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美容文化論 ー結婚式1ー
ジューンブライドは幸せになれるなどとはいうものの、実際には6月に結婚式が多いわけではない。雨だし暑いから当たり前だ。やっぱり結婚式は11月がピークで、招かれた方もその季節だと有難い。教会式もカッコいいのかもしれないけど、一度など快晴の8月に呼ばれて、フラワーシャワーを会場の外でやる計画だったんだけど、段取りが悪くて肝心の花びらが手元に届くのが遅れたせいで、しばらく外で待たされるってことがあった。こうなると和服や黒い服を身に着けた参列者は、もはや『おめでとう』どころではない。
結婚式に呼ばれるといつも思うことがある。日本には世界的に見ても優れた礼儀・礼節という文化がある国のはずなのだが、残念なことに相手への礼儀として大切にしなければならないことの一つである『主催者に礼を尽くす思いを服装に表して臨む』ということに現在はなっていない。
正確に言うと和装にはその精神がなんとか一部残るが、普段洋服を着て、『オシャレ』と『礼』の2つがゴチャ混ぜになってしまっている我々は、もはや無法地帯に生きているようなものである。
《新郎》
挙式での和装スタイルはやっぱり日本人に似合う。ゲストハウスの広告なんかで紋付を着たブロンドの白人が笑ってたりするけど、どうも変だ。日本人の平べったい顔でないと、あのスタイルはしっくりこない(笑) だから結婚式では挙式でのスタイルである紋付のまま最後まで通せばいいのになぁと常々思っている。
しかし今の人はどんな顔かたちの人でも、披露宴では初めからなのか途中からかは別にせよ洋装にしたがる。お色直しからの再登場では、しばしば七五三の少年みたいな新郎が恥ずかしそうに出て来るのを見て、恥ずかしいのはこっちだと思ってしまう。
現代の披露宴で新郎が身に着けるものはフロックコートばかりだ。しかし偏見かもしれないが、あれを着て似合うのは痩せてる人だけだ。肩幅が広くてゴツい(体格や顔付き含め)男はどう頑張っても似合わない。特に頭の大きな人はやめた方がいいと思う。そんな人にはぜひ紋付のままでいてくださいな。男が和装のままでもなんら問題ない。そもそも披露宴というものは新婦を目立たせようとするイベントなんだから、新郎は黒子みたいなものだ。新郎と新婦のバランスなど誰も気になどしていない。
最後は新郎の髪型について。そもそも日本にはビジネスにおいてさえ髪型の決まりはないから、スーツで仕事をしている人でも髪だけは遊んでいるような日常である(盛り場でスーツを着てハンティングをしている男たち参照)。よって結婚式においても、服装だけは世間並みにしなくてはいけないのだと一応は思うみたいだが、こと髪型に関してはどうであっても構わない。しかし婚礼の儀式という最も格式高い場面の装いに、ブリーチ毛やツーブロックはあり得ない。あんまりだと思う。
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