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一人営業通信dgtl_Vol.2「成功体験がカギ」

根拠のない自信

※この記事は、2018年にに営業ツールとして発行したニュースレターを加筆修正してnoteにアップしたものです。

「前職の経験を活かして広告やデザインで小売りとメーカーの橋渡しをしよう」
百貨店から広告業界に移った時に僕が掲げたこの言葉には、僕のある想いが込められておりました。それは小売の方々やメーカーの方々が、日々当たり前のように感じているであろう「渇き」についてです。

流通の最前線を離れてしばらく経ってから、百貨店時代の自分をふと振り返ってみたとき、あの頃の僕はとにかく、来る日も来る日もヒット商品を見つけるためのヒントを探していたなぁと、そんな風に思ったのです。
探していたということはつまり、簡単には見つからないからで、これだと思ってもタイミングが合わなかったり、何かが足りなかったり、環境や条件が揃わなかったりとヒット商品への道にはあらゆる壁が立ちはだかりました。

しかし流通の現場を離れて客観的な視点で振り返ってみれば、その壁の大半は解消できるものだったということに気づくわけです。

―えぇと、ひとつだけここで言いわけをさせてもらえば、渦中にいる時には気づけないということは、誰にでも起こりうることだと思うのですが、だから当時の僕が壁を乗り越えられなかったのが、日々の仕事やスケジュールに追われたり、立場や会社やあらゆるしがらみに手足を取られたりといった、なし崩し的な原因から発生するものばかりだったとしても、その時はそれが精一杯だったのだと思います。―

だからというわけではないですが、こうして転職をして改めて見えてくる手段には、「経験者は語る」的にすごく真実味があるのだと思います。
それをこうして文章にまとめるにあたって思い返したのが、自分の中の成功事例でした。

手前味噌で恐縮なのですが、僕にも数は少ないですが成功事例というのがありまして、その時のことをひも解いてみれば、ヒントが見つかるのではないかと思ったのです。
その一つが、僕が担当した何回目かの物産展で、東京の某コーヒーショップを招待した時のことでした。この事例には半分僕の趣味を混同させていたような、そういう要素も多分にあったのですが、それが逆に功を奏したようなのです。
僕がお呼びしたのは、CMでも話題になっていたコーヒーショップで、雑誌にも頻繁に紹介されているような人気のお店でした。だから半分ダメもとで、思い出受験的なノリで電話をしてみたのです。
それが、あれよあれよと話は進みました。
当然僕はこのお店をこの物産展の目玉として押し出すことにするわけです。しかし僕の興奮とは裏腹に周囲の反応は押し並べて懐疑的な物ばかりでした。

「年齢層が高めの百貨店の物産展で、コーヒーで売上がとれるの?」

しかしこの時の僕には「訳の分らぬ自信」がありました。それに僕自身コーヒーが大好きで、単純にここのコーヒーが飲みたいという、よこしまな思いだけでゴリ押しした結果開店と同時に行列、レジがパンクし、ついでに若年層の取込みにも成功という状況になりました。
この事例を自分なりに分析してみたところ、幾つかの要素が見えてきました。それが実は先にも書いた「訳の分らぬ自信」ということにつながるのです。

訳も分からずに自信があったというのは、裏を返せば無意識に自覚している「何か」があったから自信が湧いたわけで、その「何か」をきちんと分析してみれば、ヒットを生みだすための理由をそこから見つけられるのでは、というわけです。
思いうが早いか、早速その事例についての分析を試みることにしました。
その結果に見えてきた6個の理由。
それは意外とありきたりなことで、流通業界に関わっている皆様ならば百も承知のことかと思いますが、ここは一つ「渦中にいては気づけない」というセオリーに身を任せるとして、渦の外にいる僕がご紹介したいと思います。


つづく 

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