ウクレレでJAZZ?
私は4年前からJazzを始めた。
割と若い頃から、いつかおばあさんになって無限の自由時間を手にしたらJazz ピアノをやってみたいと漠然と思っていた。おばあさんになったら指も脳もちゃんと動かないかもしれないのに何とも無謀な夢だとも自分でも思うが。Jazzをやっているというと必ず聞かれる。楽器は何だと。答えると、「え?!」とか”what?!”と必ず言われる。私はウクレレでJazzをやっているからだ。
ジャズは好きだったが、ジャズが何かは全くわかっていなかった。
ホテルのバーやラウンジでゆったり流れる洒脱な音楽というイメージだった。
音楽配信のチャンネルでもジャズは好んでよく聞いていたが、おしゃれで心地よい音楽という程度の知識しかなかった。
ジャズには黒本と呼ばれる楽譜集がある。有名スタンダードジャズの曲を集めたものだ。その楽譜をもしクラシック音楽をやっている人が見たら驚くと思う。楽譜には主旋律とコードしか書かれていないからだ。私も初めてみた時には(これだけでどうやってひくの?)と思った。
ジャズの演奏ルールはこうだ。例えば、ピアノとトランペットとベースのトリオで「枯葉」を演奏する場合。リードする楽器担当がまず「枯葉」のテーマを演奏する。誰もが知るあのメロディーだ。楽譜通りでもいいし、アレンジしても良い。あのメロディだとわかればいい。例えばトランペットがリードするならトランペットが「枯葉」のテーマを演奏する。そして次は「枯葉」のコードに基づいて即興演奏をする。1回だけでも良いし2回やっても良い。そして目配せのような合図を軽く送ってベースへ。ベース担当は即興演奏をする。そしてピアノへ。ピアノが即興演奏を終えると合図を送ってトランペットに戻す。トランペットが再び「枯葉」のテーマを演奏しエンディング。これがざっくりとした流れだ。そう、ジャズとは即興演奏のことなのだ。
ジャズをやっているというとジャズは嫌い、ジャズは苦手と言われることも多い。
そういう人によく聞いてみると、フリージャズの印象でジャズが苦手と言っていることが多い。フリージャズは私もあまり聞いたことはないがおそらく理論は置いておいて完全に即興演奏をすることなのだと思う。お世辞にも聞いていて心地よいとは思えない演奏になるのだろうか。きっとこの世のどこかには素敵なフリージャズもあると思うが、世間一般のイメージはおそらくそんな感じだろうと思う。私もそうだ。
ジャズはその起源こそ貧しさから生まれたとも言える音楽だが、実は非常に理論的にできていて、普通は音楽の理屈を知らないとできない。私はクラシックピアノをかなり真剣にやっていた頃に当時の先生の勧めもあり、楽典も学んでいた。が、あまり面白くなかったので挫折した。クラシックの楽典で学んだことがジャズを学ぶ時にも若干役に立った。しかし多くを学ばねばならないなと初めの頃は少し気が遠くなるような気分になった。
スケールの一種、教会旋法を学んだ時、先生がスラスラとアイオニアン、ドリアン、フリジアン、リディアン、ミクソリディアン、エオリアン、ロクリアンと説明しているのを聞いて、いきなり挫折しそうになった。無理かなと思った。
ま、でも、今ではウクレレの弦の上で上記のスケールがいくつかはスラスラと指を動かせるようになったし、譜面の分析もある程度はできるようになった。
ただ、即興演奏というのは本当に適当に弾けば、聴くに耐えないメロディとも言えないメロディになる。ある程度狙い撃ちで「こういうメロディーで」とやらないととてもじゃないが、聴けたものではない。瞬間的に綺麗な旋律が思い浮かんで、それが弾けるなんていうことは4年前は神業にしか思えなかった。
でも、語学にしても柔術にしてもジャズにしても何事も同じだとよく思うのは
大事なのは基礎。基礎無くして神業の域になど行けるわけがない。いろんなドレミファソラシドに聞こえる各スケールを地道に体と耳に叩き込むしかないし、同時に理屈も頭で理解しないといけない。
まだ一曲全部を納得のいくアドリブで演奏し終えたことは一度もない。
だけど、Aメロの初めの2小節だけとか、たまーに自分でも好きな自分のアドリブができた時は本当に楽しい。ピアノでジャズをやる日はなんだかやってこないような気もするが、ウクレレでなら多分できる。多分あなたも!?
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