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さよならくちびる、を観た

制作:2019
監督:塩田明彦
撮影:四宮英俊
出演:門脇麦 小松奈菜 成田凌

■あらすじと感想
解散を決めた女性デュオ・ハルレオとローディー3人が””解散という終わり向かって進む物語。それ以上でもそれ以下でもない。非常に簡単なよくある物語である。

物語は「ただそれだけ」の事で特に捻りもないのに、僕は感動しました。この演出に拍手を送ります。形あるものは、終わりに向かう。肝は、見る側に“どんな結末が来るのか”とドキドキさせる演出。この物語もその通り。演出が光っていました。それは、主人公が“若いから、年老いているから”という区別ではない刹那というテーマでしょうか。だからこそ、脚本・演出全てが集中したのだろうな、と感じました。この映画はどうやって終わるのだろう、と期待しました。だからエンドについての論評はナシで。少なくとも僕は納得出来ました。

別の意味で映画として特筆すべきは、ハルレオの演奏。かつてこの誰も読まないコラムでも論評したが、音楽映画にある「演技以前に求められる技量」をあっさりクリアしている事に驚きと称賛を送りたいと思います。門脇麦さん、小松奈菜さん、成田凌さんお疲れ様でした。何の違和感もありませんでした。

記憶に残るカットは2つ。一つはコインランドリーに前にての子供のカット。お母さん好き?お父さんは?のやりとり。前振りも含めて映像表現として現場演出は秀逸。もう一つは、ラストライブ最後から2曲目の二人の首元と胸元。気持ちが伝わる細かい演出が印象的でした。惜しいのは最後のLIVE。最終曲まで1シークエンスで見せて欲しかった、という事。汗が本物だったらもったいないね。撮影現場は知るすべも無いが。限りあるから美しい、と感じる作品でした。
ではでは。

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