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日本の英語教育を脳から全削除した日 -unlearn.

最近、仕事関係の方とのやりとりを通して私は
一つのあたらしい言葉に出会った。
それは、unlearn.
彼女はunlearnに関する書籍の話をしてくれた。

unは二つの意味を持つ接頭辞。
一つ目は
unhappy, unfair, unfortunately
この場合は、そうじゃないと言う意味。
もう一つは
undress, unpack, uninstall.
服を脱ぐ、荷解きをする、アンインストールは日本語になっている。
unlearnは後者の方だ。

私は早速一冊の本をaudibleで聴き始めた。
本の主題はこうだ。
unlearn できるとrelearnできる。そしてbreakthrough を果たせる。
とても驚いた。私の人生の根底部分とも言えると思った。
私の人生はunlearnの繰り返しだったからだ。
unlearnと言う言葉は初めて知ったが、
unlearnがどう言うものか私にはよくわかる。

私の人生最初のunlearnは18歳の時だ。
何かの機会で英語の試験を受けた。アメリカ人だったと思うが
ネイティブスピーカーによる簡単な口頭試験を受けた。
絵を見てそれについて答えると言う程度の本当に簡単な内容だったはずだが
当時の私は一言も本当に聞き取れなかった。
お勉強は嫌いではなかった。英語はちゃんと勉強していた。
私の若い心はポッキリ折れた。

18歳の私はその時、
(日本の英語教育ダメだな。私の脳から全削除。)と秒で決断。
勉強法、考え方、自分に染み付いているもの全て、削除した。
私の外国語学習の旅はそこから始まっている。その時の私はもちろん
unlearnなどという言葉さえ知らない。でも、「全削除」は今から思うと
その後の私のrelearnの吸収力を格段に上げてくれた気がする。

そして15年ほど前から少しずつ日本人に
英語のレッスンをするようにもなり
私は二つのパターンを経験する。

一つは、多言語話者の学びの「型」を感じることができ
そこに飛び込み、語学の学びの真の楽しみをrelearnできるパターン。

もう一つは、新しい「型」に飛び込めない、
慣れ親しんだ記憶偏重教育で感じた達成感に戻っていくパターン。
彼らの中に根付く深く太い回路のようなものを
取り除くにはどうしたらいいのだろう。

日本人が世界レベルの努力家気質で英語習得にひたむきに取り組んでいるにも
かかわらず、こんなに苦戦するのは、unlearnできないのも一因だと
感じている。「学習法」なるものが話せるようにしてくれると
もし、あなたが今も潜在的に信じているのなら、少し危険だ。

「多言語話者の頭の中の教科書」と言うシリーズで
マルチリンガルが次々と外国語を習得していく姿を少しずつ言語化している。
もし「学習法」を探しているなら、多くの日本人に必要なのは
彼らの方法だと思う。でも彼らの方法に飛び込むにはunlearnが必須になる。
あなたは日本の英語教育をunlearnできますか。


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