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「最先端のおしゃれ」と「流行遅れでダサい」は紙一重説

流行に乗るのはダサいのか?

流行をうまく取り入れている人を「おしゃれだな」と感じる人もいれば、「おしゃれって流行りを真似することじゃないだろ、誰もやってないことを表現できてこそおしゃれだろ」と思う人もいるだろう。
流行の最先端は「まだ誰もやっていない、これから真似されること」であるわけだから、流行りに後から乗っていたのでは遅い。
だからと言って、流行の情報を全く無視して他の人がやっていないだけの着こなしをしたのでは、ただの「流行遅れ」になりかねない。
実際、高感度なファッションスナップを見ていても、「たしかに誰もしていない着こなしをしているけど、これはみんなダサいからやらないだけで、カッコ良くはないのでは?」と思ってしまうこともある。

ファッションにめちゃくちゃ詳しいわけではない大多数の人から見たら、「最先端を目指したおしゃれ」と「流行を気にしていない、ダサいと言われるような格好」は「流行から外れている」という意味で紙一重だ。
ただ、最先端のおしゃれというのは、まだ流行していない(他の人がやっていない)ことをやっておしゃれに見えていることだ。
最先端のカッコ良さを目指すには、「他の誰もやっていないことは何か」を見つけるために流行をよく知っておく必要がある。
「流行を全く気にしないで着ていたらなんかカッコ良くなっていた」なんて奇跡は、パソコンのキーボードをめちゃくちゃに叩きまくったらたまたまシェイクスピアの作品ができていた、くらい難しい。
「最先端のおしゃれ」と「流行遅れのダサい格好」の間には、「流行から外れている」という紙一重の薄さの、「流行についての知識量」という海よりも深い溝がある。

誰におしゃれだと思われたいのか

カッコ良い、おしゃれだ、と思われる着こなしには、流行をうまく使いこなしていたりして、真似してみたくなるような目新しさがある。
中でも、他の人が真似したくなるような流行の最先端になることは難しい。先に述べた通り、流行の最先端に行くには流行についての知識量が必要だからだ。
その上、そのカッコよさは、同じくらい知識量のある、ファッションに造詣の深い一部の人にしか伝わらないかもしれない。
最先端のファッション情報を常に浴びているわけではない大多数の人におしゃれだと思われたい場合は、流行をうまく使いこなす必要がある。

無難な着こなしもいつかの流行

「おしゃれじゃなくていい、流行なんて知らない、ダサくなければ、無難な着こなしができればいい」
そう思う人もいるだろう。
しかし、ダサい=流行遅れとするならば、流行情報をうまく取り入れていないブランドで服を間に合わせているとやがてダサくなってしまう。
また、自分では無難な着こなしができていると思っていても、ファッションに関する物心がついた頃に流行っていた(店頭に並んでいた)服に身体が馴染んでしまっていて、「その時代の無難」のまま止まってしまっている可能性がある。無難を目指すからこそ、今の流行を知る必要があるのだ。

ユニクロやGUが無難な格好を成立させているのは、実はすごいことだ。
シンプルに見えても、シルエットや色などの流行情報を取り入れた上で作られているので、無難にはなってもダサく(流行遅れに)はなりにくい。

流行はどこからくるのか?

流行は企業や業界が作っているものに過ぎないという人もいるけど、必ずしもそうじゃない。
業界の作る流行はもちろんあるが、そこには消費者の間で発生した流行の情報も組み込まれている。

商品が消費者の手に届くまで

商品が消費者である私たちの手元に届くまでの流れは、実際に商品が販売される2年前にまで遡る。

流行情報が商品として消費者である私たちの手に届くまで

フランスのインターカラー(International Commision for Fashion and Textile Colors:国際流行色委員会)という機関では、2年後の流行色が選定される。

18〜12ヶ月前には、世界のカラー情報機関や素材協会、情報会社が、色、素材、シルエット、デザインなどのファッショントレンド情報を細かく分析したものを発表する。ここで社会環境や市場情報も分析されている。

12〜6ヶ月前には、世界各地で素材展(繊維、生地などの展示会)が開かれる。
そうした最新の情報・素材をもとに、各ブランドでコレクションが作成され、パリコレなどのファッションショーで発表される。

また、6ヶ月前になると、各種機関のトレンド情報がブランドの商品企画に取り込まれる。商品企画の段階で消費者情報を大きく取り入れることもある。
ショーで発表されたコレクションから見出されたトレンドはハイファッション雑誌に掲載される。

