ワークライフバランスの話(2)

最初に勤めた職場は、社員の年齢のバランスがよくて、こじんまりとしていて居心地がよかった。

新卒の私達とバイトの人達はほとんど歳が変わらないので、昼食を会議室で一緒に食べたりしていた。
バイトの人達のほうが仕事歴が長いので、色々教えてもらった。特に人間関係のこととか。


大学生の時は知り合いのつてで家庭教師っぽいことをやっていたので、自分と相手のペースだけを考えたらよかったのだけれど、
勤めてみたら、小さな会社ながら色々な立場の人がいて、とても新鮮だった。
偉い人が実はそれほど偉くなかったり。
相手によって自分のキャラを巧みに使い分ける人がいたり。
社会に出るって(いるって)大変なことなのだなと思った。

未だにそうなのだけれど、どうも学生気分が抜けず、
(もしかしたら、もう一生そうなのかもしれない)
上司でも同僚でも、関係性としては
この人は私にとっての先生かな、友達かな、と思ってしまう。

その次に、「この人は私を伸ばしてくれる先生かな、それとも抑圧する先生かな」「この人は自分を受け入れてくれる友達かな、自分を阻害したり囲い込んだりしようとする友達かな(それは友達かどうか怪しいけれど)」と考える。

出社初日の社長の訓辞を今でも忘れない。
「職場は学校でも遊園地でもないから、楽しくなくても仕方ないと思って続けてください。
学校も遊園地もお金を払うところだが、職場はお金をもらうところなので、そこを割りきって。」

私にとっては学校や遊園地がさほど楽しいところではなかったせいか、
職場もそれほどつまらなくはなかったのだが、
残念なことに、結婚を機に円満退社した。

まだ寿退社が当たり前の時代に、それでも、そのまま残ってもいいと言われた。

残っても同じように仕事中心には出来ないし、かといって内勤には向いてなさそうだったので、有難く思いながら辞退した。
私が辞める頃の新卒者は皆さん、秘書検定や簿記の有級者で、当時は必須ではなかったPCを使える人という条件もクリアしていたので、私の出番はなかったのだ。

今はもっと技術の進歩が速いし、皆、頭も要領もいいから、
再就職のリスクって当時より大きいかもしれない。
辞めないですむ制度や方法も充実しているのかな。

私の場合は、育児や親との同居で長い長い中断があったので、今の職場に入れたのは、奇跡のようなものだ。
その辺りのいきさつは、あまり参考にもならないだろうから割愛するが、
仕事に限らず、なにかを続けていることは、いつか実を結ぶのかもしれない。