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劇場版シン・サザエさん -出演者-

 シン・ゴジラ、シン・仮面ライダー、シン・ウルトラマン、シン・エヴァンゲリオン。『シン』流行りであるが、いったい『シン』とは何なのか? 『新』ではないらしいのだが、聞くところによると かの庵野秀明氏が考え出したものらしい。リニューアルされたというか、リメイクされたというか、リフォームされたというか。とにかく『リ』が付いたことで、『元々あったものをもう一度作り直してみました』みたいな感じなのであろうか。

 子供の頃から妄想癖がある私は、頭の中で映画監督になった。そして考えてみた。日本人の魂を揺さぶるような『シン映画』を撮れないものかと。そして生まれた(頭の中でだけど)のが『劇場版 シン・サザエさん』である。相手は歴史ある国民的アニメだが、監督の私は まるで運命のように実写の『シン・サザエさん』を撮る。

 時代設定はテレビアニメのサザエさんから20年後の世界である。当然皆それぞれ成長したり老けたりしている。そんな中、ワカメに恋人ができ、お嫁に行く日をクライマックスとした 昭和にありがちな設定とした。

 実写ゆえキャスティングが要になるのだが 以下、配役を紹介しよう。

《波平》
 波平さんも20年後ということは74歳になっている。最後の砦だった頭頂部にあった一本の毛も今は昔だ。演じるのは私の中ではこの方以外には考えられない高橋克実さん。歴代の伊武雅刀さんや片岡鶴太郎もいいのだが、私の中では『梅ちゃん先生』出演時から波平さんにピッタリだなぁと思い続けている高橋さんしか考えられない。
 最近水谷豊さんと共演している高橋さんを舞台で見た。演出なんだろうが その舞台でも自分の頭髪を自虐的にイジッていたのには笑えた。不器用ながら誠実さがにじみ出た 素晴らしい役者さんだと思う。まさに波平さんのキャラにピッタリだ。 

ワカメ
 迷わず小芝風花さんを抜擢する。きっと29歳のワカメは彼女にピッタリ似合うと思う。
 現在のワカメを見ると想像できないが、思春期の数年間 彼女は心を患った。医師は波平とフネに、ワカメはずっと『いい子』を演じ続けており、疲れてしまったのだと言った。
 暗闇の中にいた時間、ただ息をするためだけに、底のない沼から顔だけをなんとか出していたワカメ。げっそり痩せてしまった辛い時期を乗り越えて、今ではそんなことがあったことも忘れさせるほど元気になったワカメは、茶目っ気を維持したまま 可愛らしく成長した。そんなワカメの結婚までが、作品のメインテーマだ。

《フネ》
フネさんには松坂慶子さんにその役をお願いする。ちょっと美し過ぎるのかもしれないが、人間味あふれる一家を支えるドンとして、いつも明るく笑いが絶えない人柄だ。しかし時に怒るしスネるような可愛さも持ち合わせている。こんな全方向の演技ができる女優さんを思い浮かべると彼女しかいなかった。
 当初ワカメの恋人に冷たくあたっていた波平だったが、落ち込むワカメにとって、最も頼りになったのはやはり母であるフネだったに違いない。

カツオ
 ワカメが底なし沼にいた期間、ずっと支え続けた兄 カツオ。自分も仕事をしながら妹のことを常に気にかけていたやさしい男に成長した。しかし髪型だけは小学校の時から変わらず、丸坊主のままである。
 ワカメの夫になる男性は、元々カツオの仕事上の繋がりからワカメと知り合ったという背景があるから、いわばくっつけ役だといえる。
 この役をやっていただく人を決めるのが一番難しかったが、悩んだ末 ハナコの岡部大さんを抜擢したい。

サザエ
 『サザエさんの苗字は?』という早押しのクイズでは、『イソノ!』と答えられがちなサザエさん。もちろんイソノは旧姓であり、現在はフグ田が正しい。TV版アニメではタイトルが示す通り彼女が主役だが、私がメガホンをとるこの映画では、妹のワカメがその大役を引き受ける。
 実写化されたサザエさんは、これまで江利チエミさんや星野知子さんが演じられたが、44歳になったサザエさんは、安藤サクラさんに頑張ってもらいたい。

《その他の配役》
マスオ➡︎ 小栗旬さん
タラ➡︎出演なし
ノリスケ➡︎ 山田孝之さん
伊佐坂先生(伊佐坂難物)➡︎田中泯さん
伊佐坂ウキエ➡︎広瀬アリスさん
三河屋のサンペイ➡︎佐藤二朗さん
アナゴ➡︎小日向文世さん

 さて勝手に色々決めているが、このキャスティングで一本撮ろうとしたら、日本を代表する実写化の映画になるね。
 監督として 記者会見には何を着て行ったらいいんだろうか。

(つづく)

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