生まれつきの(障がい)方が良かったねって言われたので何が良いのか考えた。
先日、とある人に言われたのだ。
“いきなり、義足を使うことになるより、生まれた時からなら良かったね”
数年に一度言われるこの言葉。よく僕の障害に関して聞かれた後に言われる言葉だ。
“君の障害は事故かなんかで?”
決まって僕は
“先天性(生まれつき)です”
そう言うと、特に悪意など無いのであろう。
“急に義足とかを使う日常に変わるよりは、ずっと初めからその環境ならいいね”
言われるたびに、そうですねー、と返す僕には疑問があった。
“本当にそうなの?”
先天性の障害を持っている僕なんかは義足を使うのは日常的。健常者の人が朝起きて服を着替えるくらいの感覚で僕は義足を装着している。
確かに事故やなんらかの病気から義手義足を使わなければならなくなった人に比べたら辛い大変なリハビリとかを受けたことがない。
以前、お世話になっている装具士さんの元で、事故で両足義足を使っている男性とお会いしお話ししたことがある。
“君は生まれつきなのか、、、、今まで大変なことって何かあった?”
普段の生活で“こりゃ大変だ!”っと思いながら生きてこなかったせいか特に思いつかなかった。(今となっては色々あるが)
それよりも僕は事故で両足を失って、今は車椅子を使いながら、義足を使ってリハビリを始める方がよっぽど大変だと思った。
その時にふと
“走るってどんな感じなんですか?”
と聞いてみた。僕は生まれるき走るのが苦手だ。保育園から小学生の時は、かけっこはいつも決まってビリ。
小学校の持久走大会なんて学校生活でワースト3に入る胃がキリキリするくらい嫌いなイベントだった。
“あ、そっか。ちゃんと走ったことないのか。俺ももっと走っておけばよかったな”
と言われて、他何か言われたか覚えてない。
結局は、生まれながらにして障害を持ったから経験できなかったこともあってどっちが良いとか正直どうでもいい。
ただ生まれつきの方がよかったね、という人に対しても特に嫌悪感は無い。
こっちが良い、とかそっちは大変とか言い悪いじゃなくて、もう少し違う見方があればなーと日々思う。
ただ違う見方がどんな見方なのかは僕にもまだ答えはありません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?