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なぜこんなに家が狭いのか。

とにかく家が狭い。少し広い家に住もうと思えば途端に1億円を超えてくる。くらいになる。職住近接を実現しようと思えば、港区、中央区、渋谷区、新宿区といったところに居を構えることになる。ここで50平米の新築マンションを買えば6000万円から8000万円。これをフルローン35年で買うと、月の支払いが16-21万円。管理費と固定資産税を月割りして2万としても18万から23万円ほどの支払いでマンションが持てる。年収が1000万円で一人なら余裕かもしれない。50平米で十分たりるし、手取りも50-60万なので支払いも問題ない。結婚して子供がいなければ、これでもまだいける。

でも子供ができると状況は全く変わってくる。まず1人でも50平米ではおそらく足りなくなってくる。50平米の間取りは、1LDKか、ちょっと無理して作った2LDKだ。2LDKといってもうち1部屋はリビングとくっついた引き戸の部屋なので、あまり部屋感はない。小学校に入るまではいいだろうが、子供部屋を用意しようとすれば、最低でもしっかりした2LDKは欲しい。そうなると60-70平米は欲しいところだが、8000万円から1億円を超えてくる。でも、子供が中学生になった時にギリギリの2LDKで足りるかイマイチ自信が持てないし、もう一人、二人、子供ができない保証もない。将来は本来不確実なものだ。幸い、都心のマンションは売ろうと思ったときにすぐに売れるので、買い替えてひっこしということも全然できるが、諸費用だけでちょっとした高級車が買えるくらいお金が飛んでいくのはもったいない。

相場だけで考えたら今は資産バブルで売買の値段はどんどん上がっている一方家賃は上がっていない。だから、いっそのこと賃貸に入る事をかんがえてもいいのかもしれない。でも30万円消えてなくなっていくのはつらい。マンションの価格が変わらなければ、5年くらい済めば諸費用分くらい取り返せるし、東京のマンション価格はここ10年くらい上がり続けてる。もちろん上がり続けているから今後も上がり続けるなんてことはもちろんないわけだけども。賃貸に30万円払えるというのは、かなり贅沢な話だ。月額30万円まで払うことを考えると、どういう選択肢があるか。1億をローンで借りると今の一番いい金利で月額26万円くらい。管理修繕費固定資産税を入れても30万円に収まってくる。そうか、1億覚悟すればまともな広さの家が買えるかもしれない。

子供は騒ぐ。飛ぶ。走る。マンションに向かない。そうだ、戸建てはどうだ!確かに夢がある。なんたって駐車場にお金がかからないし、1億で100平米くらいの家が買えるかもしれない。マンションで100平米だと1.5-2億円するだろう。そしてそもそもマンションには100平米越えなんてあまりない。一部の超高級仕様だったりするので、100平米なのに1LDKでほとんどがパーティールームみたいなことになってたりする。そういう人たちもいるんだなぁ。そうなると、子持ち世帯の都心の選択肢としてかなり有力になってくる。さすがに東京駅周辺とか、番町とか、六本木らへんには建売なんて出ていないだろうが、文京区とか新宿区らへんまでくれば建売も結構出ている。100平米の戸建てを見学すると、確かに余裕を感じる。正直、3桁からくる果てしない広がり感を想像してしまうと、あれこんなもんかというくらい、だが全然しっかり広い。ああ、いいなぁ。あれ、でもこれ駐車場無いんだ?ああ、そうか、確かに道路せまいしなぁ。あれ、これも、あれも、それも。そう、戸建ての最大のメリットだと思っていた駐車場金かからない節がいとも簡単に否定される。都心に100平米取れて駐車場もしっかりとれる立地条件の建売なんてそうそう出てこないんだ。そうかぁ。

広さ、立地、駐車場をすべてクリアする物件は1億円いないではほぼ出てこない上に、子供が小学校に入ったりすると、学区という縛りまで出てくる。なんでこんなに家がないのか。そして家が狭いのか。金持ちではないが、それなりにしっかり働いて収入もあるはずなのに、まともな広さの家には住めないのか。

国交省が設定する誘導居住面積水準によれば、4人家族に必要な面積は95㎡。マンションなら1億5000万か。戸建てならギリ1億未満が運良ければ見つかるという水準だ。「郊外ならもっと豪邸にすめるのに」とおっしゃる方が一定数いるが、ちょっと違うんだよな。その選択肢があるならとっくにそうしている。確かに今はコロナで在宅勤務だが、いつ出勤モードに戻るかもわからないし、共働きで子供との時間をしっかり確保しようと思ったら、行きかえりの通勤に2時間も使っていられないのだ。片道30分往復1時間で済ませられれば、その一時間を家事育児子供の本読み聞かせとかいろいろ使える。この時間はあとから取り返せない。そういう意味では都心で働いている以上都心に住まざるを得ない。自分も東京郊外出身だからわかる。何とか通える。でも朝ののろのろ満員電車では1時間半かかって会社に着くころにはへとへと。家に帰ったら何もできない。もしこれが夫婦二人で同じ状況なら生活が成り立たないだろう。夫婦で行きかえりに2時間通勤してたら4時間の時間が失われていることになってしまう。職場にある程度近いところに住むということはそれだけの価値があるものなのだと思っている。

マンションの高さに絶望し最近では建売、中古戸建、土地を探しているが全く出てこない。ちょいちょい出てくるのは、「極端に小さい面積」「前面道路が2M程度の幅の車が通れない私道」そういうのは結構多いんだ。極端に小さいのは、一見の大きな家を3分割くらいにして43㎡とかで売るからだね。でさ、狭くてもまともに家が建てばいいんだけど、なんだよあの建蔽率と容積率っていうの。根拠は何だよ。60%と160%ってさ、40㎡の土地だったら、建物の総床面積が64㎡にしかならないの。もっと高層化しようよ、東京は人がいっぱいいるんだからさ。40の土地だってそんなけち臭いこと言わないで4階5階立てられるようにすればいいじゃない。160%ってなんだよそんなんだったらほんとちっぽけな家しかたたないじゃんかよ。容積率緩和しようよ、コストも何もかからないんだし。容積率緩和しまーすっていうだけでいいんだからさ。そしたらきっと古い家も土地売っていろいろ建物たって活性化するかもしれないしさ。

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