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そこに留めることの利点と欠点

Twitterでふとバンボの話題になったので。

この記事は最後まで無料で読めます!
産後初めて記事を書いてみましたが、ワンオペしながら物を作るのって大変だなぁ…と痛感しました。もし、頑張ったね!勉強になったわ!とお金をお支払いしてくださる方がいればお待ちしてます。笑 無料で読んで通り過ぎても構いません。

バンボの目的は2つ。
①保育者がラクに過ごせること
②赤ちゃんをその場に留めてけがを防ぐこと
便利な反面、あまり体に良くないと聞いたという方もいらっしゃるかも。
今回は赤ちゃん自身の身体にどう影響するかの視点でまとめます。

結論:使ってもいいか/使わない方がいいかと聞かれたら、使っても良いと思っています。ただし、デメリットも知ったうえでどう使うかを考えて欲しいと思います。
注意点は、
【長時間(根拠はないが30分以上)使わないこと】
【使用した後は、床に転がって赤ちゃんが自分で自由に動ける時間を確保すること】


ベースの細かい使用用途や注意点は公式HPを見ていただいて、今回は赤ちゃんの発達に特化してまとめていこうと思います。

バンボのメリット
①視界が広がる
②対面遊びが可能
③自分の脚が視界に入り、体の認識を促す

バンボのデメリット
➊動きを制限する
➋座れない時期に座らせることへの弊害

もっとあるけど…シンプルにこのくらいに。

バンボとは?

バンボ公式サイトより一部引用。

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まだおすわりができない赤ちゃんをじっとさせておく方法はないかしら」
という娘の悩みを聞いた南アフリカ共和国のおじいちゃんが、
孫を安心して座らせられるイスが必要だと思い、作り始めました。

対象:首が据わってから腰が据わるまで
(メーカーさんは腰が据わって以降、抜けだしがちなお子さんはバンボマルチシートへの移行を推奨しています)
使い方:必ず床で使用。お風呂では使用NG。椅子やソファの上もNG。
注意点:
・使用中は目を離さないこと(床の上であってもベビーソファごと転倒する恐れもあると表記あり)
・2012年に転落事故がありそれ以降、専用腰ベルト付属品を無料配布、または購入時に付属するようになりました。(詳細は公式サイトにて)

Q.おしりより脚が高くなる姿勢は身体に悪くはないですか?
A.おしりより脚まわりが高くなっていることと、赤ちゃんのからだに沿ったオリジナルの『バンボカーブ』により腰がすわる前の赤ちゃんでも正しい姿勢で座れるように計算されていますので、身体に悪い姿勢ではありません。ただ、前のめりで居続けていないかなど、赤ちゃんの様子を良く見ていてあげてください。赤ちゃんの成長過程にもそれぞれ個性があります。他の子と全く同じということはありません。

Q.どのくらいの時間であれば座らせておいてもよいのでしょうか?
A.時間で判断するのではなく、赤ちゃんが機嫌よく座っているか、苦しそうにしていないか、頭が落ち込んでいないかなどよく見ていてあげてください。座っている時に前のめりで居続けることもおなかを圧迫してしまい、良くありません。たとえ赤ちゃんの機嫌が良くても、ずっとベビーソファにすわらせておくことは避けましょう。ベビーソファに限らず、どの状態でも言えることですが赤ちゃんをずっと同じ姿勢のままで居させるのは良くありません。使用中は赤ちゃんの様子をよく見ていてあげることが大切です。
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とあります。

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※旧式(ベルトなし)

バンボのメリット

①視界が広がり知的好奇心を引き出す


自力では仰向けかうつ伏せでしかいられない赤ちゃんも、バンボであれば座った姿勢を保てるので、目線が高い位置になり、かつ体が固定されぐらつかない安定した環境で見える世界がぐっと広がります。これはバンボ公式サイトでも言われており、好奇心は運動・心理などすべてにおいての赤ちゃんの発達の元になります。

②対面遊びができる


転がらない・ママパパの顔が見られる安心した環境で自分の手元から離すことができるので、距離を変えて対面で遊んだりすることで、この世界には奥行があることを遊びの中で感じてもらうことができると思います。

