ザリガニの話
飲み会の時に話題が途切れたりした時、盛り上がりに一役買えそうな話題、エピソードトークを誰しもが、いくつかは持っていると思う。
その内のひとつを紹介してみたいと思う。自分から切り出すほどの強いネタではないので、殆どの場合、友達が最初に、こいつ昔からおかしな事ばっかり言っててさ、アレの話してよと誘導されてから話し始める事が多かった。
それは、小学生の時に学校が終わって、いつもとは違う通学路で友達2人で帰っていた時の話だ。
小川の側を通る道で、ふと川の方に目を向けると違和感を感じた。何かいる。道路の上からハッキリ見えたのはザリガニだった。何それって思った?こんぐらいデカかったのよ。と両手で通常のザリガニの2倍ぐらいの間隔(30cm弱)を作り皆に見せる。と、そんな訳ないと総ツッコミが飛び交う。ロブスターだったんじゃないのとか。もちろん反論しますよ、絶対巨大なザリガニだったと、普通のザリガニもその時に捕まえて比べたら2倍あったし、1人じゃなくて2人で捕まえたが後1人が誰だったか覚えてないけど、とかを話すが、まあ誰も信じないので、本当なんだよーと叫んで、そこそこ盛り上がって話は終わり一仕事した気持ちになる。
結婚して長男が物心がつき始めた頃にクジラに興味が出てクジラの絵を描いてと催促されたり、海洋図鑑でいろんなクジラを見て覚えたりしていたので、その時はいろんな本を買ったり貰ったりしていた。
大人になってから図鑑等を見ると、意外と知らない事や初めて聞く事も多くて、読み聞かせながら自分の知識にもなるなと思っていた。
ふと開いたページを見た時、あっと叫んだ。そう、小学生の時に捕獲したあのザリガニが2ページに跨る大きさで掲載されていた。その周りにアメリカザリガニやニホンザリガニ等が配置されて。
その図鑑にはウチダザリガニと記されていた。
日本には天然分布していない外来種で滋賀県や北海道に多く生息しているらしく、食用にするために日本に輸入された個体だ。どうしてあの川にいたのか理由は全くわからないが、数十年振りに実在する事がわかったので、かなり興奮した。
自分にとってはツチノコ発見と同じぐらいの大発見だったと思っている。
皆に言われたようにザリガニじゃなかったのかもと思う時もあったかもしれないし、小学生だから大きく見えたとか言われたらそうかなと思う事もあった。だけど誰も信じてくれなかったけど幻じゃなかったんだとわかって本当に良かった。
嘘のような本当の話が数十年後にやっぱり本当だったよという話を書いてみました。
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