実シーズン(消費者が体感し、実際に商品を手に取れる時期)の少し前、ブランドは業界関係者向けに展示会を開く。セレクトショップのバイヤーが商品を買い付けたり、雑誌のスタイリストや編集者が各ブランドからどんな商品が発売されるのかといった情報を得たりする。
そして実シーズンがやってくると、売り場に流行の商品が展開され、一般のファッション誌にも「こんな商品が出てますよ〜 こんな風に着こなすと素敵ですよ〜」というのが載る。

流行の情報をどこから得たらいいのか?

実シーズンになった時、どんな商品を手に取るかを吟味するためには、流行情報は早めに知っておくに越したことはない。
詳しい人に聞くのが一番手っ取り早い(だから人はインフルエンサーをありがたがるのだ)。
自分のロールモデルになる人(好みの格好をしていて年恰好が近い人)を見つけられればめっけものだ。

もし自分で情報を手繰っていくなら、「流行の流れ」を逆流していくのがよい。

初級編

・一般ファッション誌を見る:どういう商品がどこのブランドでいくらくらいで売っているのか、こういう服が欲しいけど名前はなんていうのか、などを知ることができる。
・WEARやインスタ、YouTube、TikTokなど、自分と同じか少し若い世代が使っているwebメディアを見る:街ゆく人を眺めるよりも、「これが私の一番のおしゃれだよー!」っていうのを発表してくれているのでポイントが見つけやすい。
・実際に街に出る:自分が馴染みたい街に行き、道ゆく人が何を着ているか見てみる。雑誌やwebメディアで知った流行情報の答え合わせができる。
・雑誌に載っていた、自分にも手が出せそうな価格帯のブランドのショップに行ってみる:実際に商品を着てみたり、マネキン買い(マネキンが着せられている組み合わせを上から下まで全部真似して買う)したり、店員さんに話を聞いたりする。

中級編

・ハイファッション誌を読む:コレクション(パリコレとかで発表されるアレ)の情報を噛み砕いてくれている。ただしその流行情報が商品にまで落とし込まれているのはこの時点ではまだハイブランドだけなので手は出しにくい。お手頃ブランドや古着の中から「それっぽいもの」を上手く探すのもおしゃれテクニックの見せ所だ。がんばれ!

上級編

・VOGUE RUNWAYでコレクション情報を実際に見る:噛み砕かれていない、生の情報に触れることができる。
・業界誌を読む

これより上流を目指す人はそもそも私のnote読まんじゃろと思うので割愛します。

普通にオシャレな人(ファッションに詳しくない大多数からおしゃれだと思われる人)になりたいなら、初級編だけで十分です。
最先端に近づきたい人は少しずつ逆流を。
初級編ですらよくわからんがなという人は、「服を買いに行く服をコーディネートします」というサービスをやっているので是非使ってね!

トレンド情報を自分で探したいよという人には、流行キーワードを解説するので参考にしてもらえると嬉しいです。
※商品情報が充実してくる11月ごろにかけて随時更新します。
 この記事を購入すると、記事が更新された時に通知が届きます。

2022年秋冬流行キーワード解説

「いや前シーズンから流行ってるやんけ」というものも含め、「いま」現在進行形で流行っているものをピックアップしました。
男性も女性もお使いいただけます。
あまり馴染みのなさそうなワードには解説を添えました。
また、商品の例としてリンクを貼ってありますので、見て「あーなるほどこういうのね」と納得してもらえれば幸いです。

アウター

トレンチコート
こういうの。

MA-1
こういうの。

ステンカラーコート
シャツのような襟の、胸元が詰まったコート。

チェスターコート
テーラードジャケットのような襟の、胸元の開きが深いコート。
ノーカラー(襟なし)のものもある。

トップス

テーラードジャケット
ウエストに強い絞りのない、ボクシーな(四角い)ビッグシルエットが今っぽい。

ツイードジャケット
甘いフェミニンなイメージのツイードですが、きれいめに着ようとするとどうも「入学式のお母さん」感が出てしまうもの。
ミニ丈のセットアップを選んだり、カジュアルなデニムに合わせたりして、セミフォーマル感を出さないようにすると今っぽいです。

