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頭文字B「破:人生パンチライン」 1200式・・・昇竜

 ヒップホップ好きで、90年代を過ごした人なら自分の家に三台の1200が並んでいるのは夢の様な光景だったに違いない(ピートロックmain indigent裏ジャケット参照)。
 うち二台は日本が誇る松下電器製テクニクスのターンテーブル(レコードプレイヤー)SL-1200。もう1つの1200はアメリカのイミュレーター社が出したサンプリングドラムマシンSP1200だ。発売は確か87年。

 このSP1200、外部から音を取り込んで、それを自分の好きな様に切ったり加工したりして更に独自のパターンを作れるのがその主な使い方だ。ただし、当時の最高性能とはいえその録音時間はたったの10秒。しかも2.5秒ずつ4回しか録音出来ない。今考えると絶望的な制作環境だが、それで近代音楽史に燦然と輝く名機と呼ばれるのだからタマらないぜ!
 その使い方を誰よりも早く実践し、その後のビートの作り方を根底から変えてしまった偉大なる人物がいる。
 その名もマーリー・マール。

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