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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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2022年2月の記事一覧

「DUNE /砂の惑星(パート1)」(2021)は同名小説の完全映像化の「前半部」にあたるSF映画である。緻密かつ壮大な世界観やガジェットなど魅力的なイメージに溢れながらその全てが「どこかで」見たことがあるという遅きに失した超大作といった感じで、見ているうちに居た堪れなくなる。

山本倫生
2年前

「未来世紀ブラジル」(1985)は、20世紀のどこかで…から始まる悪夢の世界を描くアドベンチャー映画である。公開する映画が度々トラブルに巻き込まれるテリー・ギリアム監督の「非モンティパイソン作品」ながら最もモンティパイソンぽい悪意と冗談に満ちた映像の暴力は大きな画面でこそ映える。

山本倫生
2年前
2

「カラミティ」(2020)は、アメリカ開拓時代の実在の人物「カラミティ・ジェーン」の少女時代を描くアニメーション映画である。描線のほとんどを排した面と色彩だけの画面構成は「ロング・ウェイ・ノース〜地球のてっぺん」のレミ・シャイエ氏の独擅場。現実よりも美しいアニメの力を堪能するべし

山本倫生
2年前
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「アイの歌声を聴かせて」(2021)はポンコツAIアンドロイドをめぐるドタバタを描くミュージカルアニメ映画である。「近日公開!」を映画館で一年以上見せられ続けた曰く付きの物件だったが、作り手にアンドロイドと人工知能の区別がついてないお粗末さに思わずズッコケる。これはダメだ……。

山本倫生
2年前

「映画すみっコぐらし-青い月夜のまほうのコ」(2021)は、同名タイトルの続編となるアニメ映画だが前作との直接の関わりはない。子ども向けジュブナイルの佳作として広く見られるべき作品だが、前作を必要以上に持ち上げすぎたサブカルかぶれの意識高い系映画ファンの琴線には触れなかったようだ

山本倫生
2年前

「最後の決闘裁判」(2021)は一人の女性をめぐる二人の男の決闘の行方を描くサスペンスホラー映画である。女性が男の所有物として見做されていた時代になされた勇気ある告発の結果に恐れ戦くヒロインの視点がユニーク。登場する男が全員エイリアンに見える作劇はまさに今様の映画という感じ。

山本倫生
2年前