■「根回し」は、日本人だけの常識?Part3
会議の事前相談で「ご意見お伺い」した「キーマン」の考えが、会議主催者(こちら側)の進めたい方向と異なっていた場合どうしたら良いでしょうか。
本来は、味方にしたい「キーマン」の考えが、こちらと違っている…
そんな時は、「キーマン」の影響力を考えて、「キーマン」の考えを、こちらが許容できるギリギリの範囲で取り入れて妥協点を見出しましょう。
その上で、再度、「キーマン」に相談してみましょう。
ここで大切なのは、「目的は何なのか?」「何を目的にこの会議を開催するのか?」です。
例えば、「業務改革を行う!」ということをテーマに会議を行うのであれば、「キーマン」の考えを取入れず、結論ありき(会議主催者の進めたい方向)で進行した場合、「キーマン」の反対意見により、継続検討となり会議として結論が出せなかった=結果的に失敗…という事態も想定できます。
課題がそこにあるのに、何の手も打てないまま、時間だけが経過してしまうという事態に陥るのです。
そうなると、本来の目的である「業務改革を行う!」の実現が遠くなってしまいます。
会議が頓挫した後、同じことを繰り返さないために、会議参加者や責任者の意見を改めて調整する(目的実現までには、大きなタイムロスになる)ということになるのなら、事前に影響力のある「キーマン」に「根回し」を行い、状況によって反対意見も取り入れるくらいの気持ちで取り組まなければ、「目的」の達成がどんどん遠くなってしまうでしょう。
■時には柔軟な対応が必要な「根回し」
・時には”フレキシブル”な対応も
「キーマン」の考えが、会議主催者(こちら側)の進めたい方向と異なった
場合、「キーマン」の考え(反対意見)を最大限どこまで取入れることがで
きるか?
妥協点を探りながら、折衷案(せっちゅうあん)を「キーマン」に提示し、
何とか賛同を得る活動=「根回し」を行いましょう。
それでも、「キーマン」の同意を得られない場合は…
相手の懐(ふところ)に入り込むしかありません。
「キーマン」に対し、会議の目的である「業務改革の実現!」について
真摯に「一人ひとりの負担が大きい今の状態を何とかしないと、社員が疲
弊し、近いうちに組織として立ちいかなくなるのは目に見えています。
今回の会議は、社員のために、会社のために絶対に実行しなければならな
い業務改革を進めるためのステップと考えています、そのために〇〇さん
(キーマン)の協力が必要なんです。」
「〇〇さんのご意見もできる限り取り入れさせていただきますので、何と
か協力いただけませんか。」と最後は、腹を割って話し、不退転の決意を
伝えましょう。
大変な業務になりますが、本音でぶつかることにより、必ず妥協点は見い
だせると思います。
それでも、「キーマン」が納得してくれない場合は、一旦、先送りや今回
の取組みは中止して、別のやり方を考えるという決断も必要になります。
そのリスクも念頭に置きながらできる限りのことをしましょう。
相手の好意を引き出す「ベンフランクリン効果」という現象があるそうで
す。
これは「誰かを助けると助けた相手に好意を持つ」という現象です。
つまり、「苦手な人(キーマン)に協力をお願いして、助けてもらうと、助
けてくれた相手(キーマン)がこちらに対し好意を持ってくれる。」という
ことになります。
目的達成のために、「キーマン」の協力を要請し、考え方が異なったときでも真摯に「キーマン」と話し合い、お互いの考えを取入れた折衷案を策定することにより、次のステップに進む。
これらの活動により、「キーマン」がこちらに好意を持ってくれるようになれば、次のステップでも、さらに強力なバックアップが期待できる可能性が高いのです。
先ほども書かせていただきましたが、大切なのは「目的は何か?」を明確にし、全員が共有しながら取組むことだと思います。
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