③自分の脚が視界に入り、体の認識を促す


4-6ヵ月くらいになると、仰向けで自分の脚を触ったり舐めたりする動きをする子が出てきます。(しない子もいます!)
仰向けで脚を上げることは発達の観点から言うと良いことです。
脚は腹筋が働かないとあがりませんし、股関節の動きも床から手と合わさるところまで動くとなると、相当な範囲動いています。
股関節のコントロールが上手くいかないと、顔の近くまで足を持っていってそこでキープすることは難しいです。

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足舐め


ただ、仰向けだと中々自分の脚って見えないですよね?
2-3ヵ月の頃、赤ちゃんが自分自身の手をジーっと見つめているのを見て、「自分の手発見したー!(ハンドリガード)」という時期ありませんでしたか?
赤ちゃんは目で見て認識してなんだろうこれ?と確認するために口に持っていきます。
バンボを使うと自分の脚が見える姿勢になるので、「自分の身体についているコレ(脚)はなんだろう?」と気づくことにもつながります。

バンボをメリットを利用する

モデルのミニまるです。
今回は一例として、バンボを使って足を認識してもらうことにしました。
バンボに座らせる前、寝返りはこんな感じ。

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3-4か月あたりにみられる反り返りを使った寝返り


元々右を向くのが好きでしたが、右上に気になるものがあったようで、左足で床をぐっと蹴ってはいるものの、のけぞって首折れるんじゃないか?と心配になるような感じで寝返りしきれていない感じでした。
(この形の寝返りはする子としない子がいます。理由は色々…また今度)

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そこで、バンボを使って自分には足があることを目で確認してもらいました。乗ったのは10分くらい。
座らせてみたところ、自分の足を発見したようです。じーっと見てます。
ミニまるはむっちりでお尻が完全にはまっているのと、まだ足を掴みに行きたいという気持ちはなかったらしく、じっと見て終わりました。

この翌日に、仰向けで足と足を合わせる動きがみられました。

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足をすりすり。体の真ん中ですりすりしていて、左足と右足が1本ずつあることもなんとなく感じたようです。真ん中がわかるということは、この世に左と右があるということもわかってきます。
この翌日

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このコロンとした後ろ姿…尊い。
じゃなくて、のけぞっていた時と違い、寝返りのときに体が丸まって横向きで左足が体をまたぎました。ここまできたらもう寝返りは近いです。
あとは本人が取りたいものや「あっちに行きたい!」気持ちを尊重してできる日を楽しみに待ちます^^

大事なことは寝返りができることじゃなくて、赤ちゃん自身の「○○がしたい!」が叶うこと。


こんな感じで、バンボを使うことも可能です。
(もちろん全赤ちゃんが1回で足を見つけることができるとは言えません)
なので、バンボは身体に悪い!なんて一概には言えません。


そもそもバンボの生まれは「座りが安定しない赤ちゃんをじっとさせるため」に開発されました。子育て中のママが自分の父親に相談して開発が始まったそうで、、きっとそのママもワンオペでつきっきりになることができなかったんじゃないかな?あくまで予想ですが。

それではなぜ良くないといわれているのか、イチ意見を書いておきます。

バンボのデメリット

➊動きを制限する

「まだ一人でおすわりできないんです」
自分のお子さんに対してここに着目する方が多いと思います。
そりゃそうですよね。一人で座れなきゃ頭打つし、倒れかけてるところを支えてあげないといけないから目が離せないし。
でもこの「一人で座れるようになる」までの間は、その他に上手に転べる術を学んでいる最中なんです。

人間は姿勢反射という、姿勢を保ったり、倒れそうになった時に倒れないように姿勢を戻そうとする反応を持っています。
頭-体が連動して動いたり、目から入った情報で倒れかかった姿勢を保とうとしたり、頭が傾いたときに耳の奥の器官が反応して頭を戻そうとしたり…見えない部分で無意識に体を守ろうとする働きがたくさんあります。
と同時に、倒れないための筋肉の働きも備わってきます。座っている姿勢を保つのは腹筋も背筋も重要。後ろに倒れそうになったら、より腹筋にぐっと力が入るし、前に倒れそうになったら、より背筋にぐっと力が入ったりします。
その姿勢反射は4~6か月頃から見られるようになってきます。その反射が生活の中で正しく機能するには、数多くの経験をすることで体にしみ込んでいきます。
4-6ヵ月というと、一人では座れず支えて座りながらグラグラして後ろや横ににゴツン!ってやる時期だったりしますよね。

