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刹那のラブソング

 学校などという、若い世代の価値観が渦巻く環境に身を置いていると、くっついたと思ったら別れ、別れたと思ったらまたくっついて・・・を短期間で繰り返すだけにとどまらず、複数の異性を相手としながらその相手もまた複数の異性とデキてしまうといったカオスな状況も目にし耳にする。お前らは昆虫か?魚類か?と聞きたくなるような事例も少なくない。渦中にいる若者自身は自分の気持ちに正直に向き合っているだけなのだろうが、そんな彼らは図太く厚かましいのかと思えばそうでもなく、繊細でガラスのような心を持っていたりするから、ホント扱いが難しい。

 燃料問題が人類の切実なテーマになっている今日、瞬間的に燃え上がる彼らの熱量を発電に利用できないものだろうか? もしそれが実現すれば地球温暖化問題、埋蔵化石燃料の枯渇問題、さらに原子力発電の廃止に関する不毛な議論も一気にいらなくなると思うのだが、私は化学者とともにこの若者のピーチクパーチクをエネルギー化する理論を完成させた後、その実績をカサに政界に打って出た方が良いのだろうか。

 しかし冗談はさておき、減少傾向であることは否めないものの、今日本には18歳の若者が100万人強存在している。私が仕事で接しているのは18歳〜20歳の子供たちだが、ウチに来る生徒だけが特殊であることはなかろうから、その世代がどのような価値観を持っているのかはおよそわかっているつもりである。私に言わせれば、彼らの大部分は自分星人だから、とにかく自分・自分・自分である。別れた相手の欠点をあげつらったり、言い訳や自分を正当化する言葉をごちゃごちゃ言う前に、もっと相手に尽くせたんじゃないか?と自問しようとは思わない。相手と対等に交際しているつもりになってはいるが、自分の視界に入っているのは自分だけなのである。

 しかしなんでそんなにすぐ盲目的に人を好きになるくせにこれまたあっという間に別れるのだろうか。これほどまでにくっ付いたり別れたりを簡単に繰り返すんだったら、ある日自分が誰かを好きになった時に「もしかしたらまたすぐ別れるかも?」って考えないものかね?学習しないにも程があるなぁ。でもそんな刹那的な恋愛を繰り返す一群によって恋愛産業は成り立っているんだろうとも思う。バレンタインやらクリスマスやら記念日やら誕生日やら。分不相応に高価な贈り物をあげて、またそれを期待して。
 オッさんは思う。どんなに考えても似合わない高級品はやめて、すぐ別れるかもしれないんだから、せめて安いものにすりゃいいのに、と。その女の子は男と別れたら貰った物をメルカリで売るぞー!そして逆にその男の子は女の子からプレゼントを貰いながらも別の女の子にも色目を使っているかもよー。あーもったいない!

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