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ICUから救急病棟へ入院【3】~何も話せない失語症者へのイジメ(2)

2019.7.27に脳出血発症。
いきなり、右麻痺と何も話せない重度の全失語になりました。
救急車で緊急搬送されてから、ICU、落ち着いたと思ったら、3日後に、
15秒ほど私の心臓が止まったことで、再びICU行きに。
やっとICUを出ることができて、間もない時に、その行為は行なわれました。
前回の記事は、こちらです。

今回の記事は、上の記事の後半です。
発症して4年目になりますが、失語症で長い文章をなかなかまとめることができずに、今までかかってしまいました。
やっぱり、弱っている者をいじめては、絶対にダメです。

言葉を一切話すことができなかった時に、起きた出来事。
若い看護師さんに、
執拗なイジメを受けたことをお話ししたいと思います。
2回目のICUを出て、すぐにリハビリが始まったのですが、
その頃、頭の痛みが激しくて鎮痛剤も効かない痛みだったので、
この日は、自分ではリハビリは無理だと思っていたのですが、
言葉で伝えることができないので、頭痛の辛さに耐えていました。
車椅子に乗せられた時に、リハビリ担当者が私の様子を見て、
『これは、無理かも』と察知してくれて、午後から始まるリハビリは、
全て無しになり、これで安心して眠れると思って、ホッとしました。

(3)どこへ行くのだろう?

眠っていると、担当の若い看護師さんが部屋に入ってきて起こされました。
先ほどのイライラ顔とは、打って変わった笑顔で、

車いすに、乗りましょう!

と言う。
午後から何もないはずなのに?と思いましたが、『何かあるのかな(・・?』と指示に従って起き、車いすに乗せられると、いきなり、

『バーン!!』

と、ベッドに付いている食事するテーブルを思いっきり叩いて、そのまま出て行ってしまったのです。
私は、何が起こったのかわからずに、ポカーンと車いすに乗せられたまま。
車椅子から降りることができずに、待つこと30分。
痛み止めを飲んでいるとはいえ、頭も割れるように痛いし、座ったままなので、体も痛い。
廊下を通過する他の看護師さんに頼もうと思っても、『すみません!』の【す】の字も言えずに、『どうしよう...』。
ナースコールのボタンは、車椅子を降りなければ、押すことができない距離にある。当然1人では、降りれない。
1時間経っても戻ってこない時に、

『どう考えても、わざとやっているとしか、考えられない...』

と思った私は、

『こうなったら、帰ってくるまで待つ!

帰ってきた時の反応を見る!』

と覚悟を決め、体勢のつらさに耐えていました。

言葉が一切出ないから、大きなうめき声を出して、気づいてもらうこともできますが、
いつもその度に、他の看護師さんにも『ハイハイ、静かにして!』と言われるので、また、
物事の理解もできなくなっている人に、思われたくなかったので、
時計を見ながら、ひたすら、待ち続けていました。

ようやく、1時間40分経ったところで、

『ごめん、ごめん、忘れてた!』

と笑顔で戻って来た看護師さん。
やっと、車椅子から降ろしてもらい、そのまま倒れこむように寝てしまいました。

(4)家族にも、伝えられないもどかしさ

17:30頃、ちょうど家族が来てくれた時に、その看護師さんも病室に入ってきました。
私は、今日、起こった出来事を伝えたいと思いましたが、
伝えられずに険しい表情をしていたのだと思います。
家族が私を見て、

『頭が痛いの?』と聞いてきたので、どうにか、いじめのことを伝えられないかと考えました。
聞き耳を立てている若い看護師さんを指差してみて、

ウー、ウー』と言ってみたけど、ダメ。

家族たちも、『何かしら?何のことを言っているのかしら?』と全然、理解してもらえない。
何度も指を指しながら、怒った顔で伝えようとしていると、その看護師さんが、

『今日は、とても良い感じで過ごされてましたよ!』

と言ったのです。
私は、『ジョーダンじゃない!』と必死に伝えようとしましたが、家族は看護師さんの言葉に安心して帰ってしまい、味方がいなくなった部屋で、
またいじめられると恐怖を感じましたが、その看護師さんも一緒に帰ってくれたのでホッとしました。
それから2回、その看護師さんが担当になりましたが、1人ではなく、
2.、3人一緒だったので、いじめられることはなかったのですが、
それでも、横柄な高圧的な態度だったので、恐怖を感じて目を伏せ気味にして合わせないようにしていたことも屈辱的で、本当に悔しかったです。

この一連のことは、ようやく話せるようになった時に、家族に伝えて、
この病院の意見箱に投稿しましたが、効果があったのかはわかりません。
その看護師さんの名前は、何度見ても、失語症が原因で、
漢字というものがあることも忘れていて、把握できず、読めなくなっていたのです。

何も話せない失語症は、意思疎通ができなくても、ちゃんと物事は理解している。

話せる、文章も書けるようになった今、全失語症のことをこれからも、
伝えさせて頂きたいと思います。

最後までお読み頂いてありがとうございました。



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