メンバーＴの成り下がり麻雀録

⑪サンショクの回

麻雀は勝つ日もあれば負ける日もある。

メンバーとして麻雀すれば毎日勝つか負けるかの勝負をしてるのだが、それを感情出さずに仕事をするのがメンバーとしてやるべきことの1つだと僕は思う。

あれは今から2年ほど前の話。

その日はメンバーＴが最初は麻雀の調子がよくて勝ってはいたが、打つたびに負けていって7回ほど打って－200ぐらいになっただろうか。

アウトが大きくなってこのまま打たせられないと他の卓で打っていた主任が判断して僕と本走を代わるよう指示された。

僕が代わるとメンバーＴは納得しないような表情で厨房に行ったのだが、その時主任がいる卓のお客さんからドリンクの注文が入った。

同卓している主任が

「〇〇さんまでコーラお願いします。」

と言ったら厨房からメンバーＴが

「アﾞアﾞン？」

とまるで喧嘩を売るような大きな声で言ってきた。

それまで賑やかだった店内もメンバーＴの一言でシーーーン… と静まりかえりすぐに主任が代走頼んでメンバーＴを裏に連れていった。

裏に連れていく途中でメンバーＴに散々嫌な思いをされていた女子バイトがいたので主任が

「ちょっとやってくる(殺してくる)」

と言って女子バイトも

「ちゃんとやって(殺して)」

と言ったらそのやり取りを聞いていたメンバーＴがまた大きな声で

「このあまぁぁ！」

と女子バイトにむかって言ってきた。

主任はその言葉にブチギレて裏に入るなり騒がしい音がしたのだが、何をしたのかはわからない。

お客さんもメンバーもみんな慣れていたのでそのあとはまた店内も賑やかになった。

しばらくしてから主任とメンバーＴは戻ってきたのだが、泣きながらメンバーＴは女子バイトに謝っていた。

でも女子バイトは許してないらしく、いまだに仕事の会話すらしていない。(オーナーから女子バイトの半径2メートル以内に近づくなと言われたらしい)

仕事中に感情をコントロールできなくて問題を起こすことが多いのだが、その中でも特に酷かったのがこのお話です。