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株価を予測しないNISA活用法

「投資家マインド」を読むためのトレードテクニックや「市場心理」を把握するためのファンダメンタル分析は無意味。

効率的な市場の下では
こうしたテクニックや分析に使われる「将来の株価を予測する際の根拠となる情報」は、市場参加者の予測前に既に株価に反映されており、
「その情報に基づく予測可能な価格パターン」は存在しないからです(効率的市場仮説)。

短期的には
悲観的プレイヤーと楽観的なプレイヤーが混在するバラツキの大きな非効率的な市場となります。
もっとも、市場参加者の大多数は合理的な投資行動をとるので、
長期的には
バラツキは小さくなり、リターンは「リスクに見合った水準」に収束する、効率的な市場となるのです。

非効率な短期市場と効率的な長期市場、
どちらでトレードすべきかは、明白でないでしょうか。

非効率な短期市場で、既に株価に反映されてしまっているデータに基づいて予測するトレードテクニックを駆使しても、
市場平均以上の利益を獲得し続けられないことは理解できますよね。
そのため、こうした予測を不要とし、市場の動きに合わせる「インデックスファンド」が合理的なんです。
これに、平均購入価格を下げられる可能性のある「ドルコスト平均法」を組み合わせる投資手法が人気となっています。
政府もこうしたトレード手法をNISAの「つみたて投資枠」やiDeCoで推奨しています。

一方、効率的な長期市場がどのようになるかは、
大多数の市場参加者の合理的な投資行動の根拠となる「リスクの高低による価値評価」を正確に行うことで、捕捉可能です。

従って、
効率的市場仮説やランダムウォーク理論を前提とする限り、
「投資家マインド」や「市場心理」ではなく、「投資における価値評価」を重視して投資戦略を組み立てる方が合理的なんです。

つまり、
トレードテクニックやファンダメンタル分析より、
次のような、リスクを考慮した数学的・物理学的な価値評価ノウハウを習得することが求められます。
▼割引ファクター
・確率的割引:WACC、CAPMモデル、期待リターン
・微分方程式
▼予測不可能な市場下でのリターンとリスクの捕捉ノウハウ
・統計的アプローチ:分散、標準偏差、偏差値、正規分布
・物理学的アプローチ:微分方程式

また、
「将来の株価を予測する際の根拠となる情報」は既に株価に反映され「その情報に基づく予測可能な価格パターン」は存在しませんが、
企業の内在的価値やリターン・リスクを比較評価することで、割安株は発見できます。
割安株を発見できれば、効率的市場仮説の下でも、市場平均以上の利益を得ることが可能なんです。
具体的な割安株発見ノウハウは次の通りです。
▼予測不可能な市場下での割安株の発見ノウハウ
・PER
・DCF
・DDM
・各割安株発見ノウハウの課題を補う統合的アプローチ

こうしたノウハウを駆使して発見した割安株でNISAの「成長投資枠」を活用すれば、運用益は非課税となるので、経済的、かつ、インデックスファンドより大きなリターンが望める資産運用が可能です。


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