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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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#アニメ映画

「リンダはチキンが食べたい!」(2023年)は、子供のわがまま?から始まる大騒動をユーモラスに描くアニメ映画である。いかにもインテリっぽいアート志向のアニメとヒューマンコメディの融合が、「意識高い系(笑)」とも捉えられかねない節もあり素直に楽しめない……かも知れない知らんけど。

山本倫生
10日前

「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション〜前章」(2024年)は同名マンガを原作とした全2部作アニメ映画の前段に当たる。突如出現した非日常に「慣れてしまった」世界に忍び寄る危機を盛り上げる段取り感は気になるものの、キャラクターの魅力を前面に出す演出でまずは及第点か。

山本倫生
1か月前
2

「鬼太郎誕生〜ゲゲゲの謎」(2023年)は水木しげるの超有名キャラクター誕生秘話を描く長編アニメ映画である。子供向けアニメに横◉正史とか○本清張的なドロドロした昭和の雰囲気を漂わせたストーリーが醸し出す異様な迫力に目を瞠るものがあるが、肝心の鬼太郎誕生には全く触れてなくて困った…

山本倫生
4か月前
2

「窓ぎわのトットちゃん」(2023年)は、黒柳徹子の自伝小説を原作とした長編アニメ映画。普通とは少しだけ感覚のズレた子供から見た“戦争”が、瑞々しく描けば描くほどより陰惨になっていくと知りながらこの映画を「感動作」として世に問う制作者の厚顔ぶりに驚き呆れる一作だ。

山本倫生
4か月前
1

「駒田蒸留所へようこそ」(2023年)は、想い出の蒸留酒復活に挑む若者たちをめぐる群像アニメ映画である。復活の鍵を握ると思われる主人公の一人の独特な美意識の件がほとんど使われることがなかったため「アニメーション」で制作する意味が見出せなくなってしまった残念な作品という印象。

山本倫生
5か月前
1

「火の鳥エデンの花」(2023年)は、手塚治虫の漫画「〜望郷編」をベースにした長編アニメ映画である。悲観主義的な手塚漫画のアニメ化としては上出来な作品だが、原作の解釈としては少し疑問が残る。「浦島太郎」では主人公がたどる悲劇が伝わらないようにと思われて原作に手を出し漸く納得した。

山本倫生
5か月前
2

「北極百貨店のコンシェルジュさん」(2023年)は、同名マンガを原作とした長編アニメ映画である。擬人化された動物をもてなす新人コンシェルジュの成長譚の一方で、大量消費文化を徹底的に糾弾する裏の一面ものぞかせる、一筋縄ではいかないオトナのアニメで外見に騙されると損をみる一作である。

「大雪海のカイナ〜ほしのけんじゃ」(2023年)は、同名テレビシリーズ完結編と銘打った長編アニメ映画である。中途半端に終わったストーリーやテレビと変わり映えしないCGアニメなど「劇場版アニメ」の意義がどこに在るのか制作者すら分かっていない代物をたった独りで見る侘しさときたら…

山本倫生
6か月前
4

「ガールズ&パンツァー最終章〜第4話」(2023年)は、同シリーズの折り返し点で、実質的最終回と言っていい密度の濃いドラマが堪能できる重要なエピソードである。決勝戦に進んだ大洗女子学園の対戦相手が「あの学校」である蓋然性に期待もいや増すが「次」がいつになるかというと些か心許なく…

山本倫生
6か月前

「アリスとテレスのまぼろし工場」(2023年)は、1991年という時間に留められた成長しない子供たちの反抗を描くジュブナイルファンタジーアニメ映画である。思春期のモラトリアムというありがちな題材でここまで攻めた作品を見るのは久しぶりであったが誰も見ていないのが本当に惜しい秀作だ。

山本倫生
6か月前
3

「映画プリキュアオールスターズF」(2023年)は、プリキュアシリーズ20周年記念作にしてオールスターズシリーズ15周年などその他色々盛り込んだお祭り映画である。シリーズ屈指の凶悪“敵”キャラクターが大人も引くほどの恐ろしさで子供にとってはトラウマ必至の怪作になるとは思いもせず…

山本倫生
6か月前
1

「パーフェクトブルー」(1997年)は、路線変更したアイドルと猟奇殺人鬼の攻防を描くサスペンスホラーアニメ映画である。虚構と現実、アイドルとストーカーなど公開から四半世紀を経てなお衝撃的なストーリーなど、些かも古びない今敏ほかスタッフの仕事は傑作の名に相応しい全き偉業である。

山本倫生
7か月前
1

「マイエレメント」(2023年)は、擬人化した四大要素が織りなす葛藤を描くアニメ映画である。偏見と寛容についての極めてパーソナルな物語はそれなりに見応えはあるが、これはディズニー・ピクサー映画なのであってラストシーンから始まるものをこそ本来は描くべきではなかったかという気がして。

山本倫生
7か月前
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「君たちはどう生きるか」(2023年)は、宮﨑駿とスタジオジブリによる「宮崎駿でもスタジオジブリでもない」脅威の映像体験である。自分に課していた全ての束縛を引きちぎり予想もつかない方向へ暴走していく巨匠の“仕事”を同時代に享受できる僥倖に打ち震えるのみである。訳わかんないけども。