トマト煮料理の組立方
ご飯作る楽しみなんて皆目わからん!という方も多いと思うので、こう考えたら楽しく出来そうな気がしませんかという提案です。
レシピ通りに作るのが楽ですし、繰り返せば自分のものになって行きますが、それなら他の専門サイトを見ればよいわけで、ここでは料理の「美味しい」をどう組み立てるかという視点でお話します。
トマト煮というやつはシンプルなので、主食材と野菜を足し算していけば足すだけ美味しくなって行きます。
主食材を決める
ご飯担当(最近は奥様とは限らないので)として、「今日何食べたい?」って聞いたら「何でもいいよ」って言われてイラッとしたという話はよく聞きます。普通はメニューのことを指すと思うんですよ。「トンカツ」とか「オムライス」とか。私は「鶏」とか「肉が続いたから魚」とか素材で回答します。笑
でもこういう答え方なら、聞かれた方もパッと答えやすいし、聞いた方も調理法は適当に選べばいいので双方楽じゃないです?
とりあえず今回の私は「あ~最近ぶつ切り鶏食べてないな~。あれ煮ると美味いんだよな~。」でした。ぶつ切り鶏は骨ごと切った鶏肉で、骨からお出汁が出ておいしいんですよ。水炊きとかこれでやると格段に美味しいんですが、今回は冷蔵庫の野菜が鍋向きではなかったので、トマト煮をこれでやることにしました。骨付きは美味しいのですが、お子さんが小さい場合は骨が固いのでお気を付けくださいね。もちろん、骨なしの鶏もも肉でも全然構いません。
煮込み料理は塩とスープの素で大体美味しい
煮込み料理のいいところは、簡単に美味しく出来ることです。炊き合わせ(火の通り方が違うのでバラバラに煮て合わせる和食料理)でない限り、とりあえずお鍋に入れればよいのです。注意すべきは具を切るサイズでしょうか。あまりにサイズが違うと火の通りにムラが出てしまいますので。
ぶつ切り鶏は鶏肉屋さんに行けばあります。まずは鶏肉に塩をふって焼きます。一度焼くことにしたのはその方が香ばしい香りがつくのと、野菜も少し炒めて水分飛ばした方が甘くなるので、どうせフライパンは使うので洗い物の量も変わらないと考えたからです。
煮込むならやはり香味野菜は入れたいですよね、ということで人参とセロリと玉ねぎは外せません。これは買っておきました。(パプリカとズッキーニは別の料理の残りです)
冷蔵庫を覗くと100円で売ってたマッシュルームと3個一束だった蕪1個とキャベツが余っていたのでそれも入れることにしました。体積は概ね揃えているところには注目。全部一度サッと炒めてから鍋にいれます。野菜庫の掃除してます。ホントにいい加減に作っていますね。
炒め物が一通り終わったら、ちょっとワインを入れてデグラッセ(こびりついた旨味をワインに溶かす作業)して鍋に入れます。ワインなかったら料理酒で十分です。料理酒も無かったら水でもいいです。ヘラでごしごししてキッチリ旨味をはがします。
トマト缶は一度ボウルにあけて手でつぶしておきます。ヘタが固いようなら手で千切って捨てます(写真の黒いのがトマトのヘタです)。普段なら鍋の中でヘラ使って潰すんですが、ここまでで鍋がかなりいっぱいになっていたので先に潰すことにしました。無計画に野菜を投入した結果です。笑
これを鍋に入れて、スープが少ないなーと思ったら水も足しましょう。具よりスープが好きなら少しお水多目でもいいです。
下の写真をご覧いただくと分かる通り、鍋がもういっぱいいっぱいです。笑
味見をしながら固形ブイヨンや塩を入れて味を調えます。ここではマギーブイヨンを2つ入れて、あとは塩で調整しています。一発で決まらなくてもいいんです。ちょっとずつ入れて様子を見ましょう。火の通り的にキャベツだけは煮過ぎて溶けてしまう可能性がありましたが、キャベツ崩壊上等、食べて美味しけりゃなんでもいいの姿勢で臨んでおります。
ちょっとコクを出したいと思うなら、ケチャップとか濃縮トマトペーストを入れるといいです。でも骨付き鶏にこれだけ野菜入れてるんだから旨味は十分だと思います。骨付き鶏ではなく肉団子にしてもイカやタラにしても美味しいですよ。野菜も他のキノコの残りや、ジャガイモ、カボチャ、白菜や大根、葱、何でも行けます。但し、煮込みに向かない葉物野菜、ほうれん草や小松菜のようなものは、煮過ぎると黒くなるので、別に茹でて付け合わせにした方が美味しそうに見えると思います。それから、トマト缶より高くなってしまいますが、トマトジュースでも出来ます。味が濃くなるので無塩のものにしてくださいね。
15分もグツグツ煮れば完成です。
上に乗ってるのは、皆さんご存じkiriチーズです。生クリームって高いし、そうそう使い切ること無いじゃないですか。でもクリームチーズでも温かい料理に溶かすと似たような感じになるんです。保存もきくし、使わなければおやつにするなりパンに塗ればいいので便利ですよ。
さて、いかに私が普段からいい加減に料理しているかお分かり頂けたでしょうか?料理が苦手という方は煮物系から始めると良いと思います。煮過ぎるということはあっても、固いということは味見すればわかるからです。炒め物だとどんどん火が通って行ってしまうので、タイミングよく仕上げるのが難しいです。煮物の味付けは味見をしながら何回かに分けてやれば失敗しません。それが出来るのも煮物のいいところですね。
料理でヘタにアレンジして大失敗するのは調味料です。今回は塩とブイヨンのみ、シンプルイズベスト!野菜や肉で旨味を重ねていけば、シンプルな味付けでも十分美味しくなります。
洋風煮物ならスープの素と塩、和風煮物なら出汁の素と醤油と酒とみりん、味噌汁なら出汁の素と味噌、これを守りましょう。ご飯が美味しくなるのは適切な塩分と旨味です。今回の様に肉や野菜を重ねて煮れば旨味は足されていきます。調味料で美味しいのではなく、材料の旨味で美味しいのです。
調味料はお手伝いをするだけなので、いじるのは料理が得意になってからの最後の最後です。お酢や梅を入れてサッパリとか、ナンプラーを入れてタイ風にとか、コチジャンを入れて韓国風にとか、ああいうのは結構難度が高いです。
煮物の旨味は足し算、お肉系と野菜に分けて足し算しましょう。味付けはシンプルに徐々につけて行けば失敗しません。あとは何を入れるか楽しんでしまいましょう。
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