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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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#映画感想

「ロッキーvsドラゴ:ロッキーⅣ」(2021)は「ロッキー4炎の友情」(1985)の改訂版となるスポーツアクション映画である。ロッキーとアポロの関係をBLとして再構築することで、単身ロシアに乗り込んだりソビエト指導者に説教かますロッキーの動機付けに説得力は増したと思うものの……。

山本倫生
1年前
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「リコリス・ピザ」(2021)は、1970年代アメリカを生きたひと組の男女の恋の行方を描いたり描かなかったりするコメディ映画である。キャリア志向の歳上女性と子役タレントの生意気な高校生という一筋縄ではいかない曲者カップルが起こす悲喜交々の焦燥感がわりと好き。

山本倫生
1年前
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「バズ・ライトイヤー」(2022)は「トイストーリー4」(2019)以降、劇場公開となったピクサーのアニメ映画である。「トイストーリー」のアンディ少年が見ていた映画という体裁で作られているが、子供騙しなストーリーや表現技術が「1995年の映画」には見えないのが困りものだ。

山本倫生
1年前
1

「ライトスタッフ」(1983)は、アメリカの有人宇宙飛行計画に選ばれた男たち“マーキュリーセブン”と超音速飛行に命を賭ける空軍パイロットの生き様を描く実録映画である。今は見る影もない健全なアメリカンドリームを描く栄光と挫折に満ちた193分は見応えたっぷりだが、さすがにお尻が痛い…

山本倫生
1年前
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「シン・ウルトラマン」(2022)は、1966〜67年放送のテレビシリーズを基にした空想特撮映画である。ウルトラマンへの偏愛が勝りすぎてシリーズの本質を見誤ってしまった脚本とそれを制御できないボンクラ演出。典型的なオタクの内輪受け映画だが、いちおう想定内なのでこれはこれで良い。

山本倫生
1年前
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「ドクターストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス」(2022)は、マーベル・シネマティック・ユニバース28作目にして前作(2016)の続編にあたるファンタジーアクション映画である。他のマーベル作品で強烈な印象を残しつつ本編は地味というドクターも、S・ライミの演出で弾けた感じだ

山本倫生
1年前
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「アンネ・フランクと旅する日記」(2021)は、実体化したアンネ・フランクの想像上の友達が繰り広げる奇想天外な冒険を描くアニメ映画である。アンネが生きた時代と対比して描かれる21世紀オランダの問題を解決するという展開は、ファンタジーに寄りすぎで現実離れしているように感じた。

「バブル」(2022)は、人魚姫をモチーフにした歌ありアクションあり恋愛ありのごった煮エンタメアニメ映画である。各界の著名有名人の叡智を結集しようとして失敗する「船頭多くして船山登る」の典型例として長く語り継がれる作品となるかも知れない。脚本まではまともであることは確認できた。

山本倫生
1年前
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「劇場版Free! -the fnal stroke-(後編)」(2022)は、水泳に全てを打ち込む青少年の青春(と、筋肉)を描くアニメ映画である。同タイトルの末尾を飾る完結編と銘打つものの、作り手側の微妙な「迷い」が見え隠れしていて最後まで気が抜けない困った作品であった。

山本倫生
1年前
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「ドクター・ドリトル」(2020)は典型的なハリウッド大作映画で、語るべき何物もない空虚な内容だが現実逃避が切実な状況下ではむしろ好ましい作品のように思える。クライマックスがまさかの下ネタ(うんこチンチンの類)なのでファミリー向けとは言い難いが気軽に見る分には問題ないだろう。

山本倫生
3年前

「ランボー:ラスト・ブラッド」(2019)は同タイトルの5作目にあたるアクション映画である。常に強大で巨大な敵に闘志を燃やす孤独の戦士ランボー氏の最後の戦いが、私怨の復讐劇などで良いはずはなく見ていて違和感だけがつきまとう。タイトルを間違えたのではないかというくらい残念な作品だ。

山本倫生
3年前
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「It THE END -それが見えたら終わり」(2019)は「第1章」(2017)の続きとなるホラー映画である。過去と現在という複数の時間軸を行き来する構成のせいで異常に長くなった上映時間(2時間49分!)はおそらくこの映画に良い影響を与えてはいない。最低最悪の続編であった。

山本倫生
4年前
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「アス」(2019)は自己同一性の揺らぎに乗じた不安を描くホラー映画である。強引な謎解き設定や突然コメディ展開になるなど意味不明な部分も無くはないが、概ね恐ろしい映画だと言って良いだろう。変な映画が見たいときにはうってつけの映画である。

山本倫生
4年前

「ロング・ウェイ・ノース-地球のてっぺん」(2015)は遅れてやって来た冒険ファンタジーアニメ映画の傑作である。嘘のようなホントあるいは本当のようなウソでドキドキしたい観客はこの映画を見なければならない。ファンタジーの中の苦い現実が隠し味となって素晴らしい効果をあげている。