浩司と敬子の婚活日記(8)

敬子

初めてもんじゃ焼きを見た時、多くの人がそう感じるように、ゲ〇みたい。
と思った。
しかし、口に入れてみると、おいしい。
いくらでもいけるわ。

初めてのデートがもんじゃ焼きなのは、食べた事がなかったから興味本位と、だらだら長居できそうだと思ったから。

匂っても汚れてもいい服で来た。

浩司にこんなに感動させられるとは思わなかった。

男が言う「子供が欲しい」なんて信用してこなかった。

昔の彼氏がラブホのベットの上でいう「若いパパになりたい」とかいうチャラチャラした言葉とは全く違う重みを感じた。

ちゃんと、自然妊娠しなかった時のことも考えている。
養子縁組のことまで考えている。

妊娠出産の負担も分かった上で、子供を産んで欲しいから、育児は全部自分でやると言う。
(実際のところはもちろん分からないけど、気持ちは伝わってきた。)

就職活動の一環で結婚したい私とは、種類が違うのでは?

なんだか浩司に申し訳なく感じた。

チャラチャラしているのは、私ではないか。

結婚はしたかったけど、子供のことは考えてなかった。

自分のことで精いっぱいなのに、子供を育てられる気がしない。

だけど、これはいい機会なのかもしれない。

「分かりました浩司さん。今からラブホ行きましょう。」

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