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silent〜佐倉想〜追

6話・7話も観て、
追って思ったことを。

1話〜5話までの感想はこちらで。

6〜7話にかけては主に奈々を中心とした話の展開でしたが、想にとっての奈々の姿が見えてきた気がしました。関係を断ち切る、なんてことはお互いにしませんでしたが、距離感をきちんと意識することができたみたいですね。

2度、紬は想に奈々のことを「どんな人か」と尋ねました。

最初は「すごく大事な人」と言い、2度目は恐らく感謝の言葉をまぜながら丁寧に説明をしたんだろうと思います。(紬の話から)関係があるかどうかはわかりませんが、湊斗から関係性を伝えることは好きでも嫌いでもない普通の関係の相手という統計?を教えられ、奈々とのことを意識してみたんではないかと。

好きなのは紬であることは紛れもない真実で。

だけど奈々は?

今まで見て見ぬふりしてきたけど、もう有耶無耶にしてはいけないと思った時、ちゃんと向き合おうと思うと言った。

奈々と出会ってから5年ほど経っていて、二人きりで会っていたのに恋人関係にならなかったのは、想自身のケジメみたいな感じなのかな。紬を一方的に振ってしまったことへのケジメ。もちろん紬への気持ちが残っていることも菜々との関係を進めなかった理由だと思うけど。

奈々は友達ってことで決着がついたんだけど。

前回も言ったけど、紬が現れなかったら、手話を習わなかったら、いずれは想の隣にいるのは奈々だったんじゃないかなぁと、やっぱり思うのです。

夢の中で奈々と声でおしゃべりをしている、声が想像できる、目が覚めたときに思い出せないと言ったときのガッカリした表情。

ファミレスで、まるで目の前にいるのが奈々のように愚痴をこぼす。愚痴なんて紬に話したことがあったんだろうか。

奈々は想の部屋を知っていた。行き来してたのかな。子供じゃないんだし、長い友達期間を経て、付き合い方が変わっていったんじゃないかな。結局何もなかったし、奈々の片想いで終わってしまったんだけど。


想が声を出して話をしない理由とは。

「声が好きなんだもんね」と打って消した文章。

自分の世界からは音が消え、自分から発する音すら聞くことができないのに。周りからは何故喋らないのかと言われる。決して責めている訳ではないのだけど、責められているような気持ちになったのかもしれない。

卒業後、段々と聞こえなくなっていき、人と話していて聞き返す度に面倒くさい顔をされたり、もういいよと話すことを止められたり。授業もついていけず、部活も辞めざるを得ず、補聴器でサポートしても先生や警察に怒られたり。好きな子と電話もできなくて、好きな声も聞こえなくて。大好きな音楽も聞けなくて。耳を塞ぎたかったのかな。

大学生になってから一生懸命手話を覚えて、しばらくは筆談と併せて。とにかく一生懸命覚えた。

自分はつらい思いをして、努力もして、手話をすることができるようになったのに、なのに聴者は、聞くことができない相手にも喋れるなら喋れという。ズルい、なんて思ったんだろうか。

自分の発する音が聞こえないというのはどういう気持ちなのか。

たとえば生活音がうるさいと下階からクレームがくる感じ?ちょっと違うか🤔

図書館で、笑いあった時に声が漏れた時。無自覚な音。シーッと怒られる。奈々は自分から出る音があるんだって自覚して、楽しかったんだろうな。一方想は意識的に音を消して生きようとしているけど、この時は本当に無意識に出てしまった音で、なぜ怒られたのかわかっていなかった様子でした。


奈々から、紬はまっすぐ言葉を届けてくれる人とだと言われた時。
想は、
そうだ。紬は「まっすぐ」なんだと再自覚したんだろうな。ファミレスで紬の言葉をまっすぐ受け取れなかった。紬の言葉にウラもオモテもない。それは良くも悪くもなんだけど。自分が好きになった部分。

紬は自分に寄り添おうと、一生懸命になって手話を覚えてくれるし、わからないときも、もう一度聞こうとしてくれる。

じゃあ自分は紬に何ができるだろう。

声を出せば喜ぶかな。
怖いな。


そんな怖い気持ちも受け取ってくれる紬の事が
すごく嬉しく、愛おしく思えたのかな。


そんな風に思ったのでした。

※想は、読唇少しはできるのかな?





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