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記念写真

 石破さんが総理大臣になって、新内閣が発足した。しかし個人的には高市さんが選ばれなかったことの他に、いかにも残念なことがある。新閣僚の集合写真のことだ。あの写真は我が国だけでなく全世界中の人が見る。総理はじめあの写真の被写体の中で、自分たちの姿は 正しいんだろうか? とか、おかしくないのか? と疑問を持てた人が何人いただろう。
 私にとってあの1枚は、ここに写る人は、着るものについて 格式や着こなしなどには構っていない人たちなんだろうなぁと感じさせられるものだった。あまりの不出来に公式に編集を施したというのも頷ける(情けない!)が、修正後だってダメだなぁと思う(本稿テーマ画像の向かって左がオリジナル、右が修正後である)。

 何がダメかといえば、少なくともフォーマルな場面で写真を撮るならば、①着衣 ②着方 の両方に気を付けなければならないのだが、それができていない。特にこの写真はこの政府の影響が世界に及ぶものとなる。その重要性がわかっていなかったのだろうか?
 ①の着衣そのものの質やサイズについては、詳細はわからないが、このクラスの方々ならばテーラーでオーダーをしているものと思われるので、問題は無いものとしよう。問題は②の着方の方だ。まずパンツのウエスト位置がズリ落ちてはダメだ。その上でシャツをパンツからはみ出ないよう弛みなく入れなきゃ。裾の一周を靴のアッパーやかかとの上ににきれいにかぶせる。フォーマルのパンツは基本的にさほど長くは作らないものだから、前列中央に位置する方々は、パンツのウエストの位置が下にズッているのであろう(もしそもそもの丈が長いのならば、もはやどうしようもないが)。

 なんとも着こなしがイケてなさ過ぎて、そんなことには特にうるさいヨーロッパの方々には、修正後の写真でさえ 笑いの種になっていることだろうと思う。
 座位・立位におけるスーツのボタンの開け閉めや上着の袖口から覗くシャツの袖が出る寸法などは、基本中の基本のマナーとして気にされていることが〇〇サミットなんかの画像・映像を見ていると良くわかる。彼らは階級社会に生きているから、幼いころから『服育』を受けているし、大人になってもその立場によっての振る舞いや着こなしの指導を専門家に受けている人も珍しいことではない。なぜならそれらのことは、その人の本質や教養、価値観などが反映されるものであると考えられているからだ。我が国はその部分においては 諸外国から大きく後れを取っているのが現実である。

 しかし・・・。通常記念写真をプロに撮ってもらう時には、カメラマンは『はーい笑ってくださいよー』とか『お首を少し右に傾けて・・・』とか着物なんかだと 椅子に座る振袖の 女性の足元や袖の処理の仕方などを、こと細かに指示したり修正したりして甲斐甲斐しく しつこいくらいに動き回るものだが、あの写真を撮る時にそれはなかったのだろうか?

 同時に強く思っていることがある。馴染みのないそんな洋礼装に身を包むより、紋付羽織袴ではダメなんだろうか? 女性の場合は色んな考え方ができるが、私は色留袖が良いのではないかと思う。格が、というなら五つ紋を入れたら良いだろう。和礼装の集合写真はきっと大和民族としての品位ある1枚になると思うのだがなぁ。

紋付羽織袴(ネットより拝借)
色留袖(ネットより拝借)


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