでおとなしい「陰キャ」の私をイジメのターゲットにした。 教師はいじめられてる私に言った「お前が悪いからいじめられるんだ」(いじめてる子達に対して何もしてないのに?目つきが悪い?態度が悪い?媚びへつらわないのが悪い?マイペースなのが悪い?)。 私が出した結論は、 「何もしていないのに“お前が悪い”と言われ

          親ガチャ

          少し前に「親ガチャ」という言葉が流行った。「子供は親を選べない」ってやつですね。確かにねぇ、という感じ。 他にも自分の力でどうしようもないことで人生が決まることを「○○ガチャ」というらしい。国ガチャ、身長ガチャ、顔ガチャ、配属ガチャ、等など。それでいくと、人間に生まれたこともある意味ガチャになるのかな。 自分の努力ややり方次第で、なんとかなる、落とし所がみつけられるコトもある。でも悲しいことに、どうあがいても、どんなに努力しても、絶望的にどうしょうもない状況の人々もいる。

          親ガチャ

          イワナガヒメとコノハナサクヤヒメ

          私の母は美人。高齢者となった今でも、若く見えるし、綺麗な部類に入ると思う。化粧も毎日バッチリしている。自分への自信で満ち溢れているひとだ。 子供の頃から母にずっと言われ続けてきた。 「ワタシの昔は優秀で何でもできる子だったのに、アンタはなんでできないの?」「ワタシは自他共に認める美人なのに、アンタは本当に不細工よね」「アンタのそういう醜いトコロは○○の伯母さん(父方の親戚)にそっくりね」 私の顔は父親似。そして妹は母親似。母親の愛情がひたすら妹に注がれるのは自然なことだっ

          イワナガヒメとコノハナサクヤヒメ

          良い子

          「良い子」って何ですか? 活発で、愛想が良くて、友達が多くて、休み時間にドッジボールをするのが好きな子が「良い子」ですか? もの静かで、大人しくて、一人で本を読んでいるのが好きだった私は「悪い子」だったのでしょうか? いじめにあった時に、先生に「お前に悪いところがあるからだ」と一蹴されてしまうくらい、私は悪い子だったのでしょうか。

          祝いと呪い

          祝いと呪いは元々「祈りを捧げる」という同じような意味の漢字らしい。 それがいつの間にか、人の幸せを祈るのが祝い、人の不幸を祈るのが呪い、となったらしい。 「お前の為にやってるんだ」「あなた為を思って言ってるのよ」という親の言葉は、子供のことを考えての言葉だろう。 それは子供にとって「祝い」なのか、それとも「呪い」なのか。

          祝いと呪い

          傍観者

          高齢の母親に小学生の我が子への接し方について、「子供はしっかり見ておかなきゃダメよ。手や口は出さなくても、目を配って置かなきゃダメ。」と言われた。 そう、貴女は「見てるだけ」だった。貴女は知っていた。でも目を背けて何もしなかった。(「知っていた」記憶も高齢の彼女の中ではもう塗り替えられているかもしれないが。) 私が先生に叩かれた日も、クラスメイトにいじめられていた時も、父に理不尽に怒鳴り散らされた時も、ストレスで中学生で髪が白髪だらけになった時も、リスカで腕に傷が増えてい

          ロボット先生

          子供の頃、学校の先生がロボットだったらいいのに、とずっと思っていた。 先生がロボットだったら、感情に左右されず、公正に評価してくれるのに、と子供心に思っていた。感情的に殴られることもないだろうしね。 先生のお気に入りの子は成績優秀、先生に自ら懐いていくタイプ。一方私は愛想もなく、顔も不細工。テストの点はいつも最下位付近。 私は毎日先生に皆の前で叩かれ、つねりあげられ、罵倒されていた。顔面に思い切りボールをぶつけられ、顔が腫れ上がったこともある。 私のテストの点はいつも悪かっ

          ロボット先生

          父とのドライブ

          私はあまり車に乗るのがあまり好きではない。それは多分、父のことを思い出してしまうからだろう。 小学生の頃、父は週末になると車で私を何処かへ連れて行った。母親は「娘を遊びに連れて行く良い父親」と思っていただろう。 毎週末、父親に連れ出されるのが私は嫌でしょうがなかった。が、父親は私を引きずってでも車に乗せた。 父と二人で車に乗り、走っていると、途中で知らない女の人が助手席に乗り込む。いつも「友達」だと父は説明した。 家から遠く離れた何処かの駐車場に着くと、私にマンガ本を一冊

          父とのドライブ

          欲しかったもの

          いつもオシャレな可愛らしい服装の女の子のお母さんとお話しをした。 このお母さんは上にお兄ちゃんしかおらず、子供時代はお下がりの服ばかり、いつもボーイッシュな服装。 母親になり、自分の娘には可愛らしいフリルの服やリボン、キラキラパステルカラーの服をめいっぱい着せているという。 子供の頃に手に入らなかった憧れの世界。 私は子供に「愛してるよ」「宝物だよ」と言いながら毎日頬にキスをする。 それが私が子供の頃、いちば欲しくて、手に入らなかったものだから。 子供は照れくさそうに「知っ

          欲しかったもの

          記憶と忘却

          高齢の母親と昔の話をしていると、思い出がこの人の中でこんなふうに塗り替わっててるのか!!と驚かされることがある。 あんなに散々子供の私に悪口を吹き込んでいた酷い旦那(私の父親)は、彼女の記憶の中ではいつの間にか「優しい夫」になっているらしい。びっくりだ。 生憎、私には父親に優しくされた記憶は残っていない。楽しい思い出もあったはずなのに、思い出せるのは辛い記憶ばかり。母親にも話してないことも山程ある。 「忘却」というのは、人間に与えられた貴重なスキルだとは思うけど、忘れたいこと

          記憶と忘却

          あなたは悪くない

          小学3年生になった我が子を見ていると、大きくなったなぁと思うのと同時に、まだまだ中身は幼いな、と微笑ましく思う。 そして、自分が小学3年生だった時のことが思い出される。父親にされたこと、母親に投げつけられた言葉の数々。(言った方は忘れてるけどね。) こんな幼い子供にあの人たちはあんなことを言っていたんだと思うと、息がうまくできなくなる。 当時の私に会って言ってあげたいと心から思う。「あなたは悪くない」と。

          あなたは悪くない