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30人のオンライン飲み会に参加してわかったこと。

外出自粛の最中である。
もともと朝方人間の私は、夕方になると充電がじわじわと減ってきているように元気がなくなってくる。

仕事をしていてもそうなのだ。

熱の入る仕事は午前中から遅くても15時までに終わらせたい。
そのあとは1日の整理をするようにフェードアウトできるよう毎日のプランを立てていた。

ここにきてその傾向がより濃くなってしまった。

日中は極めて元気でサクサク仕事が進むけれど、ランチを境にダラダラモードにスイッチが入る。
夕方になるとピタリと手が止まり、ぼーっとしてしまうのだ。
これまで、仕事だからなんとか歯止めがかかっていた15時以降閉店したいモードが、どうにも止まらなくなっている。

これは良くない。
なんだか1日を無駄にしている気がする。

と、思い、夜のコミュニケーションの場を創造すべく、とあるオンラインコミュニティで開催されるオンライン飲み会に参加してみた。


知っていたり、知らなかったりするいろんな人たちが、一堂に会し飲み会をする。
オフラインではよくあることである。

オフラインでのそういった飲み会で、私は特に困ることはなかった。
極端に人見知りをするわけでもないし、コミュニケーション下手でもない。
そばにいる人をつかまえて適当に話をすることもできるし、そこにある食べものをシンプルに楽しむこともできる。

だから、さほど気負いもなく参加した。

定刻の21時に、そのオンライン飲み会はなんとなくスタートした。
飲み会の参加者は30人ほど。
私にとっては全員知らない人だったが、参加者同士、知り合いもいたのかもしれない。

ホストの自己紹介の後、一人一人の自己紹介が始まった。
それがえらく長く感じた。なんだかんだと一人20分ほどしゃべっていた。
もちろん、その間、全員の顔が見れる。
自分で用意したアルコールやつまみを好きに食べることもできる。

何もしゃべらないまま、40分近く過ぎた。

なんだろう。
飲み会に参加しているというより、テレビやYouTubeを見ながら飲んでいるのと変わらない。

…なんか暇だな。

そんなふうに感じ始めた。
なぜだろう…?

参加者でありながら、視聴者のようなかたちで、ひたすら目の前の(自分で用意した)ビールを飲み続け、終わりがけにようやく気づいた。

大人数のオンライン飲み会では、参加者と傍観者の間に、氷山にあるクレバスのように深い隔たりができる。
参加者は徹底的に参加者になり、傍観者は徹底的に傍観者になるのだ。

オフラインの飲み会でも誰かが一人しゃべっていることはある。
誰かの自己紹介が長すぎたり、ごく一部で妙に盛り上がっていてついていけないなと思うこともある。
でも、オフラインだと、すぐ隣にいる人と、ボリュームを落とした声でちょっとした小話ができる。

「このお通し、おいしいですね」的などうでもいい会話から、「そうですね、この店なかなかいいですね」的なことに発展し、あぁこの人とはセンスが合うかも、とか、なんか間合いが違うな、とか、個人的な観察を始める。

オフラインだと、盛り上がっている一部の人たちの傍観者になりつつ、隣の人とこそっとしゃべることで、ささやかな参加者にもなることができる。
そうやって、傍観者と参加者をシーソーのように行き来することができるのだ。

オンラインだとそれがなかなか難しい。
傍観者から参加者になるには、圧倒的参加者の輪の中に入っていかなければならない。
今、自分がしゃべっていいのか、間合いはどうだ?空気はどうだ?と、オフライン以上に観察力が必要だ。
そのタイミングを外したり、気後れしていると、いつまでも徹底的に傍観者のままである。

だから非常に疲れる。

その疲れる作業を放棄した結果、圧倒的傍観者となり、ただの飲み会視聴者となって、「なんか暇」という状態になってしまう。

まとめていうが、これはオンライン飲み会がおもしろくないというわけではない。
初めての大人数オンライン飲み会で私が学んだ、参加者のスタンスであり、私自身がとったスタンスの結果だ。

次回、もう一度参加してみよう。
勇気を持って。
できるならば圧倒的参加者として。


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