3位狙い
昔、ホットドッグプレスという雑誌があった。
ファッションに、カルチャーに、たまにちょいエロも混ざっていて、今考えるとなかなかカオスな内容だった。
その中でつんくが持っていた連載が「3位狙い」である。
一応説明しておくと、つんく、とはシャ乱Qのボーカルで、モー娘のプロデューサーの、あのつんくである。
つんくは連載タイトルについて、こんな風に説明していたと思う。
「1位はズバ抜けてすごいヤツである、2位はそれに次ぐすごいヤツ、でも、3位くらいならなんとか頑張ればなれる。」
さらにこんなことも言っていた。
「1つの特技で1位になるのは難しい。いろいろなことの組合せで、合わせ技一本で良い。」
この言葉は僕の心に響き、今でもこの合わせ技一本を模索している。
ただ、合わせ技一本にも達成しなければならないレベルがあることを認識した。
よく考えたら、つんくは複数のジャンルで一本を取りまくっているのだ。
ここで、つんくを知らない人のために少し説明しておく。
つんくはシャ乱Qというバンドで90年代にデビューした。担当はボーカル。
ヒットきはズルい女、シングルベッド、いいわけ等、今聴いても色あせない名曲揃いだ。
最初は一発屋のイロモノバンドでは?との見方もあったと思うが、ヒット曲の連発でこの懸念を一蹴した。
プロデュースの方では、モー娘をはじめ、たくさんのアイドルをヒット曲とともに輩出した。
ただし、シャ乱Qも最初は売れなかった。モー娘も持ち上げた割に1曲目は今ひとつだった。
つまり、試行錯誤して最初の一本を取ったのである。でも、つんくにとっては有効、くらいだったのかもしれない。
プロデュースの仕事も仕事錯誤した。結果的に成果を残した。
このことは僕らに重要な示唆を与えてくれる。つまり、
本業で一本を目指しつつ、他の方法も模索する
ことが必要なのである。同時に、
有効や技ありを狙っていても、合わせ技一本には近づけない。
ことがわかる。
仕事が多様化している中、僕らはなんとなく働いていてはいけないのだ。
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