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家族の本質的な理解がなければ、介助する側の家族は孤立してしまう

息子が自閉症スペクトラムの疑いと診断された後、私は家族に対して、この障がいがどのようなものであるか、どのような対応が必要かを何度も説明してきました。
しかし、普段仕事などで家をあける家族や同居していない親族にとっては、理解することは容易ではありません。

私の世代は、詰め込み型教育真っ只中をかけめぐっていたので、やればできる理論から抜け出せないことが多いのです。
確かに、今までは頑張ってできていました。
でも、息子は頑張りすぎて記憶をなくしてしまうくらいのストレスをため、普通の生活が送れなくなってしまいました。
一部の家族は、少しの症状は見られても、息子が酷く取り乱している姿は目にしていないので、まだ頑張れると思い続けているのです。
信じたくないだけなのかもしれません。

ふとした時に症状が出ると、私は息子の対応をします。
すると、家族は自分が蔑ろにされたと思い込んでしまったり、私が息子を甘やかしていると受け取ったりしてしまうのです。
対処方法のヒントとなるような本を読むことを勧めてみても、馬鹿にしているとなじったり、(お酒を飲みに行ったり、ちょっとした旅行に行く時間はあるのに)時間がないから読めないと言ったりします。
私としては、息子の症状が少しでも改善してほしいから、できることをやろう、協力してもらおうとしているだけなのですが。

あれやこれや、その日に起こった出来事を、どんなことでも伝えるようにしているのですが、本質まで理解してもらうことは難しいのです。
実際にその現場を見ていない家族と、見ている介助側には温度差が生じてしまっていて、介助側がいくら説明しても、正面から聞いてもらえなかったり理解してもらえないと、介助側は孤立感を深めてしまうのです。

もし家族が、実際に現場を目にしたり、本に限らずテレビやインターネット上にあふれている情報から、障がいについて少しでも理解を深めることができたのなら、その内容について話し合ったりしてみてほしいです。

介助している側の人の心が少しでも軽くなるように。

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