見出し画像

ポコラの大冒険 黒い森のひみつ 15

「レイブンの告白」

最初の試練を終えたポコラたちとレイブンは
お互いの顔を見合わせました。

アクニが静かな声でレイブンに話しかけました。
「レイブン?これからもみんなと力を合わせないといけない時に、一緒に旅をする人が信じられないというのは
とても困るの・・・レイブンは私たちにしてほしいことがあるのに、私たちはそれを知らないし、何が出来るかもわからない
それではどう進んで良いかもわからないから、次に進む前に全部話をしてください。」

レイブン
「そうだよな・・・それはわかっていたんだけど、中々話せなくて・・・でもテンプスにも言われたからな・・・
では聴いてくれ」

レイブンは大きく息を吸うと話始めました。

「大昔の話になるが、4つの国が謎の病に襲われたんだ、ある日突然の事だったから、みんなは恐怖に襲われた・・・
どんな薬を飲んでも治らないし、何が原因かもわからなかった・・・そんな時、音楽の神「アムネン」がなんとかみんなを助けようと
黒い森「シルヴァ・二グラ」へ向かったんだ。昔から「森はなんでも知っている」と言われていたからな。」

シルフは思わずレイブンの話を遮った
「アムネン?アムネンってあの悪い神様でしょう? 歌を忘れた神だったよね?」

レイブン
「そうさ、アムネンは昔は音楽の神だった・・・ポコラを愛し、音楽を愛し、そして誰よりも4つの国が音楽で満たされる事に一生懸命だったんだ。謎の病をどうしてもなんとかしたいと思い、森に入った・・・」

イグニ
「レイブンはよく知っているね・・・その時、そこにいたの?」

レイブン
「あぁ〜そうさ、神と天使はいつも一緒にいるからな・・・音楽の神ヴェナとルミナみたいなもんだよ。」

イグニ
「レイブンは天使?」

レイブン
「天使だった!今は天使じゃなくて魔人さ、あの時も一緒にいたよ。」
「黒い森の妖精マルムがアムネンにこう言ったんだ

「アムネンよ、よく来たな。4つの国を救うために来たのであろう。この森にはどんな願いでも叶える力があるのだ。
まぁ〜だがその為にはちょっとした犠牲が必要なんだ。だがどうしても救いたいと願う物にとっては大したことのない犠牲だよ」

アムネンはもちろんみんなを救う為にこう言った
「森よ!私はどんな犠牲でも払います。どうか4つの国を謎の病気から救ってください!」

マルムはこう言った
「アムネンの一番大事なものを此処に置いていくがいい」

アムネンは自分の一番大事なものについて考えたんだと思うよ
私の大事にしているものは「音楽を愛する心」「音楽を楽しむ心」そして「音楽を通じて、みんなの心を楽しくする事」だ・・・
それらを手放せば4つの国全ての人が助かるのだとしたら・・・
アムネンの心はすぐに決まった
「わかりました、私の心を全て取り出してください」

闇の声が静かに響きました。
「お前の一番大事にしている心を確かに頂いた。」
「お前の犠牲により4つの国は謎の疫病から救われるだろう」

「あ〜1つ言い忘れていた。もう一つ小さな犠牲があるのだ。今日からお前は「歌を忘れた神アムネン」として生きていくのだ、
安心するがいい、今日ここで起こった事はお前の記憶からなくなるであろう。
4つの国の民たちは謎の疫病が突然消え去った事にお前の犠牲があることは誰にもわからない。」
闇の声が次第に消えていくと同時に、急に明るくなりマルムが消えていた。

そしてアムネンの記憶もなくなっていたんだ。  

ポコラたちは想像していなかった話にびっくりしてしまいました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?