我流園芸家の12ヶ月(仮題) 4月

4月は、出会いの時でもあり別れのときでもある。
前年、いや場合よっては何年も前に種を蒔いた鉢から芽が出てくる。まず、自分が蒔いた種か、ただの雑草かと怪しみ、たとえ自分の蒔いた種だとしても、その次にそれが何の芽かを思い出さなくてはならない。こんなときである、面倒くさいなぁと思いながら作業の記録を続けてきた自分を褒めてあげる瞬間は。

枝垂れ(?)梅と思われる。

また、思わぬ場所から出てきた芽を見つけることだってある。例えば庭に置いてある素焼きの飾りの下からとか・・・。いずれにしても、喜ばしい出会いだ。

素焼きのきのこを動かしてみたら、チューリップ(と思われる)の芽が虐げられてペタンコになっていた。一日でここまで復活。

恒例の芽生えや花芽に出会えるのも、4月の楽しみだ。行きつけの飲み屋さんで以前良く出会った常連さんに久しぶりに会って盛り上がる、みたいな。初めての芽に会う時より安心して眺めることが出来るのだ。

菊桜の蕾

しかし、一方、何年も一緒にやってきた苗が芽を出さずに枯れてしまうこともある。寒さのせいか世話の不行き届きで、春の芽吹きをする力がなくなってしまったのだ。寂しい、悲しい、「ああしておけばよかった」と後悔する時もある・・・。しかし園芸家はたちまち思い直す。「手狭になってきた庭に、少し空きができる。さあここに何を置こう・・・」などと不埒なことを考え始めてしまうのである。

左は枯れている?


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