ロゴスウェット
カレッジロゴ(アメリカの大学名ロゴ)や都市名ロゴなど、英字ロゴが入ったスウェット。

ボトムス

プリーツスカート
プリーツ幅が広めのものが新鮮。丈はロング〜マキシ丈の長めもしくは膝上のミニを。

フレアパンツ
裾が広がったパンツ。華やかな印象になる。

ストレートパンツ
裾がすぼまったり広がったりしていない、まっすぐなパンツ。

タックパンツ
ズボンの生地を上の方でつまんで縫うことにより、立体感を持たせたもの。

ローテクスニーカー
コンバースに代表されるような、布やレザーのシンプルなスニーカー。

ハイテクスニーカー
NIKEのエアマックスのように、機能性を持たせたスポーティなスニーカー。

ローファー
いわゆる革靴。ビット(金具)付きやヒールありなど、一癖あるものを選ぶとよい。

ポインテッドトウ
つま先の尖った靴。

スクエアトウ
つま先が四角形のような形の靴。

黒のショートブーツ
サイドゴアブーツ(足首のサイドにゴム布が入っているもの、チェルシーブーツとも)、シンプルなレザーブーツなど、紐のないデザインが使いやすいです。
何にでも合わせやすく、簡単に秋冬らしさが出るので一つ持っておくと便利です。

ロングブーツ
Y2K (2000年代ファッションのリバイバル)ブームに乗ってミニ丈を着るなら、ロングブーツで肌面積を調整すると大人っぽく着こなせます。
また、ロングスカートに敢えてロングブーツを合わせる着こなしも素敵です。

靴下+サンダル、靴下+パンプスを組み合わせて履く

アクセサリー・ディテール・カラーなど

大ぶりアクセサリー
セボンスターみたいな大ぶりアクセサリーが流行ってる。けど、大人に似合うジュエリーかつ大ぶりとなるとものすごい値段する・・・もうセボンスター付けたろか。

パフスリーブ
ボリュームスリーブブームはまだまだ続くようです。
腕が太く見えたり肩幅が広く見えたりしやすくて苦手な人も、自分の身体のどこにならボリュームを持たせても素敵に見えるのかわかってしまえば大丈夫。
試着しまくるのが一番ですが、参考になる動画を見つけましたので、自分はどんなパフスリーブが得意かな?と研究してみてください。

クロシェニット
透かし編みのアイテムは、トップス、ボトムス、ワンピース、バッグなど様々なものに見られます。

つけ襟・ビッグカラー(でか襟)

キャップ
綺麗目の格好に合わせてカジュアルダウンさせるのが新鮮です。

カチューシャ
厚みがあったり、極太だったり、大ぶりのリボンやビジューがついていたり・・・ボリュームのあるデコラティブなものがたくさん出ています。
プリーツスカートと合わせてお嬢さん風に仕上げたい!

ハーネス
コルセットのようなベルトのような、ちょっとフェティッシュな雰囲気のアクセサリー。

アームウォーマー
Y2Kブームもここまで来たか!というアームカバー・レッグカバー流行り。
夏場に取り入れるのはハードルが高かったけど(ただの紫外線対策バッチリのおばさんにしかならなくて・・・)、冬なら・・・ただの防寒対策バッチリのおばさんになるか?果たして。
雑誌ではマルチカラーや鮮やかな赤など、カラフルなものがフィーチャーされているので、そのあたりを狙えば「ただの寒がりさん」には見えないかも。

スポーツミックス
2018年くらいにスポーティな着こなしが流行ったし、Y2Kや韓国っぽファッションにもスポーティな着こなしは見られます。
でも今年は、きれいめの着こなしにスポーツテイストのアイテムを少し加えたり、きれいめアイテム自体にスポーティなサイドラインが入っているものがあったりなど、スポーティをスパイス使いするのがいいようです。

タートルネックのレイヤード
クルーネックのカットソーやニット、シャツなどの下にタートルネックを重ねる着こなし。特にシアーな(透け感のある)タートルネックをよく見かけます。

ピンク
ヴァレンティノを始め、多くのブランドのショーで目立っていたというピンク。
ビビッドなものから淡いものまで、自分の肌を一番きれいに見せてくれるピンクを、小物からでも取り入れると一気に今年らしくなります。
個人的には、パーソナルカラーウィンターが得意だというけど今までどこに売ってんのよ!?と思っていたビビッドなフューシャピンクが豊作になりそうで嬉しいです。

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