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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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2022年12月の記事一覧

「マッドゴッド」(2021)は伝説のハリウッド特撮マン、フィル・ティペット監督渾身のストップモーションアニメ煉獄行脚の旅だ。構想30年は企画凍結期間20年を含むという但し書きがつくがそんな些細なことを気にする必要はない。個人の頭に巣食う狂気と衝動渦巻く世界がただひたすら心地よい。

山本倫生
1年前

「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」(2022)は、同名の童話を脚色したダークファンタジー・ストップモーションアニメ映画である。木の人形であるピノッキオに「フランケンシュタインのモンスター」の要素を見出したデル・トロ監督(共同)の慧眼に瞠目するべし。ゴシック調の画面にうっとり。

山本倫生
1年前
3

「THE FIRST SLAM DUNK」(2022)は、同名マンガを再構築した“バスケットアニメ”映画である。構成や構図に一部の隙もない作品だが、原作を読んでいない観客からすると「バスケットの試合をやってるアニメ」にしか見えない。原作独自の面白さはでていないように思えた。

山本倫生
1年前
5

「ストレンジワールド〜もうひとつの世界」(2022)は、閉ざされた世界の“向こう側”に挑む冒険者たちの姿を描く長編アニメーション映画である。ディズニーアニメでありながら、古き良き“日本アニメ”の意匠が見られる作風に隔世の感あり。宮●駿はともかくラストのオチが●井守なのには驚いた。

山本倫生
1年前
4

「ぼくらのよあけ」(2022)は、地球に取り残された宇宙人を送り出すために奔走する子供たちの姿を描く長編アニメ映画である。ジュブナイルと子供に媚びた“大人”たちの打算と妥協に満ちた「子供だまし」の区別がつかない制作者は、クリエイターを名乗る資格なし。くらいは言ってもいいよなと。

山本倫生
1年前
2

同じ映画を複数のスクリーンで公開するシネコンの飽和攻撃?により、映画館で見る映画が無くなる現象に見舞われている。ベルトコンベアー式で運ばれてくる話題作、人気作など一回見ればたいてい「十分」なのだから、もっと他の作品を満遍なくプログラムに組み込むべきだ。「作品」はコンテンツではない

山本倫生
1年前
2

「ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー」(2022)は、2018年公開の1作目の続編にあたるマーベルシネマティックユニバースの最新作である。主演俳優の「不在」をテーマにするのはある程度仕方ないとは言え、2時間40分は引っ張りすぎと言うもの。個人的には3作目はもういいと感じた。

「王立宇宙軍〜オネアミスの翼〜」(1987)は、こことは少し違う異世界を舞台に有人人工衛星打ち上げに挑む青年軍人たちの姿を描く青春映画である。公開35年を経てなお「孤高」であり続ける稀有な作品としてアニメ史に残ると感じる。後にも先にもこんな映画は多分もう見られないだろう。

山本倫生
1年前
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