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この先、地方に住みたいか?

こないで!

他県ナンバーの車=なにかもってきたんじゃない?と思われても仕方ないくらい、人々が不安に包まれた数ヶ月。これほど「都市部か?地方か?」とリアルに対比するなんてことなかった気がする。テレビやネットニュースでそういうのを見せられると、つい「車のナンバー」を見てしまうという行動をおこさせる。こわいこわい。

カラフルな日本地図もたくさん見た。感染者がどれだけ増えたか、など都道府県の動きを比較するわかりやすいデータがかなりおもしろいからよく見た。それと「この県には行ったことなかったな」とか「ここの人たちは桜はみたんだろうか」とかいろいろ想像したりもした。とくに、知り合いがいる場所はじっくり読んだりした。真っ赤な都市部以外でいびつに真っ赤になってしまった地方都市のことを思うと、ほんとに胸が痛い。

仕事のしかたが変わったりもした。リモートの普及率なんて数字はびっくりした。へー、全然変わんないんだ、どうしてるんだろう?って。現状をやりくりしたら地方ではなんとかなってる。けど都市部は家から仕事で間に合うものもたくさんあって、家の暮らしをじゃんじゃんテレビやネットで出すけど、やっぱあれは都市部スタイルで、地方は在宅ワークはすごく少なかったんだろうな。

人も社会も、困ったときに変化する。

本当に困った都市部は、新しい技術を作ったり、しくみを工夫したり、しかもおシャレでかっこよくしたりして、みんなで最適解にむけて変えようとした。あっという間にネット環境が改善し、リモートワークもふつうにできるようにもなったので、オンラインが当たり前の時代に向かっていく。
一方、なんとなく困った気分の地方は、そもそもを変えなくても当面の工夫をすればよかった。本心から変えたいと思わせるまでにはなかった。自粛しろって言われるからする、けど、そこまでしなくても〜なんて思ったりして。

そんな1年をすごし、変化の波が歴然と違う1年をすごし、来年、「新しい生活様式」を提案するような意味あるオリンピックが開催されていく。そして、地方は相変わらずの暮らしがある。昭和ノスタルジーを文化としてみるのならいいんだけど、地方の変化速度が遅くないか?と気になりはじめた。

この先、ほんとうに地方がいいのか?

「これから」にむけて、暮らしやしくみ、働き方、いろいろなことを変えるのに、ノウハウはたくさんあるのに変えられないように見えてしまう地方。そこに都市部の人が関心を向けるとは思えないのよ。こうなっても、地方は食糧を調達してくれる第1次産業の場所で、レクリエーションや疎開するときだけに「利用」する場所って雰囲気がまだ残っている。そんな匂いを醸し出した地方もいけないんだけど。

ほんとうの地方の暮らしって、
別なものがあるんじゃないかな?

地方の暮らしは都市部かぶれしないでいい、いわゆる都道府県レベルの「第3の場所モデル」を創ればいい。新しいテクノロジーとか便利なしくみは、必要な人たちがいれば、時間かかっても自動的に地方へ波及するから、そこはほっといてもいいと私は思う。便利さ以上にかっこよさとかがほしければ、かっこよく作るか、都市部へちょっとだけ行って楽しんでくるか、リモートで身近にもってくればいい。都市部の便利なサービスは、たしかに便利ではあるけれど、そのぶん人間を怠惰にさせるだけだって今回痛感したでしょう?だから不便の解決だけにお金を使いたくないなら、それで解決、おしまい。不便は不幸ではないのだから。

感染しないから地方がいい、
なんて言わない・言わせない地方のプライドをもとう

都市部と地方の暮らしの違い。このオンラインコミュニケーションをやってみて、「酸素のあるパーソナルスペース」がちゃんとあるのが地方だと気づきませんか?オンラインでZoomとかやってると、ひとりで話す場所がほしいって思いませんでした?まわりがガヤガヤしていると落ち着かないし、背景がごちゃごちゃしていたらバーチャル背景に凝りたいし、話をしている横でデスクワークされたらけっこう気になるし。だから電話ボックスみたいな個室が必要だったりする。実際そういうのは都市部には必要。一人暮らしが多い都市部はそういう環境はたくさんあるからリモートワークしやすい。とはいえ、人間うまくセルフコントロールできないから、外でひとりになる場所を探す。「個室オンラインジプシー」だよ。
そこで地方。家は家族と一緒だったり、会社はまだまだ3密だから車からZoomとか、あとオンラインリフォームする人もいたりする。そもそもオンライン比率はまだまだ低いのもあるけれど、困ったないの、オンラインに。具体的にいえば、ひとりになれる場所を求めて放浪する必要がない。つまり、のびのびと呼吸のできる、ひとりになることが十分にできちゃう場所がある。オフラインの、面倒なまわりの目もあるけれど、そういうのがソーシャルキャピタルとして機能するのだよ。地方の良さを「地方を盛り上げる」というフレーズでまちおこしするのに数億円使うの、もういい加減やめてみない?行政がつくる都市計画も、東京に似せた(気分の)ビル群を建設して、若い人が街並みを歩いている絵をかいた計画で「人を呼び込む」なんてのはもうあきらめよう。だって高齢化率知ってる?人口流出動態知ってるのかな。若い人に振り向いてもらいたいなら、都市部にいる人が地方いいね、って思うためにはどうしたらいいか?を考えたのかと不思議に思う。そんななか、今回、地方は感染しないから安全だと思わせてしまっている。そこを変えることをやらないと、変わらない人たちだけが地方在住になっていく気がする。

もちろん、もってる不動産や友達関係は財産だから、変えたくないでしょう。引越しもいや。人ってそういうもん。だけど、人の流れを変えたいなら、変えるチャンスに変えてみよう。わたしは、変えられるまち、変えられる人たちと一緒にいたい。

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