【有名な誤謬まとめ】詭弁を始めたい人のためのガイドブック『詭弁テクニック入門』
はい。この記事を読んでいる皆様はきっと詭弁…いや、誤謬に興味を持っているのでしょう。
世の中には、「パパだって若い頃は!」と反論する子供の日常的な誤謬から、家事を頼まれた夫が「じゃあ俺に全部やれってのか?!」と極論を提示する少し高度な誤謬まで色々あります。
そしてインフルエンサーから政治家まで、色々な誤謬を使った詭弁が、現代には満ち溢れています。
この記事を読めばあなたもそういったトンデモな意見を見破れるようになるか、あるいは彼らのように使いこなして仲間入りすることができますね!
それでは始めましょう。
ラブジョイ抗弁(Lovejoy Argument)
「子供たちのことを考えろ!」というフレーズを用いて、主張に反対する論法。ここでいう「子供たち」は架空の存在であることが多い。
由来: アニメ「ザ・シンプソンズ」の登場人物から。
間違い探し(Looking for the Wrong)
相手の議論に小さな誤りを見つけ出し、その点を根拠に全体の主張を否定する論法。
「データが古いからお前の言っていることは間違いだ」
藁人形論法(Straw Man Fallacy)
相手の主張を歪めたり、捏造したりして攻撃することで、実際の議論を避ける論法。
A: 「もっと家事を手伝ってほしい」
B: 「全部俺がやれってこと?仕事もあるのだから無理に決まってるだろ」
人身攻撃(Ad Hominem)
相手の人格や背景などを攻撃し、それによって自分の主張の正当性を証明しようとする論法。
「お前はただの学生だろ!偉そうに政治なんて語るな!」
権威に訴える論法(Appeal to Authority)
権威ある人物や機関の意見だと主張することで、自らの主張に根拠を持たせようとする論法。実際の根拠や論理的な説明を避ける。
「根拠だって?俺は〇〇大学でその研究をしていたぞ。俺が言っていることが正しいに決まっている」
そっちこそどうなんだ論法(Whataboutism)
自身の行動や主張が批判された際に、反論せずに相手の過ちを指摘して逆攻撃する論法。
「お前らだって同じことをやっているじゃないか!批判する立場じゃないだろ!」
「真のスコットランド人ではない」(No true Scotsman)
反例が提示されると、その例が「本当の〇〇」ではないと主張して反例を排除する論法。
A: 「スコットランド人はそんなことをしない」
B: 「でも、私の知り合いのスコットランド人はそれをしているよ」
A: 「それは真のスコットランド人ではない」
ムービング・ゴールポスト(Moving the Goalposts)
相手が有効な反論をした時に、回答の条件を変更し続けることで、相手の主張を無効にしようとする論法。
A: 「醤油ラーメンが一番人気という根拠はあるのか?」
B: 「ラーメンの人気ランキングはこれだ」
A: 「俺は日本でのラーメンの人気について聞いたんじゃない。世界で一番人気のラーメンについて聞いた」
スリッピースロープ(Slippery Slope Argument)
小さな譲歩が次々と大きな譲歩を引き起こし、最終的に望ましくない結果に至ると主張する論法。
「一度でも賃上げ要求に屈せば、どんどん給料は吊り上がり、会社は倒産するだろう」
偽のジレンマ (False Dilemma)
実際にはもっと多くの選択肢が存在するにも関わらず、二者択一の選択肢だけを提示して、相手に限定された選択に迫る論法。
あいまいさ論法 (Ambiguity Fallacy)
言葉の二重の意味やあいまいさを利用して、真実を誤解させたり、誤表現したりする論法。あいまいな表現を用いて誤解を招き、後で追及された際には、「嘘をついていなかった」と弁明できる余地を残す
ギッシュ・ギャロップ(Gish Gallop)
専門家でさえ即答できないような複雑かつ多数の質問を立て続けに投げかけ、相手を圧倒させる論法。
多重質問 (Complex Question)
互いに合意されていない前提を含む質問。質問の回答によっては、質問自体に含まれる前提を無意識のうちに認めてしまうことになる。
「最近の漫画がつまらないのは出版社のせいだと思うか?」(「最近の漫画はつまらない」という前提を含む)
対案を求める論法(Counterproposal Fallacy)
「反対するならば対案を出せ」と要求し、具体的な解決策を提示せずに反対のみを行う行為を批判する論法。しかし、現状維持が最善と考える場合、それ自体が対案となることもある。
中間地点論法 (Middle Ground Fallacy)
二つの極端な立場の間の妥協点や中間地点が最も真実であると主張する論法。しかし、実際には妥協点が必ずしも正しいわけではなく、多くの場合、真実と誤りの中間は誤りに他ならない。
一方が「地球は平らだ」と主張し、もう一方が「地球は球体だ」と主張する場合、これらの主張の中間地点を取ることは、事実に基づいた正しい結論にはならない。
さて、これで全てです。
この記事に面白さを感じた理由は、皆さまが「こういう論法をする人いる!」と共感したからでしょうか、あるいは「これは今後使えるな」と密かに思ったからでしょうか。そのどちらだと思いますか?
それでは良き詭弁ライフを!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?