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美容文化論 ー結婚式2ー


《新婦》
 今の花嫁の衣装や髪型は、形式美などどこ吹く風、ほぼ自由であるといっていい。明るい茶髪の文金高島田くらいでは驚かない。なんとワインレッドのものだってあるんだから。またそれに合わせるのは最近は角隠しより綿帽子の方をよく目にする気がする。怒りの心は抑えてその家に染まりなさいっていう「角を隠す」という考え方に反発があるのかなぁ?

 まぁしかしなんせ打掛を着ているのに頭は洋髪だったりする 無国籍の五目そばみたいな状態を、おかしいと思わない人たちが仕掛け、また仕切り、そしてそれに嬉々として乗っかる消費者が今の婚礼というものなんだからしょうがない。もしかしたら、もう今は伝統的な礼装というものの気高さや美しさに心酔している 私のような人間の方が、異端で古臭いのかもしれない。

《参列者 -親族とゲスト-》
 服装や髪型はまるっきり自由な割に結婚式の案内が来ると、出欠の返事の書き方やご祝儀の金額、また金封の決まり事にはやけにうるさくこだわる参列者。新郎新婦同様、参列者も一人残らず着ているものに何のこだわりも無い(んじゃないか?)。女性は白はダメってくらいだし、さらに男ならスーツさえ着ていればOKだ。全くため息が出る。

 礼を尽くす気持ちがあるなら礼装をするべきなのに、何なんだ親族席にズラッと揃ったあの黒上下のオッさんとジジィは? いつから日本の男は黒のスーツを着るようになったんだろう。私はこんなザマになった原因はスーツの量販店のCMだと睨んでいるのだが、 歴史を調べたらわかるのかなぁ。でも少なくともそうなってから、まだそんなに月日は経ってないだろうと思う。改めて言うが、黒の上下は礼装などではない。

 ホテルのバンケットで行われるようなウエディングセレモニーは格式高いもののはずなのに、来賓である肝心の参列者は、どんな服を着ればオシャレで出しゃばらずに可愛いのかを考えるだけで、『主催者に敬意をはらうために着るものを選ぶ』という考えはない(んじゃないか?)。

《まとめ》
 以上完全に独断の文句でしかないあれこれを勝手気ままに、しかも偉そうに述べたが、先日本校のブライダル科の課長に私の思いや疑問を聞いてみた。その課長曰く、『今頃の結婚式はもはや格調高くて礼を重んじた儀式ではないんじゃないですか?』ということらしい。ヘ? そうなのか。ほー。そういえば『友人のスピーチ』においても、出来の悪い大学生の打ち上げネタみたいな 出し物を見せられるんだもん、しょーがねーか。


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