名古屋商科大学ビジネススクールの日常

名古屋商科大学ビジネススクール(NUCB)の思い出が消えないうちに記録に残そうと思う。

NUCBは週末型のビジネススクールだ。しかし膨大な課題により週末よりも平日の方が非常にしんどかった。

日曜日に授業で全てを出し切り、夜はその週に貯めていた仕事を片付ける。

まず月曜日から水曜日は朝5時には出社して溜まった仕事を片付ける。9時には出社している同僚を横目に外回りに出発し、できるだけ面会の予定を詰め込み夕方を迎え、その日のうちに仕事を片付けたい欲を捨て、カフェに宿題をこなしに向かう。
21時ごろに仕事を終わったフリをして家に帰り、玄関の前で深呼吸。家庭に仕事は持ち込まない覚悟を持って笑顔でただいまと言い、子供を風呂に入れ、飯食って勉強して寝る。

木曜日は夕方18時から同期で集まり、その週の授業の勉強会をし、自分の不出来に打ちのめされて集まって酒を飲むのを我慢して家に帰って宿題の続きをする。

金曜日はいよいよ翌日に授業が迫り朝からソワソワする。仕事が手につかず来週苦しいとわかっていながら仕事の期限を翌週に引き延ばし、「スキマ時間」に日中も宿題に励む。  

気がついたらもう土曜日の朝だ。 授業が始まるぞ。

体力の限界とアドレナリンを両方感じながら早朝から学校に向かう。

丸の内の丸ビルにある東京校に着くと朝9時開始なのに良い席を取ろうと7時過ぎから教室前に並んでいる人がいる。授業はレポートと発言による授業貢献による相対評価なので、他人の学びになる良い発言をするか、そのためにたくさん発言できることが大切になるからだ。

8時を過ぎるとスタバのコーヒーを握りしめたイケてるおじさん、おばさん方が並び始める。彼らは経験値もさることながら、ああ見えて非常に努力家だ。学ぶ姿勢を強く持っており、自分もそうでありたいと思う。でもスタバをおしゃれだと思うなよと少し小馬鹿にしたくなる。

9時から少人数に分かれてグループディスカッションを行う。グループディスカッションはケースメソッドの授業に入るまでの準備運動みたいなもので、自分の意見を発言する練習の機会や、他人の意見を聞いて自分がどんな貢献が授業でできそうか考える機会になる。

10時からはいよいよ戦いの始まりだ。何度も言うが相対評価なので、発言できないことはその単位を得られないことに直結する。

教員は意外にも研究活動にも力を入れたアカデミックな方が多いが、出身は学者の他にコンサル、実務家といった経歴をもつ。

心地よい緊張感のもと大の大人である社会人学生たちが小学生のようにアホみたいに競い合って手を挙げる。

まずはウォーミングアップとしてケースを読んだ内容のファクト出し、その後の分析、意思決定と大まかに議論が深まっていき、当然後半で他者への気づきを与えるほうが発言の評価は高くなる。でも前半でも前半でも手を挙げとかないと消極的とみなされて手を挙げても教員から発言する機会をもらえなくなってくる。いろんな参加者の思惑を抱き込むように授業は進んでいく。

そうこうしているうちにあっという間に16時40分の終了時刻を迎える。土曜はまたすぐ帰って明日の宿題に臨む。

たいていは授業で打ちのめされ、日曜で挽回しようと思うと、また睡眠時間を削りで宿題に臨む。  

日曜日も同じように朝から教室に並ぶ。昨日の授業でお互いの実力がわかり、学生たちも誰の意見を重視して聞くべきかわかってくる。皆限界の中で頑張っているので、気持ちの余裕は少ない。自分に周囲の関心がない時は非常に焦る。さあ授業はどんどん進んでいく。

さあ16時40分が来た。

2週間4日間で1つの授業が終わり4日目の最終日のあとは教員と学生で懇親会を行う。ビジネススクールはネットワーク形成の場でもあるからだ。

睡眠不足で一杯飲むともう帰って寝たくなる一方で、アドレナリンが出ているから皆で授業テーマに沿った会話を楽しみながら懇親をはかる。ヘロヘロになってよく覚えていないから結局話した内容は大したことない。仲良くなったことが大切だという点は会社の飲み会と変わらない。

さあまた月曜日の始まりだ。

読んでくださりありがとうございました。


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