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『Lorelei and the Laser Eyes』感想

Lorelei and the Laser Eyesは2024年5月17日にリリースされたアドベンチャーゲームです。

このゲームをクリアして数日間ネタバレ感想を書き散らしたのち「なんとか未プレイの人にも伝えたいからネタバレなしの感想をまとめよう」とキーボードを何度か叩いたのですが、これが本当に苦戦してしまいなんにもまとまらない。

まとまらない理由としてはこのゲームの面白い部分と面白くない部分がかなり極端であると私は感じていて、良い部分をピックアップしようとすれば「いやそんな小綺麗なゲームではない」と反論を書き足したくなり、悪い部分をねちねち連ねようとすれば「でもそれを欠点とも思いきれていない」とフォローを始めてしまい、話の主軸がブレブレで定まらない。

もう開き直って混沌でも支離滅裂でもいいからとりあえず完成させようと今noteに書いています。それくらいのほうがこのゲームに合ってる気もする。


どんなゲーム?

操作キャラであるサングラスの女と謎のパラメータ


いわゆる脱出ゲームというのが一番しっくりきますね。ポイントを調べてアイテムや情報を入手し、謎解きの手掛かりにする。
情報量が多く特に序盤は何も分からないので目が滑るんですが、一度入手したテキストなどの情報は全て瞬時に整理して記憶され、メニューからいつでも見返せるので良心的。
不穏なホテルで無数にある扉を鍵か謎解きかでひたすら開けていくことになります。

視点は動かせず固定されているので3D酔いしやすい人も安心。
犬は何度なでても良い

公式グッズとして「メモを取るためのノート」が発売されているくらいアナログメモを取りたくなる場面が多い。中盤まではスクリーンショットで乗り切っていたんですが終盤は諦めて手書きで書き残しました、楽しかった。

解かなくてもクリアできる要素の一枚画像で完結した謎もあり、こっちはひらめきで解くタイプのクイズ。

解けなくてXに載せたら解けました報告が続々ときて泣いた問題

最初にSNSで見かけた画像がこれのうちのひとつで、「こういうなぞなぞゲームか~私の好きなレイトン教授シリーズぽいな」と思ったのが第一印象で、プレイしていたXのフォロワーさんに「レイトン教授に殴られています」と言われたのが購入の決め手になりました。どんなゲームや。教授は紳士だからそんなことしないし。

実際プレイしたら教授はいませんでしたが、紳士は確かにいました。

なんか赤いのついてますよ

操作キャラのことを「シニョリーナ」と呼ぶ謎の男。
物腰は柔らかく丁寧に接してきますが人の話を聞かず全く会話が成立しない。端的に言ってヤバ男ですね。
どうやらここに呼び出されたのもこの男のプロジェクトを手伝うためらしい。仕事の相手は選びなさい。

男の頼みを聞くためにホテルの中を彷徨うことになるのですが、そこにあるのは意味深なテキスト、なにに使うのか分からないアイテム、かわいい犬、気障で不審で不穏でヒントが役に立たない男、かわいい犬、頭が変な男、目からレーザーが出る老婆。そして目の前に立ちはだかる迷路。

迷路から逃げるな

これを読んでいる人で、ゲーム中の迷路が好きな人っているでしょうか。
いないと思うんですよね。

Switch版のストアページ
迷路を覚えていますか?
の一文があるので"迷路があるとは思わなかった"の言い訳は通用しないし、なんならデカデカと迷路のマップが貼り出されているのも発見していたのに、満を持して迷路が出現したら
「うわっ迷路だ最悪!!」
というまるで知らなかったみたいな拒否反応が出てしまった。

やることがなくなるギリギリまで避け続け、泣く泣く向き合ってみるとその迷路の攻略自体は難しいものではありませんでした。迷路のマップの画像をスマホに送ったらあとはそれを見ながら歩くだけの作業、それが面白いかどうかは別として……

難しいゲームなのか

簡単なゲームではない、決してないんですが、難しくない謎をめちゃくちゃ難しそうに見せるのがやたらうまいんですよこのゲーム。手持ちの情報とまだ解けていない謎を照らし合わせて点と点を繋いだ結果、答えが分かって納得するより脱力した瞬間のほうが多い。
例え確信がなくても、ちょっとでも「これか?」と思ったら入力するのがこのゲームとうまく付き合うコツですね。
あと面倒くささや操作のしづらさで難度が高い部分が一部あり、そこは全然許していない。見辛さで難易度を上げるのもやめろ。

ただ最後に辿り着く大謎はそれまでに入手した情報をフル活用した気持ちのいいガチ謎解きなので頑張って解きました。メモをフル活用できて良かった、最高~。

謎の先にあるもの

このゲーム「最後までこの調子なら奇ゲーで終わるのでは」と思ったら想像以上にきれいにまとまっており、大謎の先にあるのはきちんとした答え合わせなんですよ。普通に教えてくれるわけではなく、こちらが考えて気付くことを促す形なんですが。
奇ゲーのままでもそれはそれで熱狂的なファンがつきそうだけど私はこの美しいラストが好き。終わり良ければだいたい良し。
ここで刺さるかどうかは本当に好みの問題ですが私は致命傷を受けてしまいました、ずっとこの物語のことを考えている。

物腰が柔らかく、胡散臭く、自らの狂気が恋人のような男に振り回されたい方はぜひプレイして一緒に致命傷を負ってもらえたらと思います。

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