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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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#ホラー映画

「サンクスギビング」(2023年)は、アメリカの祝祭日に起こる連続殺人事件の顛末を描くホラー映画。「グラインドハウス」(2007年)に登場した「実在しない70年代風ホラー映画」をリメイクしたという少し変わった来歴を差し引いたとしても、テンポの遅い垢抜けなさが「今さら感」丸出しで…

山本倫生
3か月前
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「トーク・トゥ・ミー」(2022年)は、死者と繋がれる呪具に取り憑かれた女子大生の運命を描くホラー映画。違う世界を垣間見る道具をドラッグ濫用の暗喩として描く視点は良かったが…家庭崩壊に瀕する家族の問題が入ってきたり些か迷走気味の展開にどっちらけ。Z世代(笑)の映画というべきか?

山本倫生
4か月前
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「イノセンツ」(2021年)は、ノルウェーの集合住宅に集う“おそるべき”子供たちの日常を描くホラー映画である。森の唸りや湖の小波、埃や塵の舞い上がる音まで計算し尽くされた「静かなノイズ」が、観客の精神に容赦なく重く厚く圧しかかる。倍速再生厳禁、劇場の良い音響でみるべき映画だ。

山本倫生
8か月前
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「M3GAN〜三ーガン」(2023年)は、子供むけ愛玩ロボットの反乱(?)を描くホラー映画である。人工知能や人型ロボットへの過剰な期待の裏返し、定番のフランケンシュタイン・コンプレックスもので意外なところは全くない。ロボット含めて登場人物全員の頭がよろしくないのには流石に参った。

山本倫生
11か月前
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「ハッチング〜孵化〜」(2022)は、精神的に不安定な10代の少女に起こる不思議な出来事を描くホラー映画である。いわゆる毒親母のインパクトが強すぎて、主人公の妄想が作り出したイマジナリーフレンドがやがて…という衝撃展開も霞んで見える。作り手の思惑と現物の落差を楽しむ変な映画。

山本倫生
2年前
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「ドント・ブリーズ2」(2021)は2016年公開映画の続編で、前作で生き残った名もなき盲目の老人と彼の娘にふりかかる災難を描くサスペンススリラーである。前作のような秀逸なシチュエーションもなく、また登場人物の誰にも共感できない中で観客の興味は「彼は生き残るか?」に集約されるが…

山本倫生
2年前
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「It THE END -それが見えたら終わり」(2019)は「第1章」(2017)の続きとなるホラー映画である。過去と現在という複数の時間軸を行き来する構成のせいで異常に長くなった上映時間(2時間49分!)はおそらくこの映画に良い影響を与えてはいない。最低最悪の続編であった。

「アス」(2019)は自己同一性の揺らぎに乗じた不安を描くホラー映画である。強引な謎解き設定や突然コメディ展開になるなど意味不明な部分も無くはないが、概ね恐ろしい映画だと言って良いだろう。変な映画が見たいときにはうってつけの映画である。

山本倫生
4年前