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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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2023年1月の記事一覧

「かがみの孤城」(2022)は、とある理由で別の世界に集められた七人の子供と謎の少女の奇妙で切実な交流を描くアニメ映画である。謎解きミステリ風の作劇は唐突な上に、キャラクターの掘り下げが浅いためトリックとドラマが最後まで絡み合わない。忙しないのにボンヤリした感じで印象もイマイチ。

山本倫生
1年前
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「空の大怪獣ラドン」(1956)は、環境破壊の影響で出現した怪生物の脅威を描くパニック映画である。「ゴジラ」(1954)と並ぶ怪獣映画の金字塔とされながら鑑賞の機会が少ない本作だが、戦争の影を引きずらないドライな作劇や、大スペクタクル描写など娯楽作としてもっと評価されるべきである

山本倫生
1年前
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「銀河英雄伝説〜わが征くは星の大海」(1988)は、同名小説の最初の映像化作品に当たるアニメ中編映画(60分)である。4kリマスターが隈なく明らかにする35ミリフィルムの“臨場感”は劇場のスクリーンで堪能するに相応しいと度々書いているが、本作もその例にもれない。富山敬が最高ですね

山本倫生
1年前

21世紀の3D映画は「アバター」(2009)に始まって終わるという結論を残して収束しそうな感じである。画面内に入れないという映画の「お約束」に真っ向から異議を唱えた試みは残念ながら定着しそうもないことは、同業他社の作品を見れば明らかであり、ごく自然な結末のように見える。

山本倫生
1年前
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「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」(2022)は「アバター」(2009)の続編となるSF映画である。13年を経てなお3D技術で観客を驚かせようという製作者の意気込みは素晴らしいが、凄いのは1分見れば分かることで。残りの3時間11分をそれで押し切るのは無理があるのではないかと。

山本倫生
1年前
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