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尿路結石(3)

  T病院に車を走らせる。午後の診療は14時30分からだ。幾分、雨は小降りになってきた。T病院はイオン市野の近くにあり、最近出来たばかりで建物は綺麗だし駐車場も広い。

   受付でO病院の紹介状と保険証を渡すと、症状などを書き込む用紙を渡された。住所、生年月日、現在の状況、既往症、煙草、飲酒の有無などのよくある調査。書き終えると観月ありさに似た受付の看護師に渡した。そしてまた、検尿のカップを渡された。

「検尿してもうしばらくお待ちください。」

待合室で待つもなかなか順番が来ない。後から来た人が先に診察室に入ってゆく。

「どないなっとんねん!俺の方が先やねんどぉ。どついたろか。」

なんてカスハラみたいな真似はもちろん出来ないので大人しく待つ。10分ほどしてありさに呼ばれた。

「中にお入りください」

40~50代の医師は穏やかで優しそう。診断も的確で、分かりやすく説明してくださる。

「ちょっとエコーを見てみますね。う~ん、やはり尿管結石ですね。しかも左右ともその疑いがありますねぇ。念の為、レントゲンを撮ってみますか。」

それからレントゲンを撮って再び説明、

「腎臓がここ、膀胱がここ、尿管がこのように通っていて、ほらここ。見えますか。石があるでしょ。」

「ほほぉー」

「どうも左側にガスが溜まっていますねぇ。お腹が張ってるでしょ」

「はい。」

「あとこれは別の問題ですけど背骨が曲がってますねぇ。脊椎側湾症ですかねぇ。私はそちらの専門家では無いので、詳しいことは言えません。一度専門医に診てもらった方がいいでしょう。」

(ええーーーーーっ!)

医師の説明は続く、

「まず石を溶かす薬を出しますね。だんだん石が尿管を降りてきます。痛みは出たり出なかったりです。痛み止めの薬を2種類出しておきます。痛みが酷い時は座薬をお使い下さい。」

「それで石が膀胱に排出される直前は頻尿や痛みが増す場合があります。このような症状が出てきたら最終段階にきたと思って下さい。」

   診察が終わり、原因がわかって安心しました。後はゆっくり療養したいと思います。

(終わり)