お座りできるようになるまでは、たくさん転ぶ環境があって、なんどもなんどもぐら~っと倒れそうになった時に働く体の反応を経験しています。
それをバンボで固定して、仰向けから寝返ることも、ずり這いやハイハイも、お座りに挑戦したい気持ちも奪ってしまうことは、赤ちゃんの意欲も、体の発達も邪魔をしてしまう可能性があります。


➋座れない時期に座らせることへの弊害

モデルのミニまるです。(3ヵ月と7日)
腰は据わっていません。腰が据わっていない赤ちゃんの姿勢はこのような感じでまだまだ背中を丸めています。

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腰が据わった赤ちゃんでも、まだ背中は丸い状態です。
見づらいですが、新生児、5ヵ月、1歳1か月、3歳までの背骨をイラストで描いてみました。
バンボを使用しそうな5ヵ月あたりも背骨はまだまだ全体的に丸い時期です。

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背骨の右に頭が来るイメージです(今までの写真とは逆向き)



便利な反面、背中がまだ丸い時期に、強制的にまっすぐにして固定しておくことは、赤ちゃんの身体にとっては負担にもなります。
丸く寝ていたいのに、無理やりまっすぐにさせられて、身動きが取れない状態にされたら辛いですよね…?
前述したように、興味がどんどん育っていく時期なので、視界が広がることで好奇心も向上したり、むしろ寝かせているとぐずって座らせておくとご機嫌な赤ちゃんもいます。
ただ、固定した時間があったら動く時間も必要です。バンボから降ろしたら、赤ちゃん自身が動きたい時間をしっかり作ってあげて、上手に使いたいですね。

おすわりに必要なこと

ななめでごめんなさい。ミニまる、3ヵ月と19日のおすわりです。
3ヵ月の赤ちゃんは、背中を丸くしてまだ自力では座っていられません。頭が重いので支えないと前に倒れます。後ろに少しまだ体幹の筋肉や手で体を支えるのも厳しいです。
4か月の場合でも、支えがあっても一生懸命で努力的なおすわりになります。5ヵ月でようやく、手を支えにして少しの間だけお座りができる子が出てきます(発達は個人差が大きいので、5ヵ月で十分なお座りができる子はかなり少なめです)

おすわりに必要な能力として、首の安定性、背中・お腹の筋肉、股関節の安定性、先ほど説明した姿勢反射など様々なことが必要です。そんなたくさんの能力がまだ備わっていないお座りが不安定な月齢の子をびしっ!と座らせてくれるのがバンボ。

今まで書いたようにメリットデメリットどちらもあります。が、長時間使用しないなど、赤ちゃんの負担を考慮して上手に使えればいいのではないかと思います。

使える時期は個人差が大きい!

少し話が脱線しますが、バンボは使用期間が短いと言われる方もいます。体重というよりは体格差が関係していそうです。モデルのミニまるはむっちりさんで、太もも回りもお尻周りもぴったりです。運動量が増えて、太ももが少しすっきりしてくると使いやすさが出てくることもあるようですが、細めな子は隙間が空いて5-6ヵ月になると抜け出せてしまう子も出てきます。
※現在は転落防止のために付属のベルトがついています。

まとめ

大事なことは長時間とどめておかないこと

もちろん、赤ちゃんも生活していく上で座らなければいけない場面(食事やトイレなど)も増えてきます。発達や生活に伴い、丸まっている背骨も少しずつ伸びてきますが、WHOの【5歳未満の子供のための身体活動、座りがちな行動および睡眠に関する新しいWHOガイドライン】にも、
一度に1時間以上拘束させないでください(例:ベビーカー、ハイチェア、抱っこ紐など)とあります。

バンボもこちらにあてはまると思います。人生の中でこれから生きていく上で、大切な体の動きや感じたり考えたりすることを体全体を使って体験し学んでいる赤ちゃんにとって、ある一点に長時間留め続けておくということは、大切な時間や機会を奪う可能性があります。

ご家庭に合わせて、メリット/デメリットを考慮しながら使えると良いと思